プロに教わる時短お掃除

ベランダ編 Vol.7

仕事に家事に育児と忙しい毎日のなかで、ついつい後回しになってしまいがちなのが、家の掃除。ピカピカの状態をキープするには、どのくらいの頻度で、どのような方法で掃除すればよいのでしょうか。気づいたときにパパっとできて、すぐにきれいになる「時短おそうじ」のコツを、日本清掃収納協会会長の大津たまみさんに教えてもらいました。今回はベランダの掃除方法を紹介します。

教えてくれたのは… 大津たまみさん
日本清掃収納協会会長。年間200本以上の講演のほか、テレビなどで片付けや掃除法を伝えている。(株)アクションパワー取締役会長。(一社)生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。

日ごろのお手入れのコツは?

ベランダをおそうじする上で注意したいのが「汚れのレベル」です。最も落としやすい「レベル1」の汚れは、乾いたほこり。「レベル2」の汚れは、そこに水分を含んだ泥汚れ、「レベル3」は排ガスなど油分を含んだ汚れです。ベランダのおそうじで最初に水を流してしまう人が多いのですが、乾いたほこりを水で濡らし、汚れのレベルを上げてしまうと落とす手間が増えてしまいます。ほこりを落としてから水を流すように注意しましょう。

ベランダの汚れの落とし方

ベランダは土ぼこりや砂ぼこり、排気ガス汚れ、ときには鳥のフンだけでなく、立地によっては、落ち葉が溜まってしまうことも。さまざまな汚れが付着しやすいベランダのお手入れ方法は、乾いた汚れを取り除いた後、水拭きで汚れを落としましょう。
ベランダは、意識しなければ手付かずになりがちな場所です。「1ヶ月に1回」など、周期を決めて定期的なおそうじを心がけましょう。

<用意するもの>
☑ほうき
☑ちりとり
☑デッキブラシ
☑重曹
☑バケツに入れた水
☑菜箸
☑不要になった布
☑輪ゴム(2個)

1. 室外機を乾拭き~水拭きする

まずは、室外機からきれいにしましょう。乾いている汚れは乾いた状態の方が取り除きやすいため、まずは布で乾拭きをしておおまかなほこり汚れを落とします。その後に水拭きをすることで、ほとんどの汚れを落とすことができます。

2.床の掃き掃除をする

床も、乾いている状態でほうきとちりとりでごみを取り除いておきましょう。

3.ドレンホース内部にたまったごみをかきだす

室外機のドレンホースの内部にたまったごみは、菜箸に不要になった布を巻き付け、輪ゴムを2ヶ所に巻いて止めたものでかきだしましょう。ドレンホースの細さに合わせたサイズでつくることがポイントです。

ドレンホースが劣化している場合もあるため、破損しないよう慎重に作業をおこないましょう。

4.ベランダの床をそうじする

乾いたごみを取り除いた床に重曹と水をかけ、デッキブラシでこすり洗いをして、バケツで水を流します。

Before

After

Before

After

水を使えない場合は?

マンションやアパートなどの共同住宅のベランダは共用部です。階下に水が流れて住民トラブルに繋がることもあるため、管理規約により水洗いを禁止しているケースもあります。水を使えない場合は、ちぎって濡らした新聞紙をベランダの床に撒き、ほうきで掃き取りましょう。濡らした新聞紙がホコリや髪の毛などをキャッチし、ほとんどのほこりやごみを除去できます。

<ここがポイント>
1. 汚れのレベルに合わせたおそうじ方法でキレイに
2. デッキブラシでこすって力を加え、汚れを落とす
3. 布を巻いた菜箸でドレンホースの細かい部分の汚れをかきだす
 

窓ガラスの汚れの落とし方

窓ガラスは、お湯で手垢や皮脂の汚れを浮かして落とすようにしましょう。強いアルカリ性の洗剤で拭くと油膜ができてしまい、汚れがとれにくくなることもあります。
おそうじ頻度の目安は3ヶ月に1回程度です。

<用意するもの>
☑バケツに入れた水
☑濡れ雑巾
☑スクイージー(ワイパーのような水切りの道具)
☑マイクロファイバー
☑ペンキ用の刷毛(はけ)
☑ハンディー掃除機
☑ペットボトルに入れた水
☑切り込みを入れたスポンジ
 

1.乾いた汚れを取り除き、水拭きする

窓ガラスの外側の泥やほこりは、乾いた汚れのうちに取り除きましょう。その際、最適なのがペンキなどをぬる硬めの刷毛(はけ)です。これで、汚れをきれいに取り除いてください。刷毛で落ちなかった汚れは、ゆるくしぼった濡れ雑巾でガラス面全体を濡らして水で落とします。

2.スクイージーで水を切る

窓を濡らすことでスクイージーを動かしやすくします。1で濡らした後、窓ガラスを簡単にきれいにできる、スクイージーで水を切りましょう。スクイージーを上手に使うコツは、先端の片側を少し下げ、傾斜した状態で上から下までまっすぐ下ろすこと。水のキレが良くきれいに仕上がります。一列水切りが終わるごとに、スクイージーについた水を拭き取りましょう。

3.マイクロファイバーで水分を拭き取る

最後にスクイージーで取りきれなかった水分をマイクロファイバーで拭き取りながら磨きあげます。

サッシのお手入れ方法は?

窓の開け閉めのたびに汚れが気になるサッシレールは、刷毛でごみを集めながらかきだし、掃除機で乾いた汚れを吸い取りましょう。ペットボトルで水を流し、5分ほど置いてしっかり汚れをふやかします。

その後、サッシレールの幅に合わせてカッターで2ヶ所ほど切り込みを入れた「すじ切りスポンジ」で汚れをふき取りましょう。

<ここがポイント>
1. 窓ガラスを濡らすのは乾いた汚れを取り除いた後
2. スクイージーは片側に傾けながら下に動かして水を切る
3.サッシレールは切り込みを入れたスポンジですっきり

必要なのはこれだけ! ベランダおそうじアイテム

最後に、ベランダ掃除に必要なアイテムのおさらいです。
ほうきとちりとり、デッキブラシ、バケツ、ハンディー掃除機に、隙間掃除のための菜箸、布、輪ゴム2個も用意します。床の汚れは重曹で落とします。直接かけても、スプレーボトルに入れた重曹水を使ってもよいでしょう。窓掃除に使用するペンキ用の刷毛(はけ)は、硬くて密度が高い商品を選びましょう。ホームセンターなどで手に入る、ペンキを塗装する刷毛がおすすめです。濡れ雑巾、スクイージー、マイクロファイバーとともに、サッシレールの掃除用にペットボトルに入れた水と切り込みを入れた「すじ切りスポンジ」も用意しましょう。

ここまで紹介してきた掃除はいずれも、ドラッグストアやスーパーなどで手に入る身近なアイテムでその日から始めることができる簡単な方法ばかりです。きれいな住まいを保つための習慣として、「時短おそうじ」を暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
 

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