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【腰痛セルフケア】自宅でできる腰の痛みを和らげる方法 vol.59

「朝起きる時に腰が痛くてつらい」「長時間座っていると腰が痛くなる」このようなお悩みを抱えていませんか?そんな腰痛の原因には、長時間のデスクワークや運動不足、筋力の低下などが挙げられます。特に同じ姿勢を続けることが多い長時間のデスクワークは、股関節周りの筋肉が硬くなることで筋力を低下させてしまうため反り腰になりやすく、その結果、腰痛を引き起こす原因となってしまいます。今回は、腰痛の原因と自宅で簡単にできるエクササイズをご紹介します。

腰痛の原因とは

腰痛の原因は人それぞれ異なりますが、多くの方に共通してみられるのが股関節の柔軟性の低下です。運動不足になると、足を骨盤よりも後ろに引く動き(股関節の伸展)が特に硬くなりやすく、股関節の伸展が硬くなると、股関節全体の可動域が狭くなります。股関節の可動域が狭くなると、その動きを補おうとして腰が必要以上に動かされてしまい、その結果腰痛につながります。また、股関節の動きが悪くなることで、骨盤が前に倒れる動き(骨盤の前傾)が強くなります。骨盤の前傾が強くなると、腰椎の前弯(腰の反り)も大きくなり、反り腰の姿勢になります。反り腰になると、お腹側の筋肉の支えが弱くなり、腰の筋肉にかかる負担が大きくなります。さらに、長時間のデスクワークや車の運転姿勢、椅子の座り姿勢にも注意が必要です。坐骨(ざこつ)の後ろ側で座る姿勢が習慣化することで股関節周りの筋肉が緊張して硬くなり、柔軟性が低下します。その結果、股関節の動きがさらに悪くなり、腰への負担が大きくなって腰痛の原因となってしまいます。

股関節と腰痛の関係性

腰痛改善のポイントは、股関節の支える筋肉(小殿筋、中臀筋)の柔らかさ(柔軟性)と動きやすさ(可動性)が重要です。

小殿筋(しょうでんきん)と股関節の安定性

小殿筋(しょうでんきん)には、股関節と骨盤を安定させる働きがあります。小殿筋(しょうでんきん)は、お尻の深い場所にあり、腸骨稜(ちょうこつりょう)から始まり、大転子(だいてんし)にかけて付着している筋肉です。この筋肉の働きは、股関節を外に開く運動(外転)と内に回す運動(内旋)を担っています。日常生活では、歩行時や立っている時に股関節と骨盤を安定させて、腰への負担を軽減します。股関節と骨盤が安定することで中殿筋(ちゅうでんきん)や大殿筋(だいでんきん)、さらには背骨についている多裂筋(だれつきん)といった他の筋肉も正常に動かすことができます。

中殿筋(ちゅうでんきん)の役割とは

中殿筋(ちゅうでんきん)は、股関節と骨盤をつなぐ筋肉で、立っている時や座っている時に骨盤を安定させる役割があり、これにより腰への負担を軽減させています。中臀筋(ちゅうでんきん)の働きは、股関節を外に開く運動(外転)を担っている他、前側の繊維は股関節を曲げる運動(屈曲)と内に回す運動(内旋)の補助を、後ろ側の繊維は股関節を伸ばす運動と外に回す運動(外旋)を補助する働きがあります。しかし長時間のデスクワークなどにより座っている姿勢が長く続くと、中殿筋は使われにくくなり筋肉が低下してしまいます。中殿筋が弱くなると骨盤が後ろに倒れやすくなり、股関節の前側にある筋肉(大腿四頭筋、大腿筋膜張筋)に過度な負荷がかかります。この状態で立ち上がろうとすると、股関節を後ろに引くことができず、代わりに腰を反らして動こうとするため、腰に過度な負担がかかり、腰痛を引き起こす原因となります。

腰痛のセルフケア3ステップ

ここからは、自宅で簡単にできる腰痛のセルフケアを3ステップで解説します。

STEP1 小殿筋(しょうでんきん)ストレッチ

■効果

小殿筋の柔軟性改善、背骨の柔軟性改善

■手順

1.足の幅を拳2個分開いた状態で椅子に座り、右足を左足の膝の上に乗せます。

2.両手を組み、背伸びをします。

3.背伸びをしたまま、おへそから身体を前に倒していきます。

4.最後に、肩を耳の後ろまで引きます。

■セット数目安

1〜4の動作を左右10秒ずつ行うことを1セットとして、3〜5セット行いましょう。

■ポイント

支えになっている足が内側に入らないように、膝の位置を足の人差し指と中指の間にくるようにしましょう。また、背中が丸まらないように意識しましょう。

STEP2 中臀筋(ちゅでんきん)ストレッチ

■効果

中臀筋の柔軟性改善、股関節の安定性改善、骨盤の安定性改善、歩行の改善、脊柱の柔軟性改善

■手順

1.正座姿勢からお尻を左側にスライドし、横座りをします。身体を左に捻り両手を付きます。

2.股関節(大転子)と首の付け根(胸椎1番)を前方に押し出します。

3.床を押してみぞおちを後方に引いて、背中全体を丸めます。

4.再度股関節(大転子)と首の付け根(胸椎1番)を前方に押し出します。

■セット数目安

2〜3の動作を1回として、左右10回行いましょう。

■ポイント

2と4の動作のときに、頭が下がらないように意識しましょう。

 

STEP3 恥骨筋(ちこつ)ストレッチ

■効果
恥骨筋柔軟性改善、大内転筋柔軟性改善、前鋸筋強化、腸腰筋可動域改善、股関節屈曲可動域改善

■手順

1.手の平と膝を床につけて四つん這いになり、床を押して頭からお尻まで一直線にします。

2.両股関節を最大に開き、お尻を引き上げるようにして骨盤を前傾させます。

3.2の姿勢のまま、お尻を床に近づけるようにして後ろに引きます。

4.2の姿勢まで、お尻の位置を戻します。

■セット数目安

3〜4の動作を1回として10回行いましょう。

■ポイント

3の動作のときに、肋骨が開かないように手で床を押してみぞおちを5センチほどを上に引き上げましょう。

 
 

まとめ

多くの方が悩みを抱える腰痛の主な原因は股関節周りの筋肉の柔軟性の低下によるものです。特に小殿筋(しょうでんきん)や中殿筋(ちゅうでんきん)といった股関節を支える筋肉が弱くなり硬くなると、骨盤が不安定になり腰に過度に負荷がかかります。今回ご紹介した3つのストレッチを行うことで、股関節の柔軟性が向上し、骨盤の安定性も高くなります。まずは、1日1セットから行い、腰への負担を減らして腰痛を改善していきましょう。

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