おうちトレーニング

ゴルフの飛距離が20yardアップ!ゴルフ専門トレーナーが教える簡単自宅トレーニング講座 Vol.21

ますます人気を集めるゴルフ

近年、ソーシャルディスタンスを保つことができるアウトドアスポーツとしてゴルフが注目され、新しい趣味として始める方が増えているようです。東京オリンピックでも稲見萌寧(いなみ もね)選手が銀メダルを獲得したことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

ゴルフが上達するためには、フォームやスイングなど技術的な練習も大切ですが、その技術を発揮するための体づくりも併せて行うと、上達が早くなります。

今回は、ゴルフを上達するための体づくりについて、ゴルフ専門トレーナーがレクチャーいたします。

今回の講師紹介

梅田 慎也(うめだ しんや)トレーナー

アスレティックトレーナー養成校の大学を卒業。現在はフリーランス・パーソナルトレーナーとして、主にゴルファーのサポートをメインに活動中。LPGA(日本女子プロゴルフ協会)ツアープロの帯同の経験から、ツアープロも実践しているゴルフトレーニングで皆様をサポートいたします。
 
◆保有資格
JATIトレーニング指導者(ATI)、SMART Tools 認定 IASTM、健康運動実践指導者、JGFO認定ゴルフフィットネストレーナー、ゴルフコンディショニングスペシャリスト


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多く寄せられる悩み

ゴルフをより上達させたいという方の多くは、下記のような悩みを持っています。

 〇つい手打ちになってしまう

〇思ったような力強いスイングができない

〇ティーショットのような平地であれば問題ないが、傾斜がきつい場所やアップダウンがあるような場所だと踏ん張ることができない

18ホールを回っている間に腰が痛くなってしまう

〇猫背になってしまい体が丸まりやすく、体を回転させにくい

上記の悩みはあくまで一部ですが、原因として言えることは、上半身と下半身をそれぞれうまく使うことができていない=体が鍛えられていないということです。


例えば上半身の体の体幹を使ってねじることができずに手打ちになってしまう、ゴルフの捻転差(ねんてんさ)を生み出せず打つときに体が伸びあがってしまうといったことが起きてしまいます。
※捻転差とは地面と頭を回転軸とした時に、スイング動作中の『肩と骨盤の回旋可動域の差』のことです。捻転差が生まれることにより腹筋・背筋に捻じれが生じ、ゴルフに重要な体幹部分から大きな力を発揮することができます。

こうした問題が起こらない体づくりをすることによって、より安定したパフォーマンスを発揮することができるようになります。

体の構造を理解する

動かしたい関節と動かしたくない関節

人間の関節には動きを作る関節(可動性関節)と、安定させるためめの関節(安定性関節)があります。画像の赤い丸が可動性関節、青い丸が安定性関節です。
 
赤い丸の可動性関節は可動域が広くスムーズに動かせるのですが、青い丸の安定性関節は可動域が狭いので動かさないことによって安定性が増す関節で、無理やり動かすと動きのスムーズさが落ちてしまいます。
 
可動性関節と安定性関節が交互に配置されているため、体の構造上、積極的に動かしたい関節をうまく動かせていない場合、無理やり体を動かすために、動かしたくない関節に負荷をかけることになります。そうなると本来人体として想定していない体の動かし方になってしまい、パフォーマンスが安定せず、痛みや怪我につながってしまいます。
 
上記のことをもう少し具体的に解説します。
上半身の体の回転をスムーズにするためには画像右側「■脊柱(側面)」の赤い丸にあたる胸椎(きょうつい)を使うことになります。ところが胸椎をうまく使えない場合、胸椎だけだと上半身をうまく動かせないので青い丸の腰椎(ようつい)を使わざるを得なくなります。胸椎は30~35°回転することができる関節なのですが、腰椎は5°しか回転しない関節のためその分負担がかかってしまううえに、うまく動かせないということになります。

ゴルフ上達のために機能性を高めるべき関節

ゴルフはよくアドレスで8割決まるといわれているため、理想のアドレスを実現するための体づくりをすることが効果的といわれています。
※アドレスとは『ボールを打つ時の体の構え』のことです。アドレスは単なる前傾姿勢ではなく、常に変化し続ける足場や使用するクラブに対応した『足裏の重心の感覚』や『全身の関節角度の微調整』を必要とする高度なスキルです。

そのための下記3つのポイントを意識しましょう。

1.胸椎(きょうつい)と股関節をスムーズに動かせるようにすること

2.腰椎(ようつい)が極力動かないように固定できるようにすること

3.かつ胸椎・股関節・腰椎の連動性を高めること

ゴルフ上達トレーニング 4選

それではゴルフ上達に効果的なエクササイズをご紹介します。ご自宅でもお手軽にできるメニューです。

90/90ストレッチ

■働きかける部位
胸椎(きょうつい)・大胸筋(胸)

■効果
上半身の胸椎(きょうつい)を回転させる動きがスムーズになり、骨盤と肩の捻転差が生まれ、手打ちを防ぎ飛距離を伸ばすことが期待できます。

■手順
1.
床に寝そべって体を横に倒し、両膝をくっつけて90°に曲げ、両手は伸ばして体の前で合わせます。

2.
上になっている手を伸ばしたまま背中側へ引き、手の甲を床につけて3秒キープします。

3.1
の状態に戻ります。

■セット数目安
1
2の動作を101セットとし、左右交互に行いましょう。

■ポイント
身体を捻じる時に、骨盤と脚がぶらぶらと動かないように、
可能な限り固定させることを意識して取り組みましょう。

ハムストリングス・ストレッチ

■働きかける部位
股関節 ・ハムストリングス(太ももの裏)・ふくらはぎ

■効果
脚の付け根の関節と股関節の動きをスムーズにすることで下半身の力をうまく使えるようになる効果があります。

■手順
1.正座の
姿勢から右脚を前に出し、右脚と並行の位置に両手を床につけます。

2.右脚
と床につけた両手は固定したままお尻を上に持ち上げ、左脚を伸ばした状態で3秒キープします。

3.1
の状態に戻ります。

■セット数目安
1
3の動作を11セットとし、前に出す脚を入れ替えて左右1回ずつ行いましょう。

■ポイント
脚を後ろに引いた時、かかとが床から離れないように気を付けましょう。

シングルレッグ・ソラシックローテーション

■働きかける部位
股関節・殿筋(でんきん)・胸椎(きょうつい)・腹筋

■効果
上半身の可動域を向上し、下半身の安定感が増す効果が期待できます。

■手順
1.スクワットするときの姿勢のように、立った状態からお尻を後ろに引いて膝を軽く曲げます。

2.片脚を後ろに引いてかかとを浮かせ、つま先を地面につけます。両手をクロスさせるように逆側の肩をそれぞれの手でつかみます。

3.2の状態をキープしたまま組んだ手を左右に振り子のように大きく振ります。

■セット数目安
3の動作を30秒1セットとし、前に出す脚を入れ替えて左右1セットずつ行いましょう。

■ポイント
・前に出した脚にすべての重心を乗せるようにしましょう。
・お尻の筋肉にも負荷がかかっていることを意識して行いましょう。

オーバーヘッド・ディープスクワット

■働きかける部位
股関節・大腿四頭筋(だいたいしとうきん)・胸椎(きょうつい)・背筋

■効果
上半身の関節と下半身の関節の連動性を高めることが期待できます。

■手順
1.脚を肩幅程度に開き、両手を伸ばしてバンザイしましょう。

2.両手をバンザイの状態にキープしたまましゃがみましょう。

3.1の状態に戻ります。

■セット数目安
1~3の動作を10回1セットとして、1~2セット行いましょう。

■ポイント
・しゃがんだ時に両膝が内側に入らないように気を付けましょう。
・体の重心がつま先にいかないよう、重心が土踏まずに乗るように意識しましょう。

いかがでしたでしょうか。
 
ゴルフの上達はもちろんのこと、日常生活におけるパフォーマンスアップや健康増進にもつながるのでお時間があるときに取り組んでみてくださいね。

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