プロに教わる時短お掃除

キッチンまわりの収納スペース Vol.12

すっきりとした家で気持ちよく過ごしたいのに「いつの間にか物でいっぱいになっている」「片付けに苦手意識がある」「どこに何があるのか分からない」といった人は、多いのではないでしょうか。そこで、気づいたときにパパっとできて、すぐにきれいになる「時短おそうじ」の収納編として、日本清掃収納協会会長の大津たまみさんに、上手な片付け方を教えてもらいました。今回はキッチンの整理整頓について教わります。

教えてくれたのは… 大津たまみさん
日本清掃収納協会会長。年間200本以上の講演のほか、テレビなどで片付けや掃除法を伝えている。(株)アクションパワー取締役会長。(一社)生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。

食器棚の配置

まずは、vol.11で紹介した部屋割りを考える際と同様に、キッチンの間取りを描いてみましょう。調理や配膳をするとき、自分がどのような動きをしているか思い返します。行動を客観的にとらえることで、無駄な動きが多いことに気づかされることもあるでしょう。

食器棚の配置は、キッチンの内側がベストです。食器棚の移動が難しい場合は、使用頻度が高い食器だけでも、キッチンの内側に収納するスペースを確保しましょう。

 

食器棚にたくさんの食器を収納する方法は?

食器棚の配置は決まったものの「食器が入りきらない」「どこに何が入っているか分からず使いづらい」といった悩みを抱えていませんか? 食器棚の収納方法を工夫することで、たくさんの食器をしまうことができます。

まず、取り出しづらい上段には軽い食器や取っ手付きで取り出しやすいものを、下段には割れやすいものや重いものをしまいましょう。詰め込み過ぎると使いづらいため、食器と食器との間のスペースは、取り出しやすいよう指1本分ぐらい空けることを意識しましょう。

100円ショップでお馴染みのグッズを使い効率よく収納

異なる形の食器を重ねると、収納できたとしても出し入れしづらく、使用頻度が下がってしまう原因となります。また、高さがあるスペースを有効に使うため、100円ショップなどで手に入るプラケースやコの字型のラックなどを使用し、空間を余すところなく使って収納力を上げながら使い勝手も高めましょう。

同じときに使用する食器をまとめて収納

「朝食時に使う皿やマグカップ」といった、同じタイミングに使用する食器類は取っ手付きのかごなどにまとめてしまい、取り出しやすいようにセットすると使いやすいでしょう。また、どこに何をしまうか決めて誰が見ても分かるようにラベルを貼ることで、家族が食器などを使用した後、元に戻しやすくなります。

使用頻度が低い食器はストック食器置き場へ

効率のよい収納方法や使いやすさを追求するだけでなく、使用頻度が高い食器を厳選してしまうことも大切です。5枚ワンセットの皿は来客時に活躍するかもしれませんが、普段は家族の人数分しか使われません。来客が本当に家で食事をとるのか考え、家族の人数分以上の食器は「ストック食器置き場」を作ってしまうと良いでしょう。

本当に使う食器を厳選する

使用していない食器は、思い切って処分することも考えましょう。「使用していないかどうか」を見極めるため「最近使っていない気がする」という食器があれば、まずは「半年間迷ってますボックス」を作り、そこに収めましょう。半年後にボックスの中を見直し、使わずにいた食器は「必要ない」と時間が教えてくれているのです。「使うもの」と「使えるもの」は異なることを忘れずに「使わないもの」を手放す選択も考えることをおすすめします。

上段には軽い食器を収納。取っ手付きのプラケースに収納すると取り出しやすくなります。「ストック食器置き場」もここに。

コの字ラックを使うことでデッドスペースをなくし、小さめの食器を取り出しやすく収納します。

吊戸棚には何を入れる?

限られたスペースで収納量を確保するにあたり、吊戸棚はとても便利です。ただし、頭より高い位置にある棚に重いものを入れると、出し入れが大変ですし、落下してしまった際のリスクも高く危険です。利用頻度が低いと何を入れたか忘れてしまいがちなため、キッチンペーパーのような軽くて比較的よく使う消耗品などを入れるとよいでしょう。

コンロ下の収納スペースには何を入れる?

コンロ下の収納スペースは、調理をする際に必要な鍋やフライパンといった器具を入れるスペースとしましょう。調理の際に最短の家事動線で取り出すことができます。

鍋の収納方法

鍋は水を入れて使用することがほとんどのため、シンクの下に収納場所を作ることで動線を短縮することができます。取り出しやすい位置にしまいましょう。

フライパンの収納方法

大きさの異なるフライパンを重ねて収納している家庭が多いと思いますが、取り出しづらく、バランスを崩して雪崩を起こしてしまうこともあり危険です。フライパンやフライパンのフタは、立てて収納すると取り出しやすく、すっきりと収まります。仕切り代わりにファイルボックスを使用するとよいでしょう。

<ここがポイント>
1. 食器はプラケースやコの字型のラックなどを使い、デッドスペースがないように収納
2. 鍋はシンク下、フライパンはコンロ下に収納して動線を短縮
3. フライパンは立てて収納

キッチンの収納力や使い勝手を高めることで、ストレスフリーの空間を目指してくださいね。次回の「プロに教わる時短おそうじ」は、冷蔵庫の収納方法を紹介します。

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