「こんなとき、どうする?」~知って得する不動産コラム~
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vol.3 ミニマムでも豊かに暮らす!住まいのコンパクト化
余計なものを持たず、最小限のなかで心豊かに暮らす。そんな生き方を志向する人が増えているといいます。
実際にライフスタイルの変化に応じて、郊外の戸建て住宅から都心のコンパクトなマンションへ住み替えるというあらたな流れも。
このように今までの住まいよりもコンパクトな家に住み替えることを「住まいの“ダウンサイジング”」といい、そのミニマムな暮らし方が注目を集めています。
そこで今回は、ミニマムな住まいでも快適に暮らす「住まいのダウンサイジング」について解説します。
今注目される「ダウンサイジング」とは?
住まいの多様化が進むなかで広い家に住むことを好む人がいる一方で、コンパクトな家に住み、家賃や購入価格を抑えたいと考える人が増えています。
その傾向は住宅供給にもあらわれています。
時代背景①
「物質的豊かさ」を追い求める時代から「精神的豊かさ」を求める時代へ
たくさん働き、たくさんお金を稼いで、たくさんのものに囲まれる暮らしこそ「いい暮らし」といわれた昭和の時代。その豊かさによって人々はいつしかモノに支配される息苦しさを感じるようにもなります。
結果、自分にとっての本当に「いい暮らし」を求め、「ミニマリスト」「エコ」などに象徴される“必要なモノさえあればよい”という人々が増えることに。「家は広いほうがいい」「結婚して家族が増えれば広い家に住み替えるのが普通」という従来の住まいに対する価値観にも変化が生まれています。
時代背景②
核家族化
かつては結婚した子ども世帯と親世帯が同居する大家族の形態が多く見られました。しかし現代では核家族化、少子化が進み、家族のあり方に変化が生まれています。
家族が減ることで、大きな家やたくさんの部屋は必要なくなることに。そのため現代では小さな家でも工夫して暮らす子育て世帯が増加しています。
時代背景③
小さくても高性能のモノが増えている
かつて家電や軽自動車などの小型化が始まったばかりの頃は、「コンパクトなだけで性能は低い」と評価をされる一面もありました。しかしその後さまざまな技術革新によって商品の品質は劇的にアップ。「小型化・軽量化といった条件を満たしたうえでの高性能化」が主流となっています。
住まいについてもコンパクトな間取りながら収納スペースに工夫がなされているなど、暮らしやすいように設計された物件も増えています。
それでは住まいのダウンサイジングを行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
【ダウンサイジングのメリット】
・購入費用がおさえられる
・生活費をコストダウンできる
・家事負担が少なくなる
・モノが少なくスッキリ暮らせる
コンパクトな物件は購入費用をおさえられるため、住まいの選択肢を広げられるメリットがあります。例えば今よりも利便性の高い立地を選択できることで暮らしの質が向上できるだけでなく、資産価値の高い物件を手にすることにも。
また50代からのダウンサイジングを検討する人にとっては、生活費のコストや家事負担が軽くなることでリタイヤ後の楽しみが広がるでしょう。
今こそ見直しのタイミングかも?ダウンサイジング診断
なんとなく今の住まいにしっくりこないという方は、チェック診断で今の状況を確認してみましょう。今すぐダウンサイジングを実現できなくても、今後のための選択肢をぜひ探ってみてください。
チェックリスト図
【事例コラム①】狭くても楽しみ方はいくらでもある!
妻(37歳)夫(45歳)長男(10歳)長女(8歳)
80m2(2LDK)から50m2(2LDK)のマンションにダウンサイジング。
生活費を少しでも抑えたくて現在の家に住み替え。狭いながらも押し入れの中を子どもたちの遊び部屋にしたり、デスクの天板を折り畳める勉強机を使用したり、さまざま工夫をしているとか。「家族と濃密な時間を過ごせるのは決して長くないから」と限られた貴重な時間を大切しながら暮らしているそう。
【事例コラム②】時間的にも体力的にもゆとりができた!
妻(65歳)夫(68歳)
130m2・庭180m2(4LDK)の戸建てから46m2のマンションにダウンサイジング。
一戸建ての維持も年々に大変になり、庭の手入れも負担もになっていたそう。そこで2人のお子さんが独り立ちしたことをきっかけに住み替えを決意。最寄駅から徒歩2分のマンションに住み替えし、時間的にも体力的にもゆとりができたといいます。交通の便もよくなったことで趣味の観劇にもでかけやすくなり、セカンドライフを満喫しているそう。
理想のダウンサイジングを叶える!住み替えのコツ
住み替えは人生において大きな決断。後悔しないためにもまずはしっかり計画を立て、できる準備から始めてみましょう。
・家族で「ゆずれない条件」をリスト化する
住まいをダウンサイジングするということは、これまでの家より価格を抑えた物件に住み替えることになります。そのため当然いくつか妥協しなければならない点が出てくるでしょう。
さらに家族それぞれ優先したいポイントが異なる場合は、意見をまとめるのに苦労することも。そこでおすすめしたいのが「ゆずれない条件」のリスト化です。「駅から徒歩10分以内」「眺望の良い上層階」「バリアフリー設計」など優先したい条件を家族でリストアップしていくことで方向性も見えてくるでしょう。
・環境に慣れるため「賃貸」から始める選択も
思い切ってマイホームを手放したのに、新居の環境が肌に合わず住み替えを失敗してしまったら……という不安はつきものです。
そのためいきなり住み替える家を購入するのではなく、賃貸で「お試し期間」を設けてみるのも選択肢の一つです。
賃貸で将来の暮らしをイメージすることで、あらためて理想の家が見つかることもあります。
・住み替え前に半年〜1年使わないものは処分
コンパクトな家に住み替える場合は、これまで持っていた持ち物を整理する必要がでてきます。手放すのに躊躇するモノもあるでしょう。
しかし思い切って「半年〜1年使わないものは処分する」というルールを決めることで整理もスムーズに。
長く大切に使えるものだけを選別していくことで、本当に大切にしたいモノや理想の暮らしなども見えてくるでしょう。
ダウンサイジングをきっかけに住み替えの検討を!
ライフスタイルに合ったよりよい暮らしを選択する人々が増えている昨今。「いかに暮らし、いかに生きるか?」が問われる時代にもなっています。
かつて理想的だった広くて大きな家もライフスタイルの変化とともに理想とは程遠い存在になってしまうこともあります。
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