【ゴルフの飛距離アップ】体幹を使った効率的スイング法 vol.62

ゴルフクラブを変えたり、スイング練習を重ねるだけではゴルフの飛距離はアップしません。飛ばそうとすればするほど力んでしまったり、前傾姿勢がキープできず身体が起き上がってしまうことにより、ダフリやスライスの原因となります。飛距離アップに重要なポイントの1つは、体幹が安定した状態でスイングすることです。体幹が安定した状態でスイングするには、まず背骨(脊柱)の柔軟性を改善することが大切です。背骨の柔軟性が向上すると体幹が安定し、飛距離がアップします。今回は、背骨の柔軟性を改善して飛距離をアップさせる方法をご紹介します。
目次
ゴルフの飛距離が伸びない要因は?
飛距離をアップするためには、体幹の安定性が重要なポイントとなります。背骨の柔軟性を改善することで、身体の軸が安定し、スイングがコンパクトになります。その結果、スイングスピードが上がり飛距離がアップします。ゴルフのスイング動作では、上半身と下半身の捻る力をボールにうまく伝えることができると飛距離がアップします。しかし、スイング中に肋骨が開いて上半身が早く起きてしまったり、身体の軸がぶれてクラブのスイング軌道が不安定になると、ダフリやトップ、スライスの要因となり、飛距離が伸びない原因となります。体幹を安定させてスイングするためには、背骨の動きが重要なポイントとなります。背骨の周りには、背骨を伸ばす筋肉(脊柱起立筋、多裂筋)や首を伸ばす筋肉(頚部板状筋、頭部板状筋)があります。これらの筋肉が硬くなると、身体をうまく捻ることができなくなってしまうため、スイング動作の時に上半身と下半身のバランスが悪くなり、飛距離がアップしない要因となります。特に現代人はデスクワークや下を向いている時間が長く、背中が丸くなりやすいため日頃から背筋を意識することが重要です。
背骨の機能を改善するポイント

仙骨の角度と背骨の安定性
飛距離をアップするには、背骨の安定性が重要です。背骨を安定させるためには、多裂筋が正しく働くことがポイントになります。多裂筋が正しく働くと、姿勢と体幹が安定し、骨盤を捻る力と腕を振る力が連動するようになります。それによりスイング軌道が安定することで、ヘッドスピードが上がり、飛距離アップにつながります。多裂筋を正しく働かせるには、腰椎と仙骨の角度が25〜30度で、かつ背骨全体を横から見た時にS時を描いたカーブの状態を維持することが必要です。多裂筋が働きやすい姿勢を整えてから体幹トレーニングや多裂筋のトレーニングを行うことで、より効果が高まります。
スイングと肩甲骨の安定性
飛距離アップには、背骨の安定性のほかに肩甲骨の安定性も重要なポイントで、肩甲骨を下方に引っ張る筋肉(前鋸筋下部繊維、僧帽筋下部繊維)と、背骨に引き寄せる筋肉(菱形筋)が働きやすい身体を作る必要があります。スイング動作には、股関節と腰を捻る運動と、胸と肩甲骨を捻る運動があり、胸と肩甲骨を捻る運動を正しく行うためには、胸椎の上部の動きがポイントになります。デスクワークや下を向く作業が多くなると、首が前方に移動し、ストレートネックや巻き肩になりやすくなります。このような姿勢が癖になってしまうと胸椎の上部のカーブが強くなり、肩甲骨が上に引っ張られてしまうため、スイング時の肩甲骨が背骨に近づく内転動作と、背骨から離れる外転動作を正しく行うことができなくなってしまいます。このような状態でスイングを行うと、上半身が起き上がりやすくなり、トップやスライスの要因となってしまいます。
飛距離がアップするエクササイズ5選
仙腸関節エクササイズ

■効果
腰椎の柔軟性改善、腰椎仙骨角度改善、骨盤の開き改善
■手順
1.上半身を起こしてうつ伏せになり、両肘を肩の真下ついて、首の後ろを伸ばします。
2.1の姿勢のまま、左脚を外に開きます(股関節45度、膝90度)。
3.肘を軸にして上半身を左に倒します。
4.肘を軸にして上半身を右に倒します。
■セット数目安
3~4の動作を1回として、2の足を右脚に入れ替えて、左右10回ずつ行いましょう。
■ポイント
3~4の動作の時に頭が下がらないように注意しましょう。
体幹の回旋エクササイズ(前面)

■効果
背骨(脊柱)の柔軟性改善、脊骨(脊柱)の胸椎の回旋可動域改善、肩甲骨の柔軟性改善
■手順
1.仰向けになり膝を立てます(膝90度)。みぞおちの裏でマットを押します。
2.1の状態で、肘をあげて左手で右肘を掴みます。
3.左手で右肘を引きながら上半身を左側へ捻り、下半身を右側へ捻ります。
4.右手で左肘を掴み、左肘を引きながら上半身を右側へ捻り、下半身を左側へ捻ります。
■セット数目安
3~4を1回として10回行いましょう。
■ポイント
3と4の動作の時に腰が反らないように注意しましょう。
体幹の回旋エクササイズ(後面)

■効果
背骨(脊柱)の柔軟性改善、背骨(脊柱)の胸椎の回旋可動域改善、肩甲骨の柔軟性改善
■手順
1.うつ伏せになり右腕を左側に伸ばします。
2.左手を頭に当て肘を肩の高さまで上げます。
3.頭で手を押しながら上半身を捻り肘を天井に向けます。
4.2の姿勢に戻ります。
■セット数目安
2~4を1回として左腕と右腕を入れ替えて、左右10回ずつ行いましょう。
■ポイント
2~4の動作の際に頭が下がらないように注意しましょう。
胸椎伸展エクササイズ

■効果
胸椎の伸展可動域改善、多裂筋の筋力強化、肩甲骨の可動域改善
■手順
1.丸めたバスタオルを縦に置いて、その上に仰向けになります。(タオルの端がみぞおちの裏から首の付け根にあたるようにします。)
2.みぞおちの裏でタオルを押してお尻を床から5センチほど浮かせます。
3.2の姿勢のまま両手を天井に向かってあげます。
4.息を吐きながら両手を耳の横まであげます。
■セット数目安
3〜4の動作を1回として10回行いましょう。
■ポイント
4の動作の時に肘を軽く曲げ肩に力が入らないように注意しましょう。
ハイ・ニーリング・ローテーション

■効果
体幹の安定性改善、股関節の安定性改善、肩甲骨の安定性改善
■手順
1.膝立ち姿勢から右足を一歩前に出します(右膝股関節90度)。
2.左の膝で床を押し右の骨盤を上に引き上げます。
3.左足を軸にして両手を胸の前に伸ばします。
4.左手と右手を一直線になるまで開きながら、身体を左に捻ります。
■セット数目安
3〜4の動作を1回として左膝と右膝を入れ替えて、左右10回ずつ行いましょう。
■ポイント
4の動作の時に腰が反ったり肋骨が開かないように注意しましょう。
まとめ
ゴルフの飛距離アップには、体幹が安定した状態でスイングすることが重要です。現代人に多いデスクワークや下を向いた姿勢は、背骨周りの筋肉が硬くなり、スイングの時に上半身と下半身の運動が連動しづらくなってしまうことで、スイング動作が不安定になり飛距離が伸びにくくなってしまいます。まずは、背骨が動きやすい姿勢を整えるために、今回ご紹介したエクササイズを1つずつ行い、安定した体感づくりを目指して、飛距離アップを目指しましょう。
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