「こんなとき、どうする?」~知って得する不動産コラム~

マンション買い替えのタイミングと手順は?売り先行・買い先行のメリット・デメリット Vol.20

長年にわたって同じマンションに住み続けていると、部屋数が少なくなったり、機能性が低下したりと、さまざまな問題が発生することがあります。マンションを買い替えると、今抱えている問題が解決する可能性があります。
 
この記事では、マンション買い替えのタイミングと手順を解説します。マンションの買い替えを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

マンション買い替えの最適なタイミング

マンションの買い替えを検討する動機は人によってさまざまです。ここでは、マンションの買い替えを検討するのは、どのようなタイミングであるかを解説します。

ライフステージの変化

国土交通省が実施した調査によると、主な住み替えの目的は次のようになっています。

間取りや部屋数:66.7%
住宅のデザイン:57.1%
住宅の広さ:50.0%
台所の設備・広さ:35.7%
高齢者等への配慮:19.0%
性能の向上(断熱性・省エネ性など):10.7%


「間取りや部屋数」が住み替えの目的で多く、家族構成の変化に合わせて住み替えを検討される方が多いといえます。
 
子どもが増えるなどライフステージの変化は、マンションの買い替えのタイミングになるといえるでしょう。
 
また、同じ資料によると、マンションの買い替えをするタイミングは50代後半という人が多く、定年退職や子どもの独立などもマンションの買い替えのタイミングになるといえます。

マンションの築年数

マンションの築年数も買い替えを検討するタイミングになります。マンションの法定耐用年数は約47年前後ですが、築10年が買い替えを検討するタイミングの一つの目安です。
 
築10年を超えると、修繕積立金が値上げのタイミングとなる物件が多く、買い替えを検討する一つの要因となります。
 
また、住宅ローン控除の恩恵を受けられる期間は10年(または13年)であり、その期間満了による税負担の増加が、買い替えを検討するタイミングとなることがあります。
さらに、マンションの資産価値は条件にもよりますが、築10年までは緩やかに低下することもあり、築10年のマンションは需要が高く売却しやすいことも、買い替えを検討するタイミングになるといえるでしょう。

不動産市場の動向

中古マンションの価格が上昇するなど、不動産市場の動向も買い替えを検討するタイミングになります。
 
国土交通省が公開している不動産価格指数によると、2010年を100とした場合、2024年7月のマンション(区分所有)の価格指数は202.4となっており、マンション価格は大きく上昇しています。
 
 
マンション価格が上昇すると、売却益を元手に、より広いマンションや、立地の良いマンションに買い替えるチャンスと捉える人もいるでしょう。
ただし、買い替えの際は、購入する物件の価格も上昇していることも考慮する必要があります。
 
不動産市場は常に変化するため、将来的な見通しなども含めて買い替えを検討しましょう。

マンション買い替えの手順

マンションを買い替える際、売却と購入のタイミングが同時になるのが理想ですが、現実的に「同時履行」は難しく、「売り先行」か「買い先行」のどちらかを選ぶのが一般的です。ここでは、売り先行・買い先行それぞれの、マンション買い替えの手順を解説します。
 

売り先行

売り先行は、今住んでいるマンションを先に売ってから新しい物件を購入する買い替えの方法です。今住んでいるマンションを先に売るため、売却代金が確定してから新居を購入できます。予算オーバーになる心配はなく、堅実な買い替えの方法といえるでしょう。
 
マンションを売るには住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなければなりません。住宅ローンを返済中で、マンションを売却しないと住宅ローンを完済できない場合、基本的には売り先行で進めます。
 
ただし、現在住んでいる家を先に売却するため、新居が見つかるまでの間の住まいの確保が課題です。

買い先行

買い先行は新しい物件を購入してから今住んでいるマンションを売却する方法です。売り先行と異なり、先に購入物件を探せるため、納得がいくまで新居を探すことができ、理想の住まいが見つかる可能性が高まります。また、既に新居を確保しているため、仮住まいを探す必要はありません。ただし、新居への入居が売却物件引き渡し後の場合は仮住まいが必要です。
 
売却するマンションの住宅ローンを完済していればダブルローンにはならず、ゆっくりと売却できます。ただし、住宅ローンが残っている場合、住んでいたマンションが売れるまではダブルローンになってしまいます。
 
買い先行で買い替えるには、新居を購入するための頭金を用意する必要があるため、ある程度資金に余裕がないと難しいでしょう。
 

売り先行のメリット

売り先行による買い替えは、既に住んでいたマンションを売却しているため、資金計画が立てやすく、ダブルローンを避けられるなどのメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
 

資金計画が立てやすい

売り先行は売却代金が既に確定しているため、資金計画を立てやすいことがメリットです。売却価格が想定を下回り予算オーバーになる恐れがなく、住宅ローンを完済した残りの資金を新居の頭金に充当できます。
 
予想以上の高値でマンションが売れた場合、よりグレードの高い新居を選べるなど、購入の選択肢が増えることも売り先行のメリットです。
 
いくらで売れるのかわからない状態で新居を探すのはリスクがあるため、売り先行は堅実に資金計画を立てて買い替えたい方に向いています。
 
ただし、資金計画を立てる際は、新居が見つかるまでの仮住まいの家賃や引っ越し代がかかることにも考慮が必要です。
 

ダブルローンを避けられる

売り先行の場合、マンションの売却代金で住宅ローンを完済しているため、ダブルローンを避けられます。ダブルローンの状態が長期化すると、家計を圧迫したり経済的負担が増したりしますが、売り先行だと新居の住宅ローンの返済だけで済みます。
 
また、所有者本人が居住していないと住宅ローン控除は適用されないため、居住していないほうの住宅ローンは節税効果が得られません。
 
売り先行は、ダブルローンのリスクを避けたい方や計画的に資金を管理したい方に向く買い替えの方法です。また、ダブルローンは審査が厳しく、すべての方が利用できるとは限りません。ダブルローンを利用できない場合、売り先行は有効な選択肢になります。

売り先行のデメリット

売り先行は資金計画が立てやすくダブルローンを避けられるなどのメリットがある一方、タイミングによっては一時的な仮住まいが必要になるなどのデメリットがあります。

一時的な仮住まいが必要

売り先行による買い替えだと、今住んでいるマンションを先に売却するため、新居が決まるまで一時的な仮住まいが必要になります。
 
仮住まいとして、実家や賃貸住宅、短期賃貸マンションなどが候補になりますが、なかなか条件が合わず見つからないことがあります。
 
賃貸住宅や短期賃貸マンションを仮住まいにする場合、新居が見つかるまで家賃を支払わなければならず、長期間に及ぶと経済的負担が大きくなります。
 
また、売却するマンションから仮住まい、仮住まいから新居へ2回引っ越しをしなければならないことにも考慮が必要です。
 

新居選びに焦りを感じることがある

新居が見つかるまで仮住まいをしている場合、家賃の支払いが続くため、資金的・時間的な余裕がないと新居選びに焦りを感じることがあります。買い先行のように、じっくり時間をかけて新居を選べないこともあるでしょう。
 
資金的に余裕があっても、仮住まいの期間が長期に及ぶとストレスを感じ、新居選びの妨げになる可能性があります。
 
売り先行を選ぶ際には、仮住まいの期間をできるだけ短縮できるよう、住んでいるマンションの売却と新居の購入のタイミングを近づけるための計画立案が特に重要です。
 
例えば、同じ不動産会社にマンションの売却と新居購入の両方の仲介を依頼すると、スムーズに買い替えができる可能性が高まります。

売り先行が向いている人

ここでは、売り先行が向いているのはどのような人なのかを解説します。経済的な負担を軽くしたい人や、好条件でマンションを売却したい人に売り先行は向いているでしょう。

経済的な負担を軽くしたい人

売り先行は、資金計画が立てやすく、ダブルローンを避けられるなどのメリットが得られるため、経済的な負担を軽くしたい人に向いています。
 
資金に余裕がなければ、買い先行による買い替えは難しいですが、売り先行だとマンションを売却した資金で住宅ローンを完済でき、残った資金を新居購入の頭金に充当できます。住宅ローンを完済していない人は、売り先行が有効な選択肢になるでしょう。
 
ただし、仮住まいの家賃や引っ越し費用が発生する可能性があるため、これらの負担を軽減する方法を事前に検討することが大切です。仮住まいの期間が長くなると、経済的負担を軽減できるという売り先行のメリットが薄れてしまいます。
 

好条件でマンションを売却したい人

売り先行は買い先行と異なり、急いで売却せずに済むため時間をかけて好条件でマンションを売却したい人に向いています。新居の購入を急いでいなければ、不動産市場が活性化する春先の2~4月や秋口のシーズンを狙って売却することも可能です。
 
2~4月のシーズンは新生活に向けて不動産の需要が高くなるため、購入希望者が増え、高値での売却が期待できます。
 
時間をかけて売却することで、予想よりも高く売れることもあるでしょう。購入希望者から値下げ交渉があった場合も、時間に余裕があれば不本意な値下げに応じることはなくなります。
 
ただし、買い替えはタイミングが重要なので、マンションの売却と同時に、新居の購入計画も進めることが大切です。
 

買い先行のメリット

買い先行は、スムーズな転居が可能で、じっくりと新居選びができるなどのメリットがあります。ここでは、買い先行のメリットを詳しく見ていきましょう。

スムーズな転居が可能

買い先行は既に新居を購入しているため、仮住まいの確保は不要です。売却予定のマンションから新居への1回の引っ越しでスムーズに転居できます。2回分の引っ越し代や仮住まいの家賃がかからず、経済的な負担を抑えられるのが大きなメリットです。ただし、新居の完成が2年後などの場合は、仮住まいが必要になることがあります。
 
仮住まいでの生活が長引くと精神的負担も蓄積されるため、仮住まいを避けたい方には、買い先行は有効な選択肢です。
 
また、売却したいマンションが空き家になることで売却活動も効率化されます。空き家であれば内覧対応がしやすく、購入希望者に部屋の魅力を存分に伝えられます。
 
居住中だと内覧の準備やスケジュール調整が必要で手間がかかりますが、空き家であればそうした負担が軽減されるでしょう。
 

じっくりと新居選びができる

買い先行は、条件に合致する新居をじっくり時間をかけて選べます。新居探しに時間をかけたい人にとって、買い先行は有効な選択肢です。売り先行だと新居選びに焦りを感じることがありますが、買い先行だとスケジュールに余裕を持って新居探しができます。
 
資金に余裕があれば、マンションの売却が完了するのを待つ必要がないため、魅力的な物件が売りに出たタイミングで迷わず購入の意思決定が可能です。
 
人気物件は早い段階で購入申し込みが入ることが多いですが、買い先行であればこうしたタイミングを逃しにくくなります。
 
資金に余裕がある人は買い先行のメリットを享受しやすく、新居選びに妥協したくない人にとって買い先行は最適な選択肢になるでしょう。
 

買い先行のデメリット

買い先行は資金に余裕がある人に向いており、資金が不足している場合、買い先行はおすすめできない場合があります。ここでは、買い先行のデメリットを解説します。

ダブルローンになる期間が発生する

買い先行は2つの住宅ローンを抱える期間があるため、返済額が増え、経済的な負担が大きくなります。ダブルローンの負担を軽減するには、なるべく早くマンションを売却して、ダブルローンの状態を解消しなければなりません。
 
ダブルローンは審査が厳しく、年収や信用状態によっては利用できない場合があります。ダブルローンを利用できない場合、つなぎ融資であれば利用できる可能性があります。
 
つなぎ融資は短期間の資金繰りに最適で、資金が不足している人でも買い先行で買い替えをすることが可能です。ただし、住宅ローンよりも金利が高く事務手数料も発生するため、資金計画が崩れることがあります。
 
いずれの場合も、買い先行の場合、マンションの売却を急ぐ必要があります。
 

資金計画が難しくなる

買い先行は、売却金額が確定しないため資金計画が立てにくいことがデメリットです。予想していたよりも売却金額が低くなると、今後の資金計画が厳しくなってしまいます。
 
自己資金が少ないと資金がショートする可能性もあるため、買い先行で買い替えを検討する際は、売却価格が低くなることも考慮して、資金計画を立てることが大切です。
 
立地や状態など、条件が悪い物件はなかなか売れないこともあるため、売れないリスクも考慮する必要があります。マンションの買い替えでは、売却するマンションがどの程度の金額で売れるかが非常に重要です。
 
信頼できる不動産会社に価格査定を依頼して、どの程度の金額で売れるかをしっかり把握しておきましょう。
 

買い先行が向いている人

買い先行は売却より先に新居を購入するため、すべての人に向いているわけではありません。ここでは、買い先行が向いているのはどのような人なのかを解説します。

資金に余裕がある人

資金に余裕のある人は買い先行が向きます。売却物件の住宅ローンを完済していれば、ダブルローンになるリスクもなく、買い先行のメリットを享受できるでしょう。経済的なゆとりがあり、ダブルローンになっても無理なく返済できる方も買い先行が向きます。
 
買い先行と売り先行を比べると、買い先行のほうが簡単に買い替えができるため、資金に余裕がある人は買い先行による買い替えがおすすめです。
 
買い先行の最大のメリットは、先に新居を購入できる点です。資金に余裕があれば売却を急ぐ必要はなく、時間に余裕を持って条件に合致する物件を選定できます。資金に余裕がないと売却を急ぐ必要が生じ、不利な条件で売却してしまうことがあるため、買い先行は向きません。
 

仮住まいをしたくない人

仮住まいをしたくない人は、売り先行よりも買い先行が向きます。買い先行であれば、既に新居を確保しているため、仮住まいをする必要はありません。
 
売り先行だと、今住んでいるマンションを先に売ってしまうため、売却と購入のタイミングが合わなければ住む家がなくなる期間が発生します。この場合、新居が見つかるまで仮住まいをしなければならず、売り先行だと仮住まいのリスクを避けるのは難しいです。 
 
売り先行で仮住まいを避けたい場合は、不動産会社の選び方が重要になります。売却と購入のタイミングをうまく調整してもらえば、仮住まいを避けられます。
 

マンションの買い替えを成功させるためのポイント

マンションの買い替えを成功させるには、いくつかのポイントがあります。ここでは、マンションの買い替えを成功させるためのポイントを解説します。
 

売却と購入のタイミングを調整する

買い替えを成功させるための重要なポイントは、売却と購入のタイミングをうまく調整することです。売却と購入のタイミングがうまく合わないと、仮住まいやダブルローンの期間が長くなり、経済的負担が増加します。
 
売却と購入のタイミングをうまく調整するには、不動産仲介会社を信頼できる1社に依頼し、売り買い同時決済を目指しましょう。売り買い同時決済とは、住宅の売却と購入を同時に行う方法です。
 
売却と購入の引き渡しと残代金の決済日を同じ日にすることで、売却と購入を同時に行えます。売り買い同時決済ができると、仮住まいやダブルローンのリスクは解消し、スムーズな買い替えが実現します。
 
売り買い同時決済は難易度が高いですが、売却と購入のタイミングを少しでも近づけられると、スムーズに買い替えができるようになるでしょう。
 
買い替えを検討する際は、信頼できる不動産会社と相談し、売却と購入のタイミングを調整することが大切です。
 

余裕を持った資金計画を立てる

マンションの買い替えをする際は、不測の事態に備え、少し余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。買い替えの過程では、予期しない費用が発生する可能性があり、資金計画に余裕がなければ、必要な支払いが滞ってしまう資金ショートが発生することもあります。
 
資金に余裕のある人を除くと、売り先行で買い替えをするのが一般的ですが、売り先行の場合、仮住まいの家賃と引っ越し代がかかる可能性があることを考慮して、資金計画を立てることが大切です。新居がなかなか見つからないと仮住まいの家賃が大きな負担になることを考慮し、念入りに資金計画を立てましょう。
 
買い先行は資金に余裕のある方におすすめです。資金に余裕のない方が買い先行で買い替えをする場合、売却物件がどの程度で売れるかをしっかりと調査し、無理のない資金計画を立てましょう。
 
資金計画を立てる際は、収入の減少や急な支出の発生なども考慮し、少し余裕を持たせた計画を立てておくと安心です。
 

適正価格で売却する

今住んでいるマンションを適正価格で売却できれば、予定通りの資金調達が可能になり、新しい住まいの購入計画がスムーズに進みます。
 
適正価格で売却できれば、売却金額で住宅ローンを完済でき、手残りを新居の購入資金に回せます。適正価格で売却できなければ、当初の資金計画が崩れてしまい、計画通りに新居を購入できなくなることもあるでしょう。
 
今住んでいるマンションを適正価格で売却するには、不動産市場の相場観をしっかりと把握することが重要になります。
 
まずは自分自身で相場を調べてみて、どの程度の金額で売れるかを把握しましょう。相場は、不動産ポータルサイトや国土交通省の不動産情報ライブラリなどを活用すると、大まかな相場を把握できます。
 
 
大まかな相場がわかれば、信頼できる不動産会社に価格査定を依頼し、どの程度の金額で売れるかを見極めましょう。1社だけでなく複数の不動産会社に価格査定を依頼すると、より精度が高くなります。
 

マンション買い替えで活用できるローン

マンション買い替えでは、住宅ローンだけでなく、さまざまなローンを活用できます。ここでは、マンション買い替えで活用できるローンとして、つなぎ融資と住み替えローンについて解説します。

つなぎ融資

つなぎ融資は、まとまった資金を受け取るまでのつなぎとして活用できるローン(融資)です。マンションの買い替えでは買い先行で活用できます。
 
買い先行で買い替えをする際、先に新居を購入してからマンションを売却します。もしも新居の購入資金や頭金が不足して購入できない場合、つなぎ融資を利用すると新居の購入が可能です。マンションが売れれば、売却代金でつなぎ融資を返済します。
 
ただし、住宅ローンよりも金利は高めで事務手数料が発生し、売却が遅れると返済計画に影響が出る可能性があることに注意が必要です。
 
事前に費用の負担がどれくらいになるのかを把握し、いつ頃売却金が受け取れるのかの見通しを立てておきましょう。
 

住み替えローン

住み替えローンとは、現在のマンションを売却しても住宅ローンを完済できない場合に、新居を購入するために利用できるローンです。住宅ローンの残債は、新居の住宅ローンに上乗せされる形で融資を受けられます。
 
住み替えローンを利用すると、現在のマンションに住宅ローンの残債が出る場合でも買い替えができますが、審査は厳しく金利も高めになっています。
 
また、住宅ローンの残債が多いと、新居を購入してからの返済額が大きくなるため、返済の見通しを立てておくことが大切です。無理な計画を立てると、返済が困難になる可能性があります。
 
住み替えローンの具体的な条件は金融機関によって異なるため、金利や融資条件などを確認してから利用を検討しましょう。
 

マンション買い替え時にかかる費用や税金

マンションを買い替える際は、売却時と購入時にさまざまな費用や税金がかかります。ここでは、マンション買い替え時にかかる費用や税金を解説します。
 

マンション売却時にかかる費用や税金

マンションを売却する際には、仲介手数料、印紙税、住宅ローン繰上返済手数料、登記費用、譲渡所得税などがかかります。物件の状態によっては、ハウスクリーニング費用などがかかる場合があるでしょう。
 
仲介手数料は、マンションの仲介を依頼した不動産会社に支払う費用であり、売却が成功した場合に発生します。仲介手数料の金額は以下の速算式で算定できます。
 
仲介手数料=(成約価格(税抜)×3%+6万円)+ 消費税
 
印紙税は売買契約書を作成する際にかかり、以下のように売却価格によって金額が変動します。
 
契約金額            印紙税額(軽減措置適用後)
1,000万円超~5,000万円以下   1万円
5,000万円超~1億円以下     3万円
1億円超~5億円以下       6万円
※平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間は軽減税率が適用されます
 
仮に3,000万円で売却した場合だと印紙税は1万円です。なお、電子契約だと印紙税はかかりません。
 
住宅ローン繰上返済手数料は、住宅ローンを一括返済する際にかかる費用で、金額は金融機関によって異なります。相場は0~3万円程度ですが、数万円程度の手数料がかかる金融機関が多いようです。
 
登記費用は抵当権抹消登記をする際にかかる費用で、司法書士の報酬を含めて3万円程度になります。
 
譲渡所得税は、マンションを売却して利益が出た場合にかかる税金で、売却をした翌年に確定申告をして納付します。
 

中古マンション購入時にかかる費用や税金

中古マンション購入時には、マンションの購入代金、仲介手数料、印紙税、登記費用、住宅ローンの事務手数料・保証料、不動産取得税、引っ越し代などがかかります。
 
マンションの購入代金とは、マンション本体の価格です。契約時には、売買金額の5~10%程度の手付金が必要です。
 
仲介会社を通して物件を購入する場合は仲介手数料がかかり、買い替えの際は購入時と売却時に仲介手数料が必要になります。印紙税や登記費用も購入時と売却時の両方にかかります。
 
購入時には、住宅ローンの事務手数料だけでなく、保証料も必要です。保証料とは、住宅ローンの債務者が万が一返済不能になってしまった場合に、保証会社が金融機関へ借入残金を支払ってもらうための費用です。保証料は金融機関によって異なり、借入金1,000万円あたり20~25万円程度になります。
 
その他、火災保険料・地震保険料、固定資産税・都市計画税の清算金、管理費・修繕積立金の清算金などの費用もかかるため、中古マンションを購入する際は、総額でいくらかかるかを把握しておくことが必要です。
 

買い替えで利用できる税制優遇

マンションの買い替えでは、譲渡所得税や不動産取得税などさまざまな税金がかかりますが、税制優遇を利用することで税負担を軽減できます。
 
居住用マンションを売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかりますが、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を適用すると、売却して得られる所得が3,000万円以内であれば、課税対象から外れるという制度を利用できます。
 
なお、買い替えの場合、売却した物件の譲渡所得に3,000万円の特別控除を適用したうえで、新しく購入するマンションに対して住宅ローン減税を利用することは可能です。マイホームの買い換え特例は、マイホームを売却して新たなマイホームを購入する際に、売却益への課税を先送りする制度です。この特例を適用することで、税金の支払いを新しいマイホームを売却するときまで延期できます。
 
3,000万円の特別控除とマイホームの買い換え特例は併用できず、どちらを利用するかは、譲渡益の金額などによって決める必要があります。
 
所有期間10年超の軽減税率の特例は、マイホームを売却する際、所有期間が10年を超えると譲渡所得税の税率が低くなる制度です。3,000万円の特別控除と併用でき、譲渡所得が6,000万円以下の部分の税率は0%から14.21%(所得税10%、住民税4%、復興特別所得税0.21%)に軽減されます。
 
買い替え後の住まいを住宅ローンで購入した場合、住宅ローン控除を適用できる可能性があります。住宅ローン控除は、住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除する制度です。これにより、長期間にわたって税負担を軽減できます。
 
なお、住宅ローン控除と、3,000万円の特別控除、マイホームの買い換え特例、所有期間10年超の軽減税率の特例は原則として併用できません。
 

マンション買い替えでは不動産会社の選び方が重要

マンションの買い替えでは、売却と購入のタイミングを調整することが重要であり、対応できる不動産会社を選ぶことが大切です。売却と購入のタイミングが重なるように調整すると、買い替えがスムーズに進みます。
 
不動産会社を選ぶ際は、マンションの販売実績が豊富で、仲介を得意とする不動産会社を選ぶことがポイントです。取引件数が多かったり、売却したい不動産がその不動産会社が得意とするエリア内である場合には、適正価格での売却が期待できます。
 
さらに、ハウスクリーニングや不用品処分、ホームステージングなどの売却を支援するサービスを提供している不動産会社もおすすめです。
 
担当者の能力も重要であり、マンションの買い替えでは、不動産の売却・購入に関する専門知識、コミュニケーション能力、交渉力などが求められます。信頼できる担当者を選ぶと、マンションの買い替えをしっかりとサポートしてもらえるでしょう。
 

マンションの買い替えは売却と購入のタイミングの調整が重要です

マンションを買い替える方法は、売り先行と買い先行があります。いずれの方法も、売却と購入のタイミングを調整し、資金面の負担の軽減につなげることが大切です。
 
マンションの買い替えにおいては、売却と購入のタイミングを慎重に調整し、実績が豊富で専門的な知識を持つ不動産会社を選ぶことが、スムーズな取引につながります。
 
明和地所では、お客様のご要望をお伺いし、最適な買い替えプランを提案させていただきます。新築、仲介、賃貸、リフォーム、リノベーションなど不動産に関することは、お気軽にご相談ください。
 

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