プロに教わる時短お掃除

浴室編① 床・洗面器・風呂いす Vol.4

仕事に家事に育児と忙しい毎日のなかで、ついつい後回しになってしまいがちなのが、家の掃除。ピカピカの状態をキープするには、どのくらいの頻度で、どのような方法で掃除すればよいのでしょうか。気づいたときにパパっとできて、すぐにきれいになる「時短おそうじ」のコツを、日本清掃収納協会会長の大津たまみさんに教えてもらいました。今回は浴室編の第1弾として、床の掃除方法を紹介します。

教えてくれたのは… 大津たまみさん
日本清掃収納協会会長。年間200本以上の講演のほか、テレビなどで片付けや掃除法を伝えている。(株)アクションパワー取締役会長。(一社)生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。

浴室の日ごろのお手入れのコツ

日ごろ浴室を使用するうえで気を付けたいのは、「換気時間をできるだけ長くとる」こと。2時間以上を目安として、浴室をしっかりと乾かしましょう。カビの繁殖を抑えるため、「風呂上がりに、浴室全体に冷水をかけて室内温度を下げる」とともに、石鹸カスなどの汚れを洗い流す習慣をつけることで、毎日の浴室掃除がラクになります。

床の汚れの落とし方

浴室の床の主な汚れは、水アカや石けんカスなどアルカリ性の汚れです。pHの指標で対極に位置する酸性の「クエン酸水」を使うことで中和させ、汚れをすっきりと落とすことができます。黒カビが発生している場合は臭いがなく塩素系より安全性が高い酸素系の漂白剤を使うことで安全に汚れを落とします。次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤は、クエン酸のような酸性の洗剤と同時に使用すると有毒ガスを発生するため危険です。使用の際は十分に注意しましょう。
おそうじ頻度の目安は1週間に1回程度です。定期的なお手入れを心がけましょう。
 

<用意するもの>
☑クエン酸水
(スプレーボトルにクエン酸小さじ1と水100mlを入れ、よく振り混ぜたもの)
☑スポンジ
☑タオル
☑酸素系漂白剤
☑ゴム手袋
☑キッチンペーパー
☑ブラシ
☑不要になったクレジットカード

1.酸素系漂白剤をカビにしみ込ませる

カビが発生している場合は、カビの根本まで漂白剤を浸透させるため、こより状にしたキッチンペーパーに酸素系漂白剤をしみこませ、15分以上置きます。塩素系漂白剤でもカビを落とすことはできますが、酸性洗剤と混ざると有毒ガスを発生するため、酸素系漂白剤を使用しましょう。

2.ブラシでこすりながら洗い流す

少し硬めのブラシでこすりながら洗い流します。

3.熱い湯をかける

水アカなどの汚れを落としやすくするために、シャワーを50度以上の温度に設定し、床全体にかけます。

4.「クエン酸水」を吹き付ける

「クエン酸水」を床全体に吹き付けて5分ほど置き、汚れが浮いてきたらブラシでこすります。

5.冷水で汚れを洗い流す

水をかけて汚れを洗い流しましょう。タオルで乾拭きをすれば終了です。カビ対策に、冷たい水で浴室全体の温度を下げ、水分を拭き取って終了です。おそうじが終わったら、換気扇を回すことも忘れずに。

Before

After

洗面器や風呂いすのお手入れ方法は?

洗面器の表面や風呂いすには、水アカやせっけんかすが付着しているため、不要になったクレジットカードでおおまかな汚れをこそげ落します。残った汚れは、キッチンペーパーを巻いて上からクエン酸水をスプレーして15分ほど置き、汚れを浮かび上がらせてからスポンジでこすって落としましょう。最後に洗剤を洗い流します。

<ここがポイント>
1.「クエン酸水」で汚れを浮かび上がらせる
2.有毒ガスの発生を防ぐため、カビは酸素系漂白剤で落とす
3.最後に冷水で浴室の温度を下げ、水分を拭き取ることでカビ対策に
 

必要なのはこれだけ! 浴室おそうじアイテム

最後に、浴室の床掃除に必要なアイテムのおさらいです。aクエン酸、bクエン酸水を入れるスプレーボトル、cスポンジ、dタオル、e酸素系漂白剤、fキッチンペーパー、gブラシを用意しましょう。汚れが目立つ場合は、クエン酸水の水をお湯にして「ホットクエン酸水」にしてもよいでしょう。酸素系漂白剤を使う際は必ず、hゴム手袋を着用することも忘れずに。
洗面器や風呂いすに付着した汚れも落とす場合は、いらないiクレジットカードを用意し、汚れをこそげ落とします。
 
いかがでしたか? クエン酸などご家庭にあるものを使ってぜひ試してみてくださいね。次回の「プロに教わる時短おそうじ」は、浴室編・第2弾として、浴槽の掃除方法を紹介します。
 

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