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【スタイルアップ】姿勢改善で10kg痩せて見える方法 vol.61

「身体のたるみが気になる」「運動しているのに身体が引き締まらない」このようなお悩みを抱えていませんか?ダイエット方法として「運動」や「食事制限」が思い浮かぶと思いますが、姿勢を整えることもダイエット効果を高める重要なポイントです。猫背や反り腰などの悪い姿勢が習慣化すると、本来働くべき筋肉が使われなくなり、基礎代謝や筋力が低下してしまいます。その結果、身体を支えることができなくなり、お腹や背中、お尻周りの筋肉がたるんでしまうため、見た目が太って見えてしまいます。今回は、太って見える姿勢の原因の解説と姿勢改善エクササイズをご紹介します。

太って見える姿勢とは?

正しい姿勢とは、身体を横から見た時に耳たぶ、肩(肩峰)、股関節(大転子)、膝蓋骨の後方、外くるぶし(外果の前方)が一直線上に並んだ状態のことを言います。この状態が崩れて姿勢が乱れると実際よりも太って見えてしまいます。なかでも、猫背姿勢、反り腰姿勢、スウェイバック姿勢の3つの姿勢は外見上の印象に大きな影響を与えます。この3つの姿勢が体型に与える影響について詳しく解説いたします。

猫背姿勢

猫背姿勢は、横から見ると背中が丸まり、首が前に出ているのが特徴です。首や顎周りの筋肉が正しく使われなくなることで筋力が低下し、脂肪や老廃物がたまりやくなるため、二重あごになりやすくなります。また、肩が内側に巻き込まれて肩甲骨が外側に広がることで、背中が大きく見え、筋肉のたるみも目立ちやすくなります。この姿勢の原因の1つとして、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用による胸や肩周りの筋肉の機能低下が挙げられます。常に下を向く姿勢が続くことで、胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)が過度に緊張して短縮し、同時に肩甲骨を正しい位置に保つ筋肉(僧帽筋中部・下部、菱形筋、前鋸筋)が機能低下を起こしてしまいます。その結果、猫背姿勢になってしまいます。

反り腰姿勢

反り腰姿勢は、横から見ると骨盤が前傾してお尻を後ろに突き出し、腰のカーブが強くなっているのが特徴です。腰の反りが強くなることで腹部が前に押し出され、お腹がポッコリと前に出て見えるようになります。その結果、上半身と下半身のバランスが崩れ、全体的にたるんだ体型に見えてしまいます。この姿勢の主な要因は、インナーマッスルである腸腰筋(ちょうようきん)と背骨の両側に沿って付着する脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の過度な緊張、お腹の筋肉(腹筋群「ふっきんぐん」)およびお尻の筋肉(臀筋群「でんきんぐん」)の機能低下です。これらの筋肉は、骨盤を安定させる役割があり、機能が低下すると骨盤が前方に傾いてしまうため反り腰の姿勢になります。この姿勢は、ヒールの高い靴を履く女性によく見られます。ヒールを履くことで重心がつま先へ移動し、それに対応するために腰や上半身でバランスをとろうとします。その際、腰椎が過度に反り骨盤が前傾するため反り腰になります。また、女性に限らず、長時間座ることが多い方も注意が必要です。座位姿勢が続くと、股関節を曲げる筋肉が短縮しやすくなり、立った際に骨盤の前傾が強くなってしまいます。さらに、妊娠による重心の変化や腹筋力の低下なども反り腰の要因として挙げられます。一見すると胸を張った良い姿勢に見えますが、実際には腰部に大きな負担がかかっており腰痛の原因にも繋がります。

スウェイバック姿勢

スウェイバック姿勢は、横から見ると骨盤が前に押し出されて、お尻が四角く垂れて見えます。上半身は後方に傾いているため、胸が下がり、全体的に前後のメリハリがない体型が特徴です。この姿勢の原因の1つとして長時間の座位などによる筋力の低下が挙げられます。長時間座った姿勢が続くと、インナーマッスルである腸腰筋(ちょうようきん)が短縮し、同時にお腹の筋肉(腹筋群「ふっきんぐん」)とお尻の筋肉(臀筋群「でんきんぐん」)が弱くなってしまいます。結果として、これらの筋力の低下がスウェイバック姿勢を引き起こす大きな要因となります。特にデスクワークや車の運転などで股関節を曲げた状態が続くと、腸腰筋の柔軟性が低下しやすく、立ち姿勢の時に、骨盤が前に押し出されてしまい、姿勢の乱れを招く要因となってしまいます。

姿勢改善のポイント

姿勢改善のポイントは、肩甲骨と股関節が連動して動くことです。身体には「運動連鎖(うんどうれんさ)」という仕組みがあり、右の肩甲骨と左の股関節、左の肩甲骨と右の股関節が対角線上で連動することで身体を支えています。歩く時や日常動作では、この運動連鎖がスムーズに働くことで安定した姿勢を保つことができます。しかし、デスクワークや運動不足により、この連動性が失われると、肩甲骨の機能低下が股関節の動きに影響を与えます。その結果、お腹や背中、お尻周りの筋肉がたるんで太って見える原因となります。姿勢を改善するためには、肩甲骨と股関節周りの筋肉を単独で鍛えるのではなく、運動連鎖を意識したトレーニングが重要です。

姿勢改善エクササイズ3Step

ここからは、姿勢改善エクササイズを3ステップでご紹介します。

STEP1 ダイアゴナル

■効果
体幹の筋肉の強化
・前鋸筋(ぜんきょきん)の強化
・外腹斜筋(がいふくしゃきん)の強化
・反対側の内腹斜筋(ないふくしゃきん)の強化
・内転筋(ないてんきん)の強化
体幹と四肢の運動連鎖向上
・広背筋(こうはいきん)と大殿筋(だいでんきん)の連動性向上
背部インナーマッスルの強化
・多裂筋(たれつきん)の強化
・せきちゅうきりつきん)の強化
バランス感覚の向上

■手順

1.手の平と膝を床につけて四つん這いになり、床を押して頭からお尻までを一直線にします。

2.左腕と右足を伸ばします。

3.息を吐きながら、左腕と右足が一直線になるまで挙げます。

4.息を吸いながら、左手の指先と右足の指先を床につけます。

■セット数目安

3~4の動作を1回として、左右10回ずつ行いましょう。

■ポイント

3の動作のとき、腰が反らないように意識しましょう。

 

STEP2 ツイストエクササイズ(四つ這い姿勢)

■効果
体幹の筋肉の強化
・前鋸筋(ぜんきょきん)の強化
・外腹斜筋(がいふくしゃきん)の強化
・反対側の内腹斜筋(ないふくしゃきん)の強化
・内転筋(ないてんきん)の強化
体幹と四肢の運動連鎖向上
・広背筋(こうはいきん)と大殿筋(だいでんきん)の連動性向上

■手順

1.手の平と膝を床につけて四つん這いになり、床を押して頭からお尻までを一直線にします。

2.左手を頭に置き、右足を後ろへ伸ばして足の甲を床につけます。

3.右手で床を押し、左肘を天井方向へ開きます。

4.左肘を右肩の高さまで戻します。

■セット数目安

3~4の動作を1回として、左右10回ずつ行いましょう。

■ポイント

3の動作のときに、右の肋骨が開かないように手で床を押して左肘を開きましょう。

STEP3 ツイストエクササイズ(長座姿勢)

■効果
下肢インナーマッスルの運動連鎖向上
・長母趾屈筋(ちょうほしくっきん)の連動性向上
・内転筋群(ないてんきんぐん)の連動性向上
・骨盤底筋(こつばんていきん)の連動性向上
・腸腰筋(ちょうようきん)の連動性アップ
体幹の筋力強化
・前鋸筋(ぜんきょきん)の強化
・外腹斜筋(がいふくしゃきん)の強化
・反対側の内腹斜筋(ないふくしゃきん)の強化
・長・短内転筋(ちょう・たんないてんきん)の強化
背部インナーマッスルの強化
・多裂筋(たれつきん)の強化
・脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の強化

■手順

1.足の指を床に向けて伸ばして長座姿勢になり、両手を天井に向け、恥骨をみぞおちの裏方向へ引き上げて骨盤を後ろに倒します。

2.右脚を床から10センチ浮かしながら上半身を右へ捻ります。

3.右脚を床におろし、上半身を正面に戻します。

4.左脚を床から10センチ浮かしながら上半身を左へ捻り、3の姿勢に戻ります。

■セット数目安

2~4の動作を1回として、10回行いましょう。

■ポイント

2と4の動作のときに、上半身の重心が下がらないように意識しましょう。

まとめ

現代人のライフスタイルでは、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用が日常化しており、知らず知らずのうちに悪い姿勢が習慣化しています。この悪い姿勢こそが、運動や食事制限をしても身体が引き締まらない根本的な原因となっています。肩甲骨と股関節の運動連鎖を意識したトレーニングを行うことで、使われていなかった筋肉が活性化され、見た目に大きな変化が現れます。まずは各メニューを1日1セットから行い、姿勢の改善を目指しましょう。

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