プロに教わる時短お掃除

キッチン編① レンジフード Vol.1

仕事に家事に育児と忙しい毎日のなかで、ついつい後回しになってしまいがちなのが、家の掃除。ピカピカの状態をキープするには、どのくらいの頻度で、どのような方法で掃除すればよいのでしょうか。気づいたときにパパっとできて、すぐにきれいになる「時短おそうじ」のコツを、日本清掃収納協会会長の大津たまみさんに教えてもらいました。今回はキッチン編の第1弾として、レンジフードの掃除方法を紹介します。

教えてくれたのは… 大津たまみさん
日本清掃収納協会会長。年間200本以上の講演のほか、テレビなどで片付けや掃除法を伝えている。(株)アクションパワー取締役会長。(一社)生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。
 

まずは「掃除の基本」を押さえよう

まず、掃除全般に対していえることですが、大掃除よりも「中掃除」を心がけましょう。積もり積もった汚れを落とすのは大変なので、日ごろから、こまめな掃除をすることが大切です。
大掃除は年末におこなうのが一般的ですが、実は冬よりも気温が高い夏のほうが、汚れが落ちやすいため、効率よく掃除をすることができます。
 

汚れを上手に落とすコツ

汚れを上手に落としたければ、以下に挙げる洗浄の4要素をコントロールしましょう。

洗浄の4大要素
・洗剤の濃度
・時間
・こする力
・温度

例えば「水よりもお湯を使う」、「時間をかけて洗剤に長くつけおく」といったひと工夫で、汚れ落ちがアップします。

キッチンの日ごろのお手入れのコツ

日ごろキッチンを使用するうえで気を付けたいのは、「油汚れは熱いうちに落とす」ということ。汚れは時間が経つと、こびりついて取れにくくなり、簡単な掃除では落とせなくなってしまいます。特にコンロは使うたび、完全に冷える前に汚れを拭き取る習慣をつけましょう。

レンジフードの汚れの落とし方

レンジフードに付着している茶色の汚れは、酸性の油汚れ。アルカリ性の重曹を使うことで化学反応を起こして中和させ、汚れをスムーズに落とすことができます。
掃除頻度の目安は1ヶ月に1回程度です。掃除することを習慣化して、汚れを蓄積しないようにしましょう。
 

<用意するもの>
☑重曹水(スプレーボトルに水100mlあたり重曹を小さじ1入れ、よく振り混ぜたもの)
☑不要なデニム生地(なければフリース生地)
☑マイクロファイバークロス
☑洗剤ペースト(重曹50g、クエン酸13g、液体石鹸小さじ1/2、水小さじ1を混ぜて
 ペースト状にしたもの)
☑新聞紙
 

1.「重曹水」を外側に吹きつける

「重曹水」をレンジフードの外側に吹きつけ、しっかりと汚れを浮かせます。重曹水の水を40〜42℃のお湯にすると、さらに汚れ落ちがアップします。ただし、放置した油汚れは酸化が進み、塗装を剥がしてしまう性質があります。掃除をすることによって塗装が剥がれないか、目立たない場所で試してから掃除を始めましょう。
 

2.デニム生地などで拭き取り、磨き上げる

5分ほど置き、汚れが浮いてきたら、デニムなど厚手の布を軽く濡らし、ゴシゴシと拭き取ります。デニムの適度な硬さが重曹の研磨作用を高め、生地の凹凸により硬い汚れをかき出すことで、スポンジよりも効果的に汚れを落とすことができます。水拭き後、乾いたマイクロファイバークロスで磨き上げます。

3.内側を掃除するための洗剤ペーストを作る

重曹50gとクエン酸13g、液体石鹸小さじ1/2、水小さじ1を紙コップなどに入れて「洗剤ペースト」を作ります。混ぜ合わせると、泡がモコモコと膨らんできます。

4.内側の汚れに「洗剤ペースト」をつける

レンジフードの内側の汚れに、「洗剤ペースト」をつけます。その際、下に垂れても大丈夫なよう、コンロの上などに新聞紙を敷いておくと安心です。汚れが目立つ部分には、洗剤ペーストをつけた後にキッチンペーパーを湿布するようにすると洗剤の乾きが遅くなり、洗剤の効果を上げることが出来ます。

5.洗剤ペーストと汚れを拭き取る

15分ほど置き、汚れが浮かび上がっているのを確認したら、キッチンペーパーで洗剤ペーストを拭き取りましょう。その後、布で水拭きと乾拭きをしたら完了です。なかなか汚れが落ちない場合は、布などで一度汚れをある程度取り去ってから、もう一度洗剤ペーストをつけ、キッチンペーパーで湿布をしてみましょう。

レンジフードの外観

Before

After

レンジフードの内観

Before

After

<ここがポイント>
1.外側の軽い油汚れは重曹水で落とす
2.内側のなかなか落ちない油汚れは「洗剤ペースト」と「湿布法」で落とす
3.コンロの上に新聞紙を敷いて、液ダレをガード
 

必要なのはこれだけ! レンジフードおそうじアイテム

最後に、レンジフード掃除に必要なアイテムのおさらいです。
重曹とクエン酸、液体石鹸、重曹水を入れるスプレーボトル、デニム生地、マイクロファイバークロス、新聞紙、キッチンペーパーを用意しましょう。マイクロファイバークロスはタオルのような質感のタイプもありますが、メガネ拭きのようなタイプがおすすめです。
 
いかがでしたか? 重曹水と洗剤ペーストを使ったレンジ掃除をぜひ試してみてくださいね。次回の「プロに教わる時短おそうじ」は、キッチン編・第2弾として、ガスコンロの掃除方法を紹介します。
 

PAGE TOP