野菜をつくろう!

ミニダイコン Vol.3

家庭菜園と聞くと、畑やお庭がないとできないものと思っていませんか?
しかし、マンションのバルコニーでも、プランターで野菜を手軽に育てることができるのです!
初心者さんでも大丈夫。ちょっとした知識と簡単な装備で、誰でも気軽に始められるのがプランター菜園のよいところです。
さあ、"おうちで野菜づくり"にチャレンジしてみましょう♪
今月は収穫の満足感が味わえるミニダイコンを育ててみましょう!

必要な道具を準備しましょう

ミニダイコン栽培に必要な道具

【1】プランター
長方形で25cm以上の深さのあるプランターが育てやすい。(写真は深さ26cm、横45cm×縦24cmの45型プランターです)※底にスノコのついていないプランターは、鉢底ネットも必要です。(☆)
【2】ジョウロ
2~3リットルの容量で、自分が持てる程度の大きさのもの
【3】園芸用スコップ
土をすくう部分の幅が広いものの方が便利
【4】はさみ
自宅にあるものでOK
【5】肥料
化成肥料、有機肥料、液体肥料など。必ず「野菜用」と書かれているもの
【6】
「花と野菜の土」など野菜用と書かれていて、肥料入りですぐに使える土が便利※標準的な土袋は、14リットルか20リットルで販売されています。(写真のプランターは15リットルの土が入ります)

「ミニダイコン」と記載のあるもの

ミニダイコンの育て方

8月~10月に種まきをする秋冬野菜は根菜類や葉野菜類が多く、実野菜に比べて育てやすいため、初心者さんが家庭菜園を始めるのに最適です。ダイコンは畑でないと育たないと思われがちですが、ミニダイコンならプランターでも立派に収穫できます。ちょっと短くても自分で育てた野菜は本当にうれしいもの。ダイコンはお世話の手間も比較的かからないので、ぜひ育ててみましょう。

1.種まき

種まき時期は8月~10月ですが、8月下旬~9月頃の種まきが最適です。プランターに土を入れ、深さ1cmほどのまき穴を15~20㎝の間隔で、2カ所あけます。まき穴に種を3~4粒ずつまいて軽く土をかぶせます。(※点まき)日当たりのよい場所に配置し、水やりをします。

2.発芽

おおむね3日~5日程度で発芽します。水やりは収穫まで毎日行いましょう。

3.間引き、土寄せ

発芽後、まずは1~2週間で3本に間引きをし、3週間後に2本に、さらに4週間後に1本にします。大きく元気なものを残すとよいでしょう。根元が不安定なら1cmほど土を足して安定させます。

4.追肥

種まきから2週間ごとに化成肥料または油粕などの有機肥料を根元から5cm程度離して丸く置いて、土に1cmほど埋め込みます。(肥料については第2回の「ここがPOINT!」を参照ください。)その後は毎日の水やりと観察のみで、成長を待つだけです。青虫などがついていないか、水やりのときにこまめに観察し、もしついていたら割り箸などで除去してください。

5.収穫

種まきから50~60日程度で収穫可能になります。収穫前はダイコンの首の部分は土の上に出てきます。土の上の見えている首の直径が6~7cm程度になったら収穫の目安です。

注:野菜の育て方は地域の気候により異なります。このページでは、関東の気候を基準にしています。おおむね関東~九州の太平洋側では、同じような育て方をします。日本海側や東北地方の寒冷地では、8月~9月の早い時期に種まきをすませてください。北海道は8月に種まきしてください。

同じ時期に植え付ける野菜

水菜

水菜は秋冬に育てる葉野菜の中でも、育てやすい初心者向けお野菜の代表格です。小株~中株程度に育ったものや間引き菜をサラダにしてもよいですし、大きく育ててお鍋に入れてもおいしく、使い道の多い野菜です。育て方でダイコンと違う点は種まきの方法です。ダイコンは点まきするのに対して、水菜などの葉野菜は、すじまき(直線の溝を作り、その溝に沿って種まきをすること)で育てます。

 

あとはダイコンと同様、苗が込み合ってきたら間引きをし、追肥と水やりをしながら育てましょう。葉野菜の追肥は、液体肥料が簡単でお勧めです。種まきから1カ月~1カ月半程度経過したら、毎週1回、水やりのときに追肥します。収穫は、大きく育ったものから順次2~3回に分けて収穫します。

ここがPOINT! 日影でも育つ野菜について

<日影で育つ野菜>

ミョウガは、湿気と日影を好むため、北側のベランダなどで育てるのに向いている野菜です。一度植えると毎年春に芽が出てくる宿根草で、北側や日影のベランダに1鉢あると重宝します。

<半日影で育つ野菜>

半日影の環境でも育つ野菜は、ミツバ、ニラ、ハーブ類などです。
ベランダの内側の半日影のスペースで、ミツバやハーブ類を育てて、スペースを有効に活用してください。
プロフィール

ベランダ菜園セラピスト/宮田範子

ベランダ菜園歴20年以上。普通のマンションのベランダで、幅広く野菜作りを楽しんでいる。野菜の栽培記録をつづったブログ「大好き☆ベランダ菜園」が人気で、現在は、ネットショップ「Nicoco プランター菜園EnjoyShop」を運営。著書「ベランダ菜園セラピー」など。

野菜づくりの達人! 藤田 智 先生からのアドバイス

今回取り上げているミニダイコンは、種をまいてから50~60日で収穫できる短いサイズのダイコンです。短期間でできる割には、みずみずしくておいしく、普通のダイコンと変わりません。自分で育てるので、安心して葉までまるごと調理でき、幅広いレシピに使える野菜です。
 
ミニダイコンの作り方は、種を1カ所に3~4粒ほどまき、成長してきたら間引き、最後には1本にします。これは普通のダイコンも同じ育て方です。株と株との間隔は、普通のダイコンが30cmだとすれば、15~20cmと狭くなります。間引いたものは菜っ葉として食べられますし、甘辛く炒めてふりかけにもなる便利な野菜です。
 
また、収穫までには2カ月ほどかかりますので、虫の害が心配されます。虫の被害を軽減させるためには、トンネル栽培がお勧めです。種まきから収穫までの期間でプランターと苗をビニールで覆うことで、虫の被害をなくすことができます。
 
2週間に1回の追肥も大切ですので、3回の追肥をお忘れなく。化学肥料や有機肥料の場合は、2週間に1回、液体肥料の場合は、500倍に薄めて1週間に1回行ってください。もちろん水もしっかりと与えましょう。
 
収穫は、土から見えている根の直径が6~7cmになってから…。柔らかい真っ白なミニダイコンで、おいしいおかずを作って食べてみてはいかがでしょうか?
プロフィール 

藤田 智(ふじた さとし)

1959年秋田県生まれ。岩手大学農学部、同大学院修了後、向中野学園高校の教諭、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現在は恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科の教授として教鞭をとる。その傍ら、家庭菜園や市民農園の指導、普及活動にも積極的に取り組む。「趣味の園芸やさいの時間」(NHK)や「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディアにも多数出演し、野菜栽培に関する著書などは110冊を超える。
明和地所グループ ライフスタイルクラブインタビュー記事はこちら
《ご注意ください》

・バルコニーは非常時の避難通路としての役割があります。
 プランターで避難パネルや避難ハッチを塞ぐことのないよう、避難経路を確保しましょう。
・落下の危険のある場所にプランターを設置するのはやめましょう。
・枯葉や土を排水口に流すと、排水管詰まりの原因となります。こまめに掃除しましょう。
・水やりの際は階下に水が落ちないよう配慮しましょう。
・マンションの管理規約、使用規則を遵守して野菜づくりを楽しみましょう。

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