おすすめ書籍のご紹介

おすすめ書籍のご紹介 Vol.5

生活に取り入れたい『日本文化』

日本人が知っておきたい和のしきたり

「しきたり」から見えてくるもの。それは、日本人が大事にしてきた心。365日の節目を彩る、日本古来の習慣――【人を招き入れる時、なぜ「お上がり下さい」なのか?】【ふすまと障子で培われる“察する力”】【年中行事は家庭の歴史をつむぐもの】【日本には、二十四もの季節が存在する】【室礼(しつらい)という日本発祥の考え方】などを“和文化の専門家”である著者がわかりやすく教えてくれる。年中行事、マナー、伝統文化…原点や意味を知ることで、何げなくやっていた行事や和のしきたりがもっと味わい深く感じられる。

書籍情報
タイトル:日本人が知っておきたい和のしきたり
著者:山本三千子
出版社:三笠書房
価格:¥650+税

ピックアップコラム

春・夏・秋・冬の行事や、七五三・成人式などの通過儀礼、冠婚葬祭のマナー。本書では、これらの「和のしきたり」をひも解くことで、日本人が古来より大事にしてきた“心”を紹介しています。著者は、室礼(しつらい)に精通し、雑誌やテレビ番組などで幅広く活動している山本三千子さんです。

かつて農耕民族だった日本人にとって、天候は人々の生活を左右する、とても重要なものでした。太陽を「お日様」や「お天道様」と呼び、晴れの日には天の神に感謝をし、雨が降らなければ雨乞いをする――「神様とともに生き、生かされているという感謝の心こそが、日本のさまざまな行事を生み出したのではないでしょうか」と、著者は本書で語っています。日本には「八百万(やおよろず)の神」がいるといわれるように、雨や風などの自然現象、山や海をはじめとする自然環境など、さまざまなものの中に“神”の存在を見つめてきました。日本人は、目には見えないものを敬い、大事にしてきたともいえます。

「和のしきたり」は、いまでも日本に伝わり、残っているものもあります。しかし、大事なのは、形式ばかりをなぞるのではなく、一つ一つの行事・習慣に込められた意味や思いを知ることだと、本書は教えてくれます。物があふれ、豊かな時代になったといわれる現代ですが、はたして心は豊かでしょうか?一年の初めにそんなことを改めて考えさせてくれる一冊です。

これを大和言葉で言えますか?

日本独自の言葉である「大和言葉」。すぐに使えるように現代語と対比させ、まとめられた本書は、私たちが普段口にしている日常の言葉を、美しい大和言葉へ変換してくれる。既読スルーは「片便り」、お祝いを言うは「言祝(ことほ)ぐ」、選ばれるは「白羽の矢が立つ」…いつもの言葉を少し変えるだけで、自分への印象が変わるかも。イマドキの若者言葉と思っていたものが、古くからある言葉だったりと、意外と知られていない事実も教えてくれる。古人から受け継いできた美しく味わい深い668語を厳選し、成り立ち、語源などを詳しく解説してくれる。

書籍情報
タイトル:これを大和言葉で言えますか?
著者:知的生活研究所
出版社:青春出版社
価格:¥640+税

ピックアップコラム

いま、私たちが口にしている日常語には、いくつかの種類があります。中国から伝わり、日本語として定着した音読みの「漢語」。中国以外の外国から入ってきた、カタカナの「外来語」。そして、古代からある日本独自の「大和言葉(和語)」です。『これを大和言葉で言えますか?』は、さまざまな現代語を大和言葉に“翻訳”してくれます。

9つのカテゴリーに分かれている本書ですが、共通のテーマは「大和の美しく味わい深い言葉」であること。実際に声に出してみると、大和言葉ならではの、やわらかさ・凛とした強さ・素朴さ・はかなさなどを感じられます。耳なじみのありそうなものでは、「上品で明るい=はんなり」「新鮮=瑞々しい」「夕方=黄昏(たそがれ)」なども大和言葉です。ほかには、「ため口」「シカト」などの若者が使っている言葉が、実は江戸時代からある古い言葉だということが、由来とともに紹介されていたりと、興味深く読み進めることができます。

日常会話やメールのなかで使われていると、ハッとしたり、ドキッとしたり。そんな、日本語の深みや美しさを味わえる大和言葉がいっぱいです。本書を読めば、つい自分も使ってみたくなる、お気に入りの大和言葉に出会えるはず。気に入った方は、男女の恋などにまつわる言葉にスポットを当てた第2弾「男と女編」もぜひ読んでみてください。

子どもと楽しむ にっぽんの歳時記 食と手作り12か月

昔から大切にされてきた日本古来の行事には、子どもと一緒に楽しめるものがたくさん。ところが、何をしたらいいのかわからないという人も多いのでは?本書はそんな日本行事の由来や祝い方、そして行事食の作り方をわかりやすく解説している。春には節分やお花見、夏には端午の節句や七夕、秋にはお盆にお月見、冬には冬至に年越し――。一冊を通して、一年の行事と旬の食事を知ることができる。イベント感覚で気軽にチャレンジすれば、子どもとのなにげない日々の暮らしがもっといとおしくなるはず。


書籍情報

タイトル:子どもと楽しむ にっぽんの歳時記 食と手作り12か月
編者:主婦と生活社
出版社:主婦と生活社
価格:¥1,200+税

ピックアップコラム

旬の食べものや四季の植物、年中行事などをまとめた「歳事記」。近年、人気を集めていることもあり、書店で平積みされているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。『子どもと楽しむにっぽんの歳事記』はタイトルの通り、“子どもと一緒に楽しむこと”を軸に編集されており、内容をイメージしやすい写真やイラストを多用しているのが特長です。

節分のページでは、代表的な「豆まき」以外にも、縁起のいい方角に向かって願い事を思い浮かべながら食べる「恵方巻き」、柊(ひいらぎ)の枝に焼いたイワシの頭を刺して邪気を追い払う「柊イワシ」など、地域によって行う習慣が異なることを紹介。これらは「季節の分かれ目」を意味する節分に、「新しい季節を、不幸や災いなく過ごすことができますように」という願いを込めて行うものなのですが、行事の由来や意味を知っているのといないのとでは、年中行事への取り組み方も変わってくるはず。

雰囲気のある写真とおしゃれなレイアウトに目を奪われがちですが、内容もしっかり実用的。紙のおひなさまのつくり方が簡易な型紙とあわせて載っていたり、浴衣の着付けの方法、旬の素材を使ったレシピなど、盛りだくさんの内容です。月に一度確認して、「来月は何をしようか」と家族で楽しみながら一年をお過ごしください。

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