プロに教わる時短お掃除

2021.09.01

vol.11 部屋割りの見直しとテレワーク空間

すっきりとした家で気持ちよく過ごしたいのに「いつの間にか物でいっぱいになっている」「片付けに苦手意識がある」「どこに何があるのか分からない」といった人は、多いのではないでしょうか。そこで、気づいたときにパパっとできて、すぐにきれいになる「時短おそうじ」の収納編として、日本清掃収納協会会長の大津たまみさんに、上手な片付け方を教えてもらいました。今回は「収納」を見直す前に大切なのが「部屋割り」を考えること、という観点から、需要が増えているテレワークの空間について教わります。
教えてくれたのは… 大津たまみさん
日本清掃収納協会会長。年間200本以上の講演のほか、テレビなどで片付けや掃除法を伝えている。(株)アクションパワー取締役会長。(一社)生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。

片づけの第一歩は間取りの把握から

「部屋がなかなか片づかない」と悩んでいる人の多くが、断捨離を検討したり、収納スペースの充実を検討したりしているのではないでしょうか。実は、物を減らしたり、しまう場所を考えたりする前段階として大切なのが、部屋ごとの役割を認識することです。

まずは家の間取りを見直しましょう。間取図を描き、家全体を俯瞰することで、部屋の配置と、どんな物がどこにあるかを客観的に把握します。場所の関係性をしっかりと認識するとともに、「誰が」「どんな目的で」使用している空間なのかも明確にします。

例えば、キッチンは母親が料理をするところ、リビングは家族全員で寛ぐところ……などと書き出していくことで「家事を母親に頼りっきりだな」「北側の部屋は寒いから物置になっている」といった気づきを得ることができます。

現在の部屋割りがベストなのか、家族で一度話し合ってみましょう。特に目的がはっきりとしない部屋がある場合、そこを理想的な空間に変えるには何が必要で何が不要なのか見直すことで、使いやすく快適な部屋づくりができます。
コロナ禍の現在は、上手く活用できていない部屋があった場合「在宅で仕事をするスペースに充てたい」と考える人が多いのではないでしょうか。

在宅勤務の人の多くが、リビングを仕事場に

新型コロナウイルスの感染拡大を機に家で過ごす時間が長くなり、家族との時間が増えたり、自宅を仕事場とする人が増えたりと、家に求める役割が変化しています。自身や家族にとって「理想の部屋割り」もコロナ禍の生活を経験し、変わってきているのではないでしょうか。

テレワークを採用する企業が増え、自宅で仕事をする機会が増えていることから、部屋割りを考えるにあたり「仕事をする場所が確保できているか」が重要なポイントとなりつつあります。自宅で仕事をするとなれば、書斎など専用のスペースがあると便利です。

出典:株式会社ビズヒッツ
株式会社ビズヒッツ(リンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000041309.html)の調査によると、リモートワーク経験者の半数以上が、リビングで仕事をしていると回答しています。仕事部屋・書斎がある人はわずか1割程度です。家族が集まるリビングで仕事を続けていると、オンライン会議や電話の際に音が気になる、仕事とプライベートの切り替えが難しく気が散ってしまうといったこともあり、ストレスに繋がる可能性も。小さな子どもがいる家庭や、夫婦がともに在宅勤務の場合は、より気を遣うでしょう。

リビング・ダイニングで快適にテレワークをするには?

間取りを見直し、仕事のための部屋を確保できればよいのですが「リビング・ダイニング以外に場所がない」という家庭も少なくないでしょう。書斎があっても、夫婦が揃って在宅勤務となれば、1人はリビングを仕事場とせざるを得ない状態に陥ります。日常生活の場で仕事をするのであれば、事前に家族と話し合い、空間の使い方を見直しましょう。

「音」や「光」に配慮する

リビング・ダイニングで仕事をする場合、ネックになるのがオンライン会議の際の「音」や「光」です。家族の生活音が入り込むことのないよう、オンライン会議の時間が決まったら、事前に家族へ知らせておきましょう。会議中は、「ただいまオンライン会議中」と書いた札を見える位置に置くなど、家族間で決めたルールに沿って、会議中だと分かるようにしておきます。
また、光の当たり方次第で、オンライン会議中に表示される顔が暗くなってしまいます。座る場所を工夫し、逆光にならないようにしましょう。照明を用意する場合、スポットライトでは影ができてしまうため、リングライトがあると便利です。リングライトは、インターネットサイトや家電量販店で、1,000~1万円程度で購入できます。
リングライトは、自分の顔の斜め上から照らすように設置します。自然光よりも光が当たる向きや光量、光の色を調節しやすく便利です。

1日のはじめに準備、終わりに片づけをセットに

リビング・ダイニングで仕事をしていると「気づいたらテーブルの上が物であふれていた」という経験はありませんか? 仕事道具をやみくもに持ち込むと、雑然とした中で仕事をすることになり、集中力に欠くこともあるでしょう。
1日にはじめにやることを決めて、必要な資料などはバッグの中にまとめてセットしましょう。その日の仕事が終わったら、中身をもとの場所へ戻す作業もセットで行います。資料を持ち運ぶためのバッグを用意することで、そのときの状況に合わせて移動がしやすく、家族の状況に応じて最適なスペースで仕事に取りかかれます。

動線をシンプルかつ最小限に抑える

また、動作の数を極力少なくすることも効率化の第一歩です。例えば「スマートフォンを持ち上げる」という動作は、スマホスタンドを用意することで省略できます。必要なものをすぐ手に取ることができるように、できれば目線の高さに入るようにセットしておきます。
 
「立てる収納」を用意する方法も有効です。書類にしても、筆記用具にしても、テーブルにただ置いてあるよりも、目線の高さにあった方が取り出しやすく、動線を短縮できます。空き箱やファイルボックスなど、家にあるものを使って作業を効率化しましょう。

自宅に「オンラインルーム」を作る選択

家の間取りを把握した結果、物置になっている部屋や用途が決まっていない部屋があると気づいた人は、仕事専用のスペースとして活用してみてはいかがでしょうか。

家の中で仕事を行うスペースとして専用の部屋を作ろうと考えたとき、まず浮かぶのは「書斎」でしょう。しかし、コロナ禍の生活で在宅勤務が当たり前になった今、本を読むだけでなく、常時パソコンを起動して仕事をしたり、オンライン会議をしたりといった、様々な状況に対応する必要があります。もし個室を確保できるのであれば、書斎よりも一歩進んで「オンラインルーム」を作ってみるのも手です。

大津さんが実際に仕事をしている「オンラインルーム」。スマートフォンやプリンターなど、必要なものを手の届く位置に揃えています。オンラインをしながら通話や打ち込みをするといった、複数の動作を同時に行いやすいレイアウトを心がけているそうです。

狭くて暗い部屋でOK

「狭いから」「北側で暗いから」といった理由で使用頻度が低かった部屋も、在宅ワークが目的であればプラスに働くケースが多々あります。例えば、窓を背にしている場合、オンライン会議中は逆光により、顔が暗く表示されてしまいます。PCモニターを見ながら仕事をすることを考えた場合、自然光を遮り、光の当たり方が一定の環境を作った方が作業に集中できます。

オンライン会議の頻度が高い人はグリーンバックがあると便利

オンライン会議の頻度が高い人は、グリーンバックを用意すると便利です。世界中の生徒とオンラインで繋がっているという大津さんは、仕事部屋にグリーンの壁紙を貼って備えているとのこと。グリーンバックはインターネットサイトなどで安価に購入でき、背面に設置することでバーチャル背景がきれいに映り、人体以外の物も透けることなく表示されます。

立って仕事をすることで運動不足を解消

合わせて、昇降机・昇降椅子などを用意しておくと、パソコンの画面に合わせて高さ調整がしやすく便利です。座ったまま作業をすることが多いテレワークは、運動不足になったり、腰痛など体に不調を覚えたりすることも。立ったり、座ったりしながら仕事をすることで気分が変わって作業効率が上がり、健康維持にも繋がります。
<ここがポイント>
1. 間取りを把握し、仕事のためにつかえるスペースがないか確認する
2. リビング・ダイニングで仕事をする場合は音や光に配慮。仕事道具をまとめることで作業効率がアップ
3.仕事専用のスペースを確保できれば、より作業に集中しやすい環境を作れる
まずは自宅の間取りを見直し、ライフスタイルに合わせるにはどのようなスペースが必要なのかを考えてみてくださいね。次回の「プロに教わる時短おそうじ」は、キッチンまわりの収納方法を紹介します。

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