おすすめ書籍のご紹介

おすすめ書籍のご紹介 Vol.3

楽しく学ぶ『自然・科学』

大人も子どもも夢中になる はじめての宇宙の話

本書は、宇宙が好きだけど「難しくてわからない」「学校で勉強したことは忘れてしまった」と思っている人へ贈る「宇宙入門書」。現在、人間は宇宙のたった5%しか解明できておらず、未だ95%は謎に包まれたまま。そんな宇宙の不思議を、宇宙博士である著者が分かりやすく解説。私たちにもっとも近い月をはじめ、生命がいるかもしれない火星やリングが美しい土星まで、皆が疑問に思うような宇宙の不思議をクローズアップ。また、春夏秋冬の星座や宇宙のはじまりについても分かりやすく説明している。

書籍情報
タイトル:大人も子どもも夢中になる はじめての宇宙の話
著者:佐藤勝彦
出版社:かんき出版
価格:¥1,300+税

ピックアップコラム

科学技術が飛躍した現代でも、全体の95%が未知の世界とされている宇宙。「宇宙はどうやって生まれたの?」「火星には生命が存在しているの?」――そんな不思議がいっぱいの宇宙について、タイトル通り大人も子供も楽しく学ぶことができるのが本書です。著者は、宇宙論の第一人者で、宇宙の起源に関する仮説「インフレーション理論」を提唱した、宇宙物理学者の佐藤勝彦さん。

プロローグ・エピローグを含む全5章からなる本書は、宇宙のさまざまな疑問について答えています。いくつかピックアップすると「太陽はどのようなしくみで燃えているのか?」「昔は月が2つあった?」「火星には運河を作った火星人がいる?」「地球に落下してくる小惑星がある?」「木星や土星の衛星に『海』があるのはなぜ?」「宇宙の『外側』には何があるの?」「宇宙は1つではなく、たくさんある?」など、ワクワクする内容がぎっしり詰まっています。

第1章「宇宙を見てみよう」では、月の満ち欠けの仕組みや、夜空の星の動き方、四季の星座の紹介や一つ一つの星にまつわるエピソードや豆知識などが紹介されています。全編を通して、図やイラストなどでの解説が付いているので、文章だけではわかりづらいこともしっかりイメージできるのが本書のいいところ。宇宙についての好奇心を満たしたい方はもちろん、学校に通うお子さんがいる家庭なら夏休みの自由研究に役立てるのもおすすめです。

ぼくは「しんかい6500」のパイロット

海洋研究開発機構(JAMSTEC)「しんかい6500」チームの潜航長を務めた著者が、地球の神秘に挑むJAMSTECクルーたちの姿を情熱と共に書き下ろした。319回もの潜航体験の中で出会った謎ばかりの深海の光景や驚異の生物たち、恐るべきトラブル、そしてなによりも日本の技術の粋を集めた「しんかい6500」への愛に満ち溢れている。「しんかい6500」と「しんかい2000」で撮影された貴重な写真を多数収録しているほか、本文中のQRコードを読み取ると関連動画を見ることができる盛りだくさんな一冊。

書籍情報
タイトル:ぼくは「しんかい6500」のパイロット
著者:吉梅 剛
出版社:こぶし書房
価格:¥1,800+税

ピックアップコラム

地球上にありながら、宇宙と同じように未解明の部分が多い深海。近年、ユニークなビジュアルの深海生物をフィーチャーした書籍が人気を集めていますが、そんな国内外の深海調査の中核を担っているのが深海潜水調査船「しんかい6500」です。しんかい6500の潜航長を務めた吉梅剛さんによる本書は、計319回にも及ぶ潜航体験での出来事を記録したものです。

しんかい6500のミッションは、巨大地震の発生場所であるプレートなどを調べる「地球内部の動きの解明」をはじめ、厳しい環境で生き抜く深海生物の生態を調べる「生物の進化の解明」、海底に堆積したさまざまな物質中に記録される環境変動の歴史を調べる「熱・物質循環の解明」など。本書では、造船所のある島で育った幼少時代の吉梅さんが潜水船のパイロットになるまでの経緯や、しんかい6500をはじめとする2つの潜水船での潜航記、深海で出会った生きものたちのことなどが、臨場感ある描写でつづられています。

深海での強力な水圧に耐えられる潜水船の構造や、生物や海底の岩石を採取する際の「マニピュレータ」など、しんかい6500の仕組みについての紹介も興味深いですが、特筆すべきは、深海で吉梅さんが目にした景色についての描写。暗闇の海に見える無数の流れ星や、底知れぬ海底の地割れ、そびえ立つ海底山脈など、一つ一つの言葉が、私たちの脳内を地球最後の秘境へと導いてくれます。

学研の図鑑 恐竜の世界

陸上生物として史上最大の繁栄を築きながらも絶滅してしまった恐竜。彼らなぜは巨大化したのか、最古の恐竜はどんな姿をしていたのか、そして鳥類は恐竜の子孫なのか――。恐竜など中生代の爬虫(はちゅう)類、鳥類の研究を専門としているほか、博物館の展示の開発、特別展の企画・監修、書籍・図鑑等の監修などを数多く手がけている監修者のもと、約120種の多様な恐竜とその最新の見方を解説。恐竜たちの多様な姿を追いながら、「なぜ?」の答えが見つかる、コンパクトな入門書。


書籍情報

タイトル:学研の図鑑 恐竜の世界
監修:真鍋 真
出版社:学研教育出版
価格:¥552+税

ピックアップコラム

約2億3000万年前から6600万年前まで、地球上の生物の覇者として繁栄した恐竜。古代生物が持つロマンはいつの世も人を引き付け、恐竜を題材にした書籍や映画などは、これまでにいくつも発表されてきました。それらの作品でわたしたちが目にする恐竜の姿は、学説をもとにした復元図なのですが、日進月歩の研究とともに、その姿がだんだんと変わってきているのをご存知でしたか? 本書では、ここ20年ほどで日々、塗り替えられつつある“恐竜の世界”を紹介。最新の研究結果から、恐竜全般の基礎知識まで知ることができます。

ページをめくり、100種を超す恐竜の復元図や骨や卵の化石の写真を眺めているだけでも楽しめますが、特筆すべきは恐竜の生態について深掘りした記事の数々。恐竜が巨大化した謎や、“鳥類は恐竜の生き残りか否か”という論争についての解説、ティラノサウルスの一部の種類に羽毛が生えていたことは判明したなど、興味深い内容をコンパクトかつ高密度にまとめています。

記事を読んで知識が深まれば深まるほど、復元図や骨格写真などから想像できる情報が増え、子供も大人もより恐竜についての興味がわいてくるはず。価格のリーズナブルさも相まって、恐竜を知る入門書としてピッタリの一冊です。本書を監修している“恐竜博士”こと国立科学博物館の真鍋真さんは、同じ学研から恐竜の本を複数出版・監修しているので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。

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