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等価交換とは?土地活用の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説 Vol.19
相続等で取得した土地の活用方法がわからない方や、利用されていない土地を所有している方にとって、等価交換は有効な解決策の一つとなります。
不動産における等価交換とは、所有者が土地を提供し、デベロッパーと協力してマンションなどを建設し、竣工後に土地の一部と建物の一部を等価で交換する建築方式を指します。
自己資金が不足していたり、専門知識がなくても土地活用ができるため、土地を所有している方は知っておきたい土地の活用方法です。この記事では、等価交換の仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
等価交換とはどのような土地活用の方法なのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
等価交換とは?
等価交換とは、価値や価格が等しいもの同士を交換することを指し、英語では「Equivalent Exchange」と表記されます。ビジネスや学術、エンターテインメントなどの分野で使用される用語ですが、ここでは不動産取引における等価交換について解説します。
不動産における等価交換の定義
不動産取引における等価交換とは、土地を出資し、その土地に開発事業者がマンション等を建設し、竣工後に土地・建物の所有権の一部を等価になるように交換する形式の取引を指し、これを等価交換方式といいます。
土地を所有している人は、土地をデベロッパー(開発事業者)や建設会社に提供し、建物完成後に提供した土地の価格に相当するマンションなどの建物の区分所有権を得るというものです。
建物の建設費はデベロッパーが負担し、土地を手放す代わりに完成した建物の一部を取得できるため、土地の所有者は自己資金を使わずにマンションやビルなどの建物を建てられます。
等価交換の仕組み
等価交換の仕組みは、土地所有者は土地を出資、デベロッパーはマンション等の建物を建て、出資した土地の評価額に応じて土地所有者が建物の区分所有権を受け取るというものです。
土地と建物の一部を交換するイメージで、土地所有者は建築費用を負担せずに土地の評価額分の建物を建築でき、完成した建物の一部を取得できます。
デベロッパーは分譲マンションを建設する場合だと、完成したマンションを販売することで利益を得られます。
等価交換は、一旦土地の所有権をすべてデベロッパーに移転する「全部譲渡方式」と、土地の所有権の一部のみを移転する「部分譲渡方式」があり、出資比率や所有者の人数に応じて使い分けるのが特徴です。
等価交換と単純売却との違い
土地を完全に手放すかどうかが、等価交換と単純売却の大きな違いです。
土地を売却して現金化すると、まとまったお金を受け取れますが、その土地との縁は完全に切れてしまいます。
等価交換だと土地を手放しても、等価交換によって建てられたマンションなどに住み続けられ、土地との縁が切れることはありません。また、マンションの住戸は資産として賃貸経営をしたり、売却したりすることで有効活用することができます。
土地を有効活用するために、先祖代々から受け継いだ土地を手放すことに抵抗がある方も、等価交換だと新たな価値を共に後世に承継できることがメリットの一つになるでしょう。
等価交換のメリット
等価交換方式を利用すると、先祖代々の土地に新しい建物を建て後世に承継できるだけでなく、さまざまなメリットが得られます。ここでは、等価交換のメリットを解説します。
自己資金・借入金なしで土地を有効活用できる
アパートやマンション経営では自己資金でまかなえない場合、金融機関等でローンを組む必要がありますが、等価交換だと、デベロッパーが建物の建築費用を負担するため、土地の所有者は自己資金が不足していても建物を建設でき、金融機関から借入をする必要もありません。
自己資金が足りない方や借入をしたくない方にとっては、等価交換は魅力的な選択肢になるでしょう。
ただし、不動産取得税や登録免許税などの税金や登記費用などの諸費用がかかる場合があるため、1円もかけずに土地を有効活用できるわけではありませんのでご注意ください。
専門知識がなくても土地を有効活用できる
デベロッパーが土地の開発や建物の建設を行うため、マンション建設や不動産開発に関する専門知識がなくても、土地を有効活用することができます。
マンションなどの特殊建築物を建設するには、建築基準法や都市計画法などの法規制や建物の構造などの高度な専門知識が要求されます。
デベロッパーはマンション建設や不動産開発のプロであり、専門知識がない土地所有者にとっては、専門家のノウハウやブランド力を活かせることは大きなメリットです。
節税対策になることがある
一定の条件下においては、節税対策になることがあることも、等価交換のメリットの一つです。
等価交換で土地と建物を交換することにより、更地のままよりも相続税評価額や固定資産税評価額を圧縮することができ、結果として相続税や固定資産税などの税負担が軽減する場合があります。
通常、土地を譲渡すると譲渡所得税が発生しますが、等価交換では一定の条件を満たすと「立体買換えの特例」という制度を利用でき、譲渡所得税の納税を将来に繰り延べることが可能です。
等価交換のデメリット
等価交換は、自己資金が足りなくても土地を有効活用でき、節税につながる可能性があるなど魅力的なメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、等価交換のデメリットを解説します。
権利関係が複雑になる可能性がある
等価交換で土地と建物を交換すると、これまで単独所有であった土地がデベロッパーとの共有になり、権利関係が複雑になる場合があります。
権利関係が複雑化することで、単独所有よりも自由度が制限されることがあり、将来的な売却や相続の際にトラブルが発生することも考えられます。
デベロッパーの意見や計画に大きく依存する
等価交換では、デベロッパーの意見が反映されやすく、基本的にデベロッパーが得意とする建物が建築されることが多いです。
等価交換を検討する際には、これまでの実績や、等価交換によってどのような建物が建てられているかを、デベロッパーのホームページや資料を取り寄せて確認しましょう。
また、土地と建物の交換比率に関して意見が対立することがあり、特に土地の評価や建物の完成後の価値についての見解が相違すると、交渉が長引くことがあります。
結果として、交換が成立するまでに時間と労力がかかることがあるため、開発事業者には先にきちんと要望を伝えておくことが重要です。
立地が悪いと成立しない
土地の立地条件が悪いと、デベロッパーが建物を建てても十分な利益を確保できない可能性が高く、等価交換は成立しにくくなります。
建物の建築費はデベロッパーが拠出するため、等価交換を成立させるには、デベロッパーにとって魅力的な土地であることが不可欠です。
また、収益性のある建物を建てるにはある程度の土地の広さや容積率も必要であり、マンションやビルなどを建築できる広い面積の土地でなければ、等価交換は成立しにくいでしょう。
等価交換がおすすめのケース
土地活用の方法は等価交換だけでなく、土地信託やマンション・アパート経営、売却による現金化などがあり、すべてのケースで等価交換がおすすめであるとは限りません。
ここでは、土地活用の方法で等価交換がおすすめのケースをご紹介します。
好立地で面積の広い土地を所有している場合
駅が近い、周辺の生活利便性が高いなど、立地条件が良好で広い土地は、マンションなどの大規模な建築物を建てるのに適しており、デベロッパーにとっても魅力的なため、等価交換による土地活用に最適です。
そもそも、収益が見込める魅力的な土地でなければ、デベロッパーから等価交換の話が持ちかけられることは多くありません。
等価交換を提案される土地は、デベロッパーが高い収益を見込めると判断していることが多く、それほど価値がある土地といえるでしょう。
土地活用をしたくても資金が不足している場合
自己資金が不足している方にとって、等価交換は特に有効な選択肢です。等価交換だと、土地所有者が建物の建設費用を負担する必要がないため、自己資金が不足していても土地活用を始められます。
通常、建物を建てて土地活用をするための借入金の返済が大きなネックになりますが、金融機関から借入をしなくても済むため、ローンの返済リスクを抱えずに土地活用をしたい方にもおすすめです。
土地活用をしたくても専門知識が不足している場合
専門知識が不足している方にとっても、等価交換は有効な選択肢になります。等価交換だとデベロッパーの専門知識やブランド力を活かせるため、収益性の最大化が期待できるでしょう。
通常、マンションなどの大規模な建築物を建てることは時間と労力がかかる一大事業となりますが、デベロッパーのノウハウを活用することで土地オーナーの負担は大きく軽減されます。会社員や自営業者など働いていて時間がとれない方でも、安心してデベロッパーに任せることができます。
等価交換のトラブルを回避するための対策
等価交換は土地所有者とデベロッパーの共同事業であり、複数の関係者が関与するため、契約内容や合意事項に関する解釈の違いがトラブルの原因になることがあります。ここでは、等価交換のトラブルを防ぐための対策を解説します。
等価交換の実績が豊富で信頼できるデベロッパーを選ぶ
等価交換は、土地所有者とデベロッパーが協力して行う大規模な事業です。そのため、パートナーとなるデベロッパーを慎重に選ぶことが将来的なトラブルを防ぐことにつながります。
パートナー選びの基本は、土地所有者が建てたい建物の建築を得意とするデベロッパーを選ぶことです。マンションを建てたい場合は、オフィスビルではなく、マンションの建築を得意とするデベロッパーを選ぶようにしましょう。
さらに、これまで数多くの等価交換事業を手掛けたデベロッパーを選ぶことも大切です。実績豊富なデベロッパーは等価交換のノウハウが蓄積されており、トラブル発生時の対応にも慣れています。
また、複数のデベロッパーから提案を受け、比較検討することも重要です。
等価交換だけでなく他の選択肢も比較検討する
土地活用の方法には等価交換以外にも賃貸経営や土地売却、土地信託などさまざまな選択肢があり、それぞれの方法のメリット・デメリットを比較検討して最適な方法を選ぶようにします。
さまざまな土地活用の方法を比較検討することで、等価交換のメリット・デメリットを客観的に評価できるようになります。
提案力のあるデベロッパーに相談すると、豊富な選択肢の中から、土地所有者にとって利益を最大化できる最適な方法を提案してくれるでしょう。
土地活用コンサルティングを受けてみることでも、客観的な視点から最適なプランを提案してもらえます。
等価交換を成功させるには信頼できるパートナーを選ぶことが大切です
等価交換のメリットは、自己資金や借入金なしで土地活用ができることです。マンション建設や不動産開発の専門家であるデベロッパーのノウハウを活用できることもメリットになるでしょう。
また、土地所有者とデベロッパーが協力して行う大規模な事業であり、双方の信頼関係が成否を大きく左右します。
明和地所では、等価交換事業に豊富な実績があり、仲介事業、賃貸事業、不動産運用・資産活用など、さまざまな不動産事業を展開しています。
お客様にとって最適な土地活用のプランをご提供いたしますので、土地活用に関するご質問やご不安な点など、どんなことでもお気軽にご相談ください。
等価交換の地主様インタビューのホームページがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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