
【肩の緊張緩和】血行を促進する肩こり改善エクササイズ vol.60

目次
肩こりの原因とは

背骨と肩こりの関係性
小胸筋と肩甲骨の動き

小胸筋の柔軟性が低下すると背中が丸くなり、肩まわりの筋肉(僧帽筋、前鋸筋)への負担が大きくなります。小胸筋は第3〜5番肋骨の前面から始まり、肩甲骨の烏口突起にかけて付着している筋肉です。この筋肉は肩甲骨を下方に引いて肩甲骨を安定させる働きがあります。しかしこの小胸筋が硬くなると肩甲骨が前方に引っ張られてしまうため、背中が丸まり肩関節は内側に捻れた状態になります。この状態では、背中を後ろに伸ばすことができなくなり僧帽筋や前鋸筋の上部繊維に大きな負担がかかってしまうため、肩こりの原因となってしまいます。
前鋸筋と肩甲骨の安定性

多裂筋と姿勢

多裂筋の筋力が弱くなると背中が丸まり猫背姿勢になってしまいます。多裂筋は腰の一番下にある骨(仙骨後面)や腰の骨(腰椎乳頭突起)から始まり、首のつけ根あたりまでの背骨の後ろにある突起部分にかけて付いている筋肉です。この筋肉の働きは、背骨を捻る働きや横に倒す働きのほかに、背骨を後ろに伸ばすことや背骨を安定させる働きがあります。背骨を後ろに伸ばすことで肩甲骨が腰方向に引っ張られるため、肋骨にしっかり固定され肩甲骨が安定します。このように多裂筋は肩甲骨の安定性に深く関係しているため、多裂筋を正しく使うことで肩まわりの症状が緩和します。
肩こりのセルフケア3ステップ
STEP1 大胸筋・小胸筋ストレッチ

■効果
胸周りの筋肉(大胸筋、小胸筋)柔軟性改善、背骨の柔軟性改善、肩まわりの血流改善
■手順
1.うつ伏せになり顔は左を向きます。両腕の肘を肩の高さで90度に曲げます。
2.両膝を90度に曲げて右側に倒します。
3.左肘を上げ、肩の位置で手を床につけます。
4.左肘を伸ばしながら顔を天井に向けて右へ捻ります。
■セット数目安
2~4の動作を10秒1セットとして左右3セット行いましょう。
■ポイント
4の動作の際に右の肩が床から離れないように意識しましょう。
STEP2 背骨のストレッチ

■効果
背骨の柔軟性改善、肩甲骨の可動域改善、首の骨(頚椎)の前弯改善
■手順
1.両肘をつけて手は頭に置きます。バスタオルを筒状にしたものをみぞおちの裏において、押しながら背中を丸くします。
2.みぞおちでバスタオルを押しながら、背中を伸ばします。
3.床に肩がついたら肘を頭方向に引き上げます。
4.みぞおちの裏でタオルを押しながら1の姿勢に戻ります。
■セット数目安
1~4の動作を1セットとして10回行いましょう。
■ポイント
1~4の動作の際に、みぞおちの裏でバスタオルを押す力が抜けないように注意しましょう。
STEP3 肩関節のエクササイズ

■効果
肩関節の可動域改善、肩関節インナーマッスル(小円筋、棘下筋、肩甲下筋)の柔軟性改善
■手順
1.仰向けの状態で右肘を90度に曲げ、右肩と同じ高さにします。
2.みぞおちに左手を置き、みぞおちでマットを押します。
3.右肘を支点にして、右手のひらを床につけるように肩関節を捻ります。
4.右肘を支点にして、右手の甲を床につけるように肩関節を捻ります。
■セット数目安
3~4の動作を1回として左右10回ずつ行いましょう。
■ポイント
3~4の動作の際に支点にしている肘がずれないように意識しましょう。
まとめ
肩こりの原因は様々ですが、背骨を後ろに伸ばす筋力の柔軟性の低下は肩こりの原因の全てに共通します。特に多裂筋(たれつきん)や前鋸筋(ぜんきょきん)といった、肩甲骨や背骨を安定させる筋肉が弱くなると背中が丸まり猫背姿勢になるため、肩の筋肉の負担が大きくなってしまうことで肩こりの症状が悪化します。今回ご紹介した3つのエクササイズを行うことで、肩甲骨と背骨が安定するため、肩まわりの血流が改善します。まずは各メニューを1日1セットから行い、肩こりを改善していきましょう。
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