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【2025年】住宅購入やリフォーム時に受けられる住宅補助金や減税制度 Vol.22

住宅購入やリフォームをする際は費用が気になりますが、補助金や減税制度を利用すると費用を軽減できる可能性があります。一定の条件を満たせば、100万円以上の補助金が支給されることもあるため、住宅補助金や減税制度の理解を深めておくことは極めて大切です。
この記事では、住宅購入やリフォーム時に受けられる補助金や減税制度を解説します。住宅の購入費用やリフォーム費用を軽減したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
※本記事は2025年2月末時点の情報に基づいています。2025年度(令和7年度)の住宅補助金制度は詳細が未確定の部分が多く、内容が変更される可能性があります。最新情報は各補助事業の公募要領をご確認ください。
目次
住宅購入やリフォーム時に受けられる補助金や減税制度

住宅の購入やリフォームをする際は、補助金や減税制度の活用が大切です。補助金や減税制度を上手に活用することで、費用を軽減しながら省エネ性能などに優れた良質な住宅を取得できます。
ここでは、住宅補助金制度や減税制度とはどのような制度であるかを解説します。
住宅補助金制度とは?
住宅補助金制度とは、一定の条件を満たす住宅を購入したり、リフォームしたりする人に対し、国や自治体から金銭的支援を受けられる制度です。
住宅補助金制度を利用することで、住宅の購入やリフォームに要する費用の一部を補助金で賄うことができ、経済的負担が軽減します。
住宅補助金制度の目的は、住宅取得の促進や住環境の改善、国の政策目標の達成などに寄与することです。
ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金、先進的窓リノベ2025事業、子育てグリーン住宅支援事業などが補助金の一例であり、主に政府が推進する省エネなどの環境に配慮した住宅の取得や省エネ改修をする際の費用の一部が支給されます。
減税制度とは?
減税制度とは、住宅の購入やリフォームをする際に、税金の優遇を受けられる制度です。住宅ローン減税や不動産取得税の軽減措置などが減税制度の一例であり、一定の条件を満たすと税負担が軽減され、間接的に住宅の購入やリフォームをお得に進められます。
住宅に関する減税制度の目的は、税負担を軽減することで、住宅購入やリフォームを促進することです。
住宅ローン控除の詳細は後述しますが、条件によっては年間最大31.5万円が所得税や住民税から控除され、最長13年間にわたって減税の恩恵を受けられます。
住宅購入時に利用できる補助金・助成金

住宅購入時に利用できる補助金・助成金は、省エネ等住宅の取得に適用されるものが多いです。住宅補助金制度は毎年改定され、ここでは、2025年2月末時点における住宅補助金制度について解説します。
ZEH補助金(環境省)
環境省のZEH補助金は、ZEH住宅(ゼッチ住宅)を新築すると補助金が支給される制度です。
ZEH住宅とは、「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅です。断熱・省エネ・創エネの3つの要素を満たしているとZEH住宅と認定され、申請すると1戸あたり55万円が支給されます。
ZEH住宅よりもさらに高い省エネ性能を持つ住宅として、ZEH+(ゼッチプラス)があり、ZEH+の補助金は、1戸あたり90万円が支給されます。
参照:環境省「ZEH補助金」
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM戸建住宅部門
サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM戸建住宅部門は、建設時、運用時、廃棄時において可能な限り二酸化炭素排出削減に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生エネルギー創出により、ライフサイクルを通じての二酸化炭素排出量をマイナスにする脱炭素化住宅であるLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅の普及を先導的に促進するための「LCCM住宅整備推進事業」の内容を引き継いだ補助金制度です。
LCCM住宅とは、建設から解体までの住宅の一生を通して、CO2の排出量をできるだけ減らし、最終的に「排出量ゼロ」や「マイナス」を目指す環境に配慮した住宅を指します。
基準を満たすLCCM住宅を建築すると、1戸あたり140万円を上限に補助金が支給され、補助金を申請する際はjGrantsを利用して電子申請を行います。
2024年度の申請受付は2025年1月20日をもって終了しており、2025年度も継続するかは現時点では確定していません。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯を中心とした全世帯を対象に、高い省エネ性能を備えた住宅の新築やリフォームに対して補助金を交付する制度です。温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるカーボンニュートラル達成に向けて、住宅の省エネ化の支援を目的とします。
補助額は、省エネ性能が極めて高い脱炭素志向型住宅(GX志向型住宅)を新築する場合、1戸あたり最大160万円の補助金が支給されます。
GX志向型住宅は、ZEH住宅をさらに進化させた「より環境にやさしく、エネルギーを自給できる未来のエコ住宅」です。
GX志向型住宅の条件を満たす住宅を建築する場合は、子育て世帯だけでなく、すべての世帯が対象になることが特徴です。
長期優良住宅やZEH水準住宅の新築は、18歳未満の子を有する子育て世帯および夫婦いずれかが39歳以下の若者夫婦世帯が対象となり、長期優良住宅の新築は1戸あたり80~100万円、ZEH水準住宅の新築は1戸あたり40~60万円の補助金が支給されます。
子育てグリーン住宅支援事業は、戸建住宅だけでなく、新築分譲マンションを購入する際にも利用できます。マンションを購入する際は、制度要件を満たしているかを確認しましょう。
2024年11月22日以降に工事(基礎工事より後の工程の工事)に着手したものが対象となり、交付申請の開始は2025年3月下旬~の予定となっています。詳細が決まり次第、子育てグリーン住宅支援事業のホームページで公開されます。
「子育てグリーン住宅支援事業」は、前身の「子育てエコホーム支援事業」を基盤としつつ、対象範囲の拡大や省エネ基準の強化を図った制度となっています。
両者の主な違いは以下のとおりです。
・子育てエコホーム支援事業(2024年)
対象世帯:子育て世帯・若者夫婦世帯
補助対象住宅:省エネ基準を満たす住宅(ZEH水準含む)
補助金額:最大100万円
・子育てグリーン住宅支援事業(2025年)
対象世帯:すべての世帯(GX志向型住宅の新築)
子育て世帯・若者夫婦世帯(長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築)
補助対象住宅:GX志向型住宅(より高性能な省エネ住宅)が追加
補助金額:最大160万円(GX志向型住宅の場合)
・子育てグリーン住宅支援事業(2025年)
対象世帯:すべての世帯(GX志向型住宅の新築)
子育て世帯・若者夫婦世帯(長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築)
補助対象住宅:GX志向型住宅(より高性能な省エネ住宅)が追加
補助金額:最大160万円(GX志向型住宅の場合)
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ事業は、CO2の排出量が少なく電気代を節約できる高効率給湯器の導入を促進するための国の補助金制度です。
補助金の金額は導入する給湯器の種類や性能によって異なり、高性能な給湯器ほど高い補助金を受け取れます。例えば電気を使って水を温めお湯を作り出すエコキュートの場合だと最大13万円で、既存の電気温水器からの買い替えだと、1台あたり追加で4万円が支給されます。
新築分譲戸建や新築分譲マンションの購入者が受け取ることができ、既存の住宅であればリフォーム時や住宅購入時にも適用可能です。
参照:給湯省エネ2025事業
自治体の補助金
補助金・助成金は国だけでなく、各自治体が独自に住宅補助金・助成金制度を制定していることがあります。例えば、東京都では新築住宅に太陽光パネルを設置する場合、1kWあたり12万円(上限36万円)の補助金が支給される制度があります。
東京都は2025年4月から新築戸建に太陽光パネルの設置義務化が始まるため、この補助金制度は継続すると考えられます。
神奈川県秦野市では、「はだの丹沢ライフ応援事業」という助成金制度があり、40歳以下の若者世帯のマイホーム購入を支援しています。秦野市内で戸建住宅や分譲マンションを購入して居住すると、基本額20万円(上限60万円)が助成されます。
その他の自治体の補助金については、各自治体のホームページや役所の窓口でご確認ください。
新築分譲マンション購入時に利用できる補助金・助成金

新築分譲マンション購入時に利用できる補助金・助成金として、以下のようなものがあります。
子育てグリーン住宅支援事業は、新築分譲マンションを購入する際にも利用できます。条件や対象世帯、補助金の額は戸建住宅と同じで、GX志向型住宅を購入・新築する際は1戸あたり160万円、長期優良住宅を購入・新築する際は1戸あたり80~100万円、ZEH水準住宅を購入・新築する際は1戸あたり40~60万円です。
すまい給付金は消費税率の引き上げ後に住宅を購入した方が対象となり、最大30万円が給付されます。しかし、既に申請受付は終了しており、今後再開する予定はありません。
こどもみらい住宅支援事業は新規の申請を受け付けておらず、子育てグリーン住宅支援事業が後継事業になります。
自治体によっては独自の補助金制度があります。例えば大阪市では「大阪市新婚・子育て世帯向け分譲住宅購入融資利子補給制度」で、住宅ローンの利子の一部が補助されます。
中古マンション購入時に利用できる補助金・助成金

現在、中古マンションを購入する際に利用できる国の補助金はありません。しかし、リフォームを前提に中古マンションを購入する場合、一定の条件を満たすとさまざまな補助金を受けられる可能性があります。
受けられる可能性のある補助金は以下のとおりです。
受けられる可能性のある補助金は以下のとおりです。
新築マンション
子育てグリーン住宅支援事業:◯
長期優良住宅化リフォーム推進事業:✕
次世代省エネ建材支援事業:✕
先進的窓リノベ2025事業:✕
給湯省エネ2025事業:◯
中古マンション
子育てグリーン住宅支援事業:◯
長期優良住宅化リフォーム推進事業:◯
次世代省エネ建材支援事業:◯
先進的窓リノベ2025事業:◯
給湯省エネ2025事業:◯
戸建住宅
子育てグリーン住宅支援事業:◯
長期優良住宅化リフォーム推進事業:◯
次世代省エネ建材支援事業:◯
先進的窓リノベ2025事業:◯
給湯省エネ2025事業:◯
リフォーム・リノベーション時に利用できる補助金・助成金

リフォーム・リノベーション時に利用できる補助金・助成金は多岐にわたります。ここでは、リフォーム・リノベーション時に利用できる主な補助金・助成金を解説します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、リフォームにも利用でき、すべての世帯が対象となります。既存住宅のリフォームを行う場合、1戸あたり最大60万円の補助金を受け取れます。
ただし補助金の支給は、特定の条件を満たすリフォーム工事を行った場合に限られ、すべてのリフォーム工事が対象になるわけではありません。
子育てグリーン住宅支援事業は、リフォームを通じて住宅の省エネ性能を向上させることを目的としており、エネルギー効率や断熱性の向上を目的とした工事が対象となります。
2024年11月22日以降に工事に着手したものが対象となり、交付申請の開始は2025年3月下旬~の予定となっています。詳細が決まり次第、子育てグリーン住宅支援事業のホームページで公開されます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存の住宅を長寿命化し、性能を向上させるためのリフォームに対して、国が補助金を支給する制度です。
既存の住宅をリフォームして長期優良住宅の認定を取得した場合だと、1戸あたり最大210万円の補助金が支給されます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の申請手続きは、事業者が登録して申請を行います。申請期限は2025年1月31日までとなっており、現在は終了しています。業者が事業者登録をしなければ補助金は受け取れないため、業者を選ぶ際は注意が必要です。
脱炭素社会の実現に向け、住宅分野における省エネ化や再生可能エネルギーの導入を促進するため、2025年度も継続される可能性がありますが、現時点では確定していません。
次世代省エネ建材支援事業
次世代省エネ建材支援事業は、次世代省エネ建材を用いた住宅のリフォームに対して補助金が交付される制度です。断熱リフォームを支援することを目的とし、戸建住宅の場合はエリアにより最大300万~400万円、マンションの場合は最大125万円の補助金を受け取れます。
次世代省エネ建材支援事業の申請手続きは住宅の所有者が行わなければなりませんが、2024年10月4日に二次公募の申請の受付は終了しました。2025年度も継続される可能性がありますが、2025年2月13日時点では確定していません。
先進的窓リノベ2025事業
先進的窓リノベ2025事業は、住宅の窓やドアを断熱性能の高いものに交換すると、1戸あたり200万円を上限に、工事費用の1/2相当が定額で補助される制度で、設置する窓の性能や大きさによって金額が決まります。一定の条件を満たすガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換が対象になります。
補助金を受け取るには、「住宅省エネポータル」上で手続きを行い、施工事業者が「窓リノベ事業者」に登録して申請を行います。依頼主自らが申請を行うことはできないため、あらかじめ施工業者に申請作業を頼む必要があります。補助金は施工事業者を通じて交付され、住宅所有者に還元される仕組みです。
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業は、リフォーム時にも利用可能です。既存の住宅において、従来の給湯器を省エネ型の高効率給湯器(エコキュートやエネファームなど)に交換する工事が対象となります。
補助金額は、エコキュートは最大13万円、ハイブリッド給湯機は最大15万円、エネファームは最大20万円です。既存の電気温水器や蓄熱暖房機を撤去する際にも補助金が支給されます。補助金額は、電気温水器は1台につき4万円、蓄熱暖房機は1台につき8万円です。なお、エコキュートの撤去費用は対象外となるためご注意ください。
自治体の補助金
自治体によっては省エネリフォームや耐震リフォームなどを対象とする補助金制度があります。
例えば、東京都大田区では住宅リフォーム助成事業という助成制度があり、バリアフリー対策や住まいの長寿命化、どの一定の要件を満たしたリフォーム工事に対して助成金が支給されます。
自治体が実施している住宅リフォームに関わる支援制度については、以下のサイトで確認が可能です。
補助金と併用できる減税制度や支援制度

住宅購入やリフォームをする際は、住宅補助金制度だけでなく、減税制度や支援制度を利用できる場合があります。住宅補助金制度と減税制度や支援制度を併用することで、さらなる費用軽減が可能です。
住宅ローン控除
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入またはリフォームした場合、所得税や住民税から一定額が、一定期間(13年間もしくは10年間)控除される制度です。
2022年度の税制改正により、住宅ローン控除を受けられるのは、2025年12月末までに入居した人となっています。また、省エネ住宅の基準を満たしている住宅でも、令和5年12月31日までに建築確認を受けていない場合、住宅ローン控除の対象外となります。
リフォーム減税制度
リフォーム減税制度は、住宅の性能向上やバリアフリー化など、一定の要件を満たすリフォームを行った場合に受けられる税制の優遇措置です。
この制度を利用すると、住宅ローン控除とリフォーム促進税制(所得税および固定資産税の減税)を併用して、税金を軽減できます。ただし、併用できるのは耐震リフォームだけです。
税制は毎年変更されるため、最新情報をご確認ください。
介護保険の住宅改修支援制度
介護保険の住宅改修支援制度は、要介護または要支援認定を受けた高齢者が住み慣れた自宅で安全かつ快適に生活できるように、自宅の改修費用を一部補助する制度です。手すりの取り付けや段差の解消など、バリアフリーリフォームの費用削減につながります。
20万円までの工事が対象で、基本的に工事費用の9割である18万円が上限です。したがって、工事費が20万円の場合の自己負担は1割の2万円で済みます。
住宅補助金制度を活用して住宅購入やリフォームの費用を軽減しましょう

住宅補助金制度や減税制度を上手に活用すると、費用を軽減しながら省エネ性能などに優れた良質な住宅を取得できます。
住宅購入時に利用できる補助金は、省エネ性能に優れた住宅を取得する際に利用できるものが多く、100万円以上の補助金が支給されるものもあります。適用できる補助金があれば必ず申請して費用の軽減を図りましょう。
明和地所では、補助金や減税制度など、不動産を知り尽くしたプロが多く在籍しております。新築、仲介、賃貸、リフォーム、リノベーションなど不動産に関することは、お気軽にご相談ください。

宅地建物取引士 岡﨑渉
国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。
現在はフリーランスのWebライター・Webマーケターとして活動中。
不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターでは主に不動産・投資系の記事を扱う。
さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有。
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