vol.3 現代人の姿勢は、こんなに曲がってる?デスクワーカー・スマホ利用者に多い歪んだ座姿勢。その改善方法をインストラクターに学ぼう。
今、アナタはどんな体勢でこの記事を読んでいますか?
ベッドの上で横になりながら?
休憩中に、立ちスマホしながら?
洗濯物の待ち時間に、ダラッとしながら?
なかなかこんな記事をシャキッとした姿勢で、気を張りながら見ることはないか思いますが、本日は、「普段の姿勢」に関するお話です。
普段のアナタの姿勢は、どんな姿勢でしょうか?
なかなか鏡の前に立ってまで、自分の姿勢をチェックすることはなかなかありませんよね。
そもそもどんな姿勢があるかご存知ですか?
■正常な姿勢
頭部から腰まできれいに一直線で揃い、腕と肩が、背骨に沿う形で降りていく状態。
これが正しい姿勢です。
頭部の重みをしっかりと背骨や筋肉で支えている状態です。
■猫背
頭部の重心がだいぶ前にでて来てしまっています。
これが現代人の姿勢の歪みの8割を占める「猫背」の状態です。
この状態だと、首、肩、腰回りに多大な負担をかけてしまいます。
■反り腰
人間の頭部は、想像以上に重いもの。
アナタは、ご自身の頭の重さについて、ご存知ですか?
頭部の重さは、一般的に全体重の10~14%ほどと言われています。
おおよそ60kgくらいの方で6kg、身近なものだと、14ポンドの男性向けボーリング玉、八百屋さんで見かける大きなスイカくらいの重さがあります。
人間の体は常に、こんな状態(ちょっと怖いですね)。
そんなにあるの?と不思議に思うかもしれませんが、普段は、骨格と筋肉でうまい具合に支えているため重さを感じません。ですがしっかりと中身が入っていますので、重いうえに重心から離れているため、支えるためには、バランスの良いカラダが必要です。
姿勢が歪む原因は、長時間のデスクワークが最も多い。
人間の姿勢が歪みやすいのは、座った状態が長く続く時です。
とくにパソコンを使ったデスクワークなどが該当します。
パソコンの画面を覗き込むような姿勢で前のめりになった姿勢、これが猫背を生む大きな要因です。
最初は、ほんの少し前のめりになった状態ですが、その姿勢を日々続けているうちに約6kgある頭部が、少しづつ少しづつ猫背を重症化させます。
上の図のように、重心からズレた頭部をどうにかして支えようと、首と背中側の筋肉に力の入った「張った」状態が、長い時間続くようになります。
そうすると、立ち姿勢のときにも、背中側の筋肉のバランスが崩れたままの状態に。
右と左の画像を比べていただければ、本来のバランスが崩れ、猫背になる様子が御理解いただけることと思います。
猫背は、首、背中、肩、腰のそれぞれへ、常に負担がかかった状態です。
また、下腹部が潰れるため、内臓への負担も発生します。
内臓の中でも、呼吸器系は猫背によるデメリットが大きいとされる器官で、
肺が膨らむスペースが減り、肺活量が減るため、1日8時間この姿勢を続けていると基礎代謝が約8%も減ってしまうという研究結果もあります。
たった8%と思われるかもしれませんが、一般女性の8%は、約120kcal。
この姿勢を続けていると1ヶ月で3600kcal、本来なら脂肪を500gも代謝できるカロリーを失っていることになります。
意外と知られていませんが、猫背は代謝を悪化させ、太る要因にもなりうるのです。
今回は、その重心のズレを正しい位置に戻す改善方法を学びましょう。
今回、教わる先生はこちらの方。
小野鲇莉(おのあゆり)トレーナー
プロフィール
フィットネスインストラクター&ダヴィンチボディボードマスタートレーナー
インストラクター指導歴15年
クラシックバレエ歴 25年
バレエインストラクター、ダンサーとして、CM・MV・舞台等国内で活動後、渡米。
帰国後、ヨガインストラクター、薬膳アドバイザー、ヒーリングセラピストとして活動再開。
現在、2016年に日本に導入されたダヴィンチボディボードマスタートレーナーとして、フィットネススタジオにてレッスンを担当する他、トレーナー育成・企業研修も行う。
ここで体の歪みについて小野トレーナーに質問してみました。
Q:猫背を改善する方法ってどんなものなんでしょうか?
A:猫背の原因は、日常生活の不良姿勢の積み重ねが原因です。
猫背の人は、そもそも正しい姿勢を知らない場合が多いので、正しい姿勢を学ぶこと、そしてその正しい姿勢を日頃から意識することがとても大切です。
そうすれば、それ以上悪化することは防げます。
Q:エクササイズで歪み姿勢を治す理由は?
A:整体やマッサージなどでも、一時的に歪みは改善することができますが、
骨格の歪みを改善しても、人間の体には、筋肉のバランスがあるため、そちらも改善しなければなりません。
特に、胸椎(きょうつい)と言われる胸周りの筋肉が固くなっていることも理由の一つです。
そのためには、前後左右の伸縮を調整し、バランスを整える事が重要です。
歪み姿勢改善エクササイズ&ストレッチ5選
1.スパインストレッチ
■効果
・猫背改善・美姿勢・背骨のストレッチ
・肩こり・腰痛の緩和
■手順
1.正座になり、肘の角度が90度になるように、両肘をつきましょう。
2.骨盤を浮かせずに、上体を起こし、背骨を反らせましょう。
3.背骨に芯が通りハリがあるイメージを意識しつつ、そのままの姿勢を10秒ほど、保ちましょう。
4.ゆっくりと1の状態へ戻りましょう。
■セット数目安
10~15回程を目安に行いましょう。
■ポイント
・首を縮めたりせずに、頭を遠くに引っ張るようにして、首・背骨の真っ直ぐなイメージを意識しましょう。
・腰回りが反りすぎないように、おへその上からの反りを意識しましょう。
2.スワンアーチ・カーブ
■効果
・猫背改善・美姿勢・胸・肩・腹部のストレッチ
・背骨の柔軟性UP・内臓の活性化
■手順
1.うつ伏せになり、肘と掌を床にをつきましょう。
2.骨盤は浮かせずに、頭から腰までをゆっくりと反らせましょう。
3.背骨に芯が通るイメージで、そのままの姿勢を10秒程保ちましょう。
4.ゆっくりと1の状態へ戻りましょう。
■セット数目安
10~15回程を目安に行いましょう
■ポイント
スパインストレッチとの違いは、より腰の位置が低いので、先程より反りを意識して行いましょう。
3.タオルを利用した背筋のストレッチ
■効果
猫背・肩こり・腰痛改善
睡眠の質&代謝UP、リラクゼーション効果
■手順
1.タオルを写真の様に丸めましょう。
2.肩甲骨の少し下にタオルが来るように仰向けになりましょう。
3.そのまま腕を上方向に伸ばしましょう。
■セット数目安
120秒1回を目安に行いましょう
■ポイント
胸の前側が開いて行く感覚を意識しましょう。
手を伸ばした際に、肩甲骨がタオルを押す感覚がある位置が丁度いいポイントです。
タオルのサイズは、およそバスタオル2枚分、直径10cm程がちょうどいいサイズです。
4.シッティングリバースプランク
■効果
胸・肩・腹部のストレッチ、バストアップ
肩甲骨の安定性UP、二の腕の引き締め
■手順
1.椅子に浅く座り、腕を椅子につけます。
2.掌の方向をつま先と同じ向きにします。
3.そのまま腰を浮かせていきます。
4.足から膝上まで一直線の状態で、30秒間ほどキープしましょう。
■セット数目安
30秒~1分程度を1セット、2時間以上空けて、1日3~5回行いましょう。
■ポイント
椅子に斜め方向の力がかかるので、滑らない様に注意しましょう。
目線は上へ、腰をしっかりを浮かせましょう。
5.ペルビックエクササイズ
■効果
股関節・骨盤の周りにある筋肉のストレッチ
腰痛改善・姿勢改善
■手順
1.椅子に浅めに座ります。姿勢をしっかり一直線に座りましょう。
2.目線を斜め上方に上げ、鼻から息を吸いながら、両腕を後下方に伸ばしましょう。
3.腕を前方に伸ばし、肘を外側にねじりながら、骨盤を前傾させます。
4.腕を前方に伸ばし、目線はおへそをのぞき込むようにして、口から息を吐きながら肩甲骨を外に広げてお腹をへこませ、骨盤を後傾させます。
5.2-4を繰り返します。
■セット数目安
1回60秒 5セット程を目安に行いましょう
■ポイント
2の際に、胸を開き、肩甲骨をしっかりと寄せることを意識しましょう。
骨盤から動かすように意識して行いましょう。
呼吸を意識しながらゆったりと流れるように行いましょう。
姿勢の歪みは、生活の歪み!
歪みは長い期間溜め込めば溜め込むほど、コリや疲れになって現れます。
毎日、続けることで、しっかりと改善することが可能です。
大変かもしれませんが、猫背をそのままにしておくと、内臓や様々な部分への負担をそのままにすることになります。
いつでもどこでもできる内容なので、仕事の合間や就寝前など、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。
症状が重く辛くなる前に、しっかりと改善しましょう。
今日から取り入れたくなるような、暮らしを素敵に彩るアイデアをご紹介。いつもの毎日にちょっとしたワクワクを。