自分らしく暮らす ワーク&ライフスタイル術

自分らしく暮らす ワーク&ライフスタイル術
Vol.7 タレント・身体美容家 優木まおみさん

「仕事とプライベート、どちらも大切にしたいけれど、バランスが難しい」そんな悩みを持つ人が多いのではないでしょうか?このコラムでは、仕事にまい進するゲストの日々の過ごし方から、暮らしの中で大切にしていることを紐解いていきます。

今回のゲストは、タレントで身体美容家としても活動する優木まおみさん。局アナを目指していた過去から芸能界で一躍有名になった当時の心境、ピラティスとの出合い、そして2人の娘さんを育てるママとしての思いも語ってもらいました。

優木まおみさんプロフィール
1980年生まれ。佐賀県出身。2002年に芸能界デビュー以来、グラビアやキャスター、レポーターなどマルチタレントとして活躍。現在は女性誌のモデルや情報番組のコメンテーターなどを務める傍ら、ピラティスインストラクター資格を取得。オンラインレッスンを開催するなど、活躍の場を広げている。

【WORK】タレントとピラティスの指導、マルチワークを実践

学生時代、キー局のアナウンサーを目指していたことについてお聞かせください

<就活>局アナ試験に敗れ、芸能プロダクションに所属

 

中学生頃から漠然と「アナウンサーになりたい」と考え始め、大学に入学してから真剣に進路を考え始めました。大学3年生のとき、キー局のアナウンサー採用試験に臨み、どの局も最終審査まで残っていたものの、結果は全滅。目標を見失って燃え尽きてしまいました。

その後、生島ヒロシさんの事務所に所属。「アナウンサーではできない仕事もしたい」という思いで、あらゆるオーディションを受けては落ちるを繰り返しました。手あたり次第にチャレンジしている中、24~25歳の時にグラビアの仕事がきました。正直目標としていた仕事ではありませんでしたが「最後のチャンス」だと思いました。当時、タレントとして何とか食べていけるようにはなっていたのですが「今、何の仕事をしているの?」と聞かれるうちは、仕事をしていないのと同じだと感じていたんです。みんなが「〇〇に出てたね」と声をかけてくれるようになってこそだと思い、決死の覚悟で撮影に臨みました。

<ブレイク>グラビアがきっかけで脚光を浴び、多忙を極めた日々

―「エロ賢い」のフレーズが話題となり注目を集めましたが、当時の心境はいかがでしたか?

漫画雑誌の編集部の方が付けてくれたフレーズですね。撮影や収録が増えてひたすらに忙しく「たくさんの人が見ている」という実感が薄いまま、仕事に打ち込んでいました。同時に、26~27歳と遅めのブレイクだったため「この先はどうする?」という思いも常にありました。

結婚後も続けられるような仕事がしたいと考え、女性誌も視野に入れることに。積極的にオーディションを受け始めました。グラビアで良しとされる撮影方法が女性誌では通用せず、慣れるまで2~3年かかりましたね。大変な日は、早朝から午前中いっぱいまで女性誌の撮影をして、ヘトヘトの状態でテレビ局へ行き、深夜まで番組収録。グラビアの撮影もまだやめていなかったので、毎日疲れ切っていました。

ただ、仕事のない期間が長かったため「この状態が一生続く訳ではない」ことに気づいていました。女性誌の撮影は「ここでしっかりと種まきをしよう」という気持ちで臨んでいましたし、当時、積極的に仕事をして培った経験に助けられ、今も仕事を続けることができています。

<結婚・出産>子どもが生まれ、生活も気持ちも180度変化

―結婚や出産を経験し、生活は変わりましたか?

出産の前と後で、考え方も生き方も180度変わりました。独身時代は完璧主義で、自分が頑張りさえすればその場を上手く回せると思っていましたし、周囲の人にも同じことを求めていました。いざ出産をしてみると、誰かに子どもの面倒を見てもらわなければお茶すらできない状況に「なんて無力なんだ」と痛感。人の助けがないと生きていけないことに気づきました。

長女の出産から1年ほど経ち、夜泣き時期を抜けた頃には少し復活したのですが、36歳のとき、次女の妊娠中や産後に身体の衰えを実感し、出産の大変さをまざまざと知りました。心も身体も、「自分で自分のケアをしなければ」と、真剣に考えるようになりましたね。

 

<ピラティスとの出合い>身体のバランスをととのえ、元気に美しく

―そんなタイミングで、ピラティスと出合ったのですね。

はい、次女の産後ですね。ピラティスを始めたきっかけは、近くにスタジオがあったから。深い意味はありませんでしたが、若い頃に行ってみたヨガはゆったりとした動きで、せっかちな私に合いませんでしたし、パーソナルトレーニングも試してみましたが、予定を合わせて通うことが大変で金額も高く、ストイックに理想の身体を目指す心意気もありませんでした。それに対し、ピラティスは整体の要素が強いため、身体のバランスが整い、その結果、元気に美しくなれます。ボディメイクよりも心身ともに「元気になりたい」という思いが強かった私に合っていました。続けていくうちに「ピラティスのことをもっと知りたい」という気持ちが高じてインストラクター資格を取得しました。

2021年3月2日、『忙しいならピラティス以外ぜんぶやめていい』(主婦の友社)を出版

―近著『忙しいならピラティス以外ぜんぶやめていい』は、どのような思いで執筆されたのですか?
 
ピラティスを始めてから代謝が良くなり、自律神経の乱れも改善したんです。そのおかげで、高額なスキンケアに頼らなくても、ボディケアをサボっても、美容面や体調が底上げされました。この経験をもとに「ピラティスを続けることが、実はすべてが時短になる」という話をしたところ、タイトルに採用されました。実際には、ピラティス以外ぜんぶやめて「も」いいくらいです(笑)。
 
<輝き続けるために>芸能の仕事と「身体美容家」の仕事がリンク
 
―ピラティスインストラクターとしての仕事とメディアの仕事、どちらがメインになりそうですか?
 
今後は「ピラティスにより、日々の暮らしがちょっと楽しくなる」ということをもっと広めたいですし、レッスンをするごとに自分の身体もきれいになり、一石二鳥の仕事だと思っています。
 
「芸能人になる」という夢を20代で叶えましたが、継続することは大変です。結婚・出産を経て「現状維持でいい」と思っていては下がる一方ですし、メディアの仕事に固執していると、時間が取られて家庭との両立が保てなくなってしまいます。メディア以外の仕事でも輝けることを目標に活動を続けていますが、最近は「身体美容家」としてテレビでコメントを求められ、仕事をいただく機会が増えました。こうした縁を繋げていきたいです。
 
仕事道具Check

1. iPad:芸能の仕事ですとSNSの更新、身体美容家としてはピラティスレッスンの台本をまとめる時などに使用しています。会社とのメールのやりとりもiPadで行います。
 
2.筆箱: ペンは色分けのため、4~5本程度常備しています。変更があったときに修正しやすいよう、消せるタイプを愛用。消えないペンも時折必要になるため、4色ボールペンも入れています。
 
3.除菌スプレー:「Sanny(サニー)」の除菌スプレーは、ノンアルコールなのでセンシティブな子どもの手などにも使用できます。長時間抗菌効果が持続し、ウイルスからバリアしてくれるそうなので、持ち歩いています。
 
4.リップグロス:マスクをしている時間が増えると、口元のメイクを忘れがち。撮影時など、マスクを外す際、すぐに塗れるように常備しています。今日は「OSAJI(オサジ)」のニュアンスリップグロス05番ですが、その日の気分で使い分けています。
 
5. bluetoothイヤホン:音楽を聴くだけでなく、身体美容家として様々な知識を蓄えるため、分子栄養学の先生の講義やビキンヨガの養成講座などの動画を視聴。勉強をする際に利用しています。教える立場であると同時に生徒として教わることも多く、勉強の日々です。仕事と育児で自分の時間がほとんどないため、移動の合間や子どもが保育園に行っている間など、隙間時間に勉強しています。
 

主に頭の中をまとめたいときに、何でも自由に書けるよう、A5サイズのノートを使用しています。ピラティスインストラクターとしての仕事をするにあたり、目標やグッズ開発について書き留めたり、ピラティスのレッスン内容をまとめたり、YouTubeの配信内容を考えたり、年齢ごとの目標を立てたりと、あらゆることを思うままに書き留めています。
 

「resizestyle」オリジナルのストレッチグッズ「スノーマンボール」を愛用しています。座り仕事が続いたときに便利。腰やお尻の筋肉に転がしながら当ててほぐすと、腰が軽くなります。足の裏を転がしても気持ちがよく、在宅ワークが多い人にもおすすめです。寝転がるとより効果的で、ボールが2個付いているので背骨の間にフィットし、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)をほぐせます。軽いためもち運びにも便利で、新幹線移動の際、バッグに忍ばせておくことが多いです。

【LIFE】時には人の手を借りながら、家事も子育ても楽しく

―夫婦円満の秘訣はありますか?
 
洗濯は夫、料理は私、苦手な掃除は忙しければ代行業の手も借りています。夫婦どちらも働いているのだから、無理に分担制にせず「2人とも苦手なことは代行業に頼ろう」と割り切ることも必要です。子どもを巻き込む方法もアリだと思っていて、我が家では散らかってくると「お掃除タイム」を発動。子どもたちに自分の部屋を掃除させている間に、自分はキッチンを掃除するなど、みんなで楽しくできるように意識しています。
 

―子育てについて日々思っていること、休日の過ごし方を教えてください。
 
夫は土日が休みではない職業ないので、休日はどうしても私のワンオペになってしまいます。以前は、子どもと1対1で向き合うことに「お世話をしている」という気持ちを抱きがちでした。でも、子どもからしたら恩着せがましく、失礼な話ですよね。土日を割り切って楽しみ「意識的にサボる」ようにして、気持ちを切り替えています。子どもの成長とともに会話が楽しくなり、行きたい場所が親子で似てきたので、今まで以上に充実した休日を過ごせています。「休日にパパがいない」と考えるよりも、他の家族と一緒に過ごし、仲間とのコミュニティで子育てをすると考えるようになって、気持ちがラクになりました。
 
―中古物件を購入してリノベーションされたとのこと。現在のお住まいについて教えてください。
 
子どもが2人いるとマンションは手狭で「いずれ一軒家に住みたいね」と話していて、3年ほど前に現在の家に引っ越しました。
お気に入りの場所は、家族が集まるリビング・ダイニングです。私自身が子どもの頃「リビング勉強法」タイプだったため、子どもたちに対しても「部屋で勉強させる」という発想があまりなく「ダイニングテーブル=勉強机」という感覚です。キッチンで後片付けをしながら、子どもたちがダイニングテーブルで作業をしている姿を見守っている時間が好きです。
 

【WORK-LIFEBALANCE】コロナ禍だから生まれた仕事の形

―家事や子育てと仕事を並行して行っていらっしゃいますが、ON と OFF をどのように切り替えしていますか?
 
家のことを完璧にやろうとすると苦しくなってしまうので「家族が平和に回ればいい」と割り切る気持ちが大切だと思っています。時にはシンクに洗い物が溜まったまま外出してしまうことも。
ピラティスのオンラインレッスンを始めてからは、家でも仕事ができるようになり、「家事に追われて仕事をやりきれていない」とネガティブな気持ちに陥らず、心のバランスがとれるようになりました。芸能の仕事は応援してくれる人がいるからこそ成立しますが、直接会う機会がなかなかありません。一方、レッスンでは、生徒さんと直接やりとりをして、体つきの変化を報告してもらったり、感謝の気持ちを伝えてもらったりすることが嬉しく「どちらの仕事もできて良かった」と感じています。
 

―新型コロナウイルスの感染拡大により外出を自粛し、自宅で過ごす日々が続きましたが、家族との向き合い方や仕事に対する考え方に変化はありましたか?
 
最初の緊急事態宣言時、夫の職場が3週間ほど休業になり、私もロケが軒並み中止となりました。毎日を家族で一緒に過ごすことができて、仲が深まった気がします。
仕事面では、ピラティスのオンラインレッスンを始めたことが転機になりました。ピラティスのメソッドを教えるのは対面が基本だと思っていましたので、コロナ禍の生活を経験しなければオンラインレッスンを開くことはなかったと思います。Web会議ツールが一気に浸透したことで新たな道が開けました。 
現在、地方や海外在住の利用者がとても多く「近くにピラティスのスタジオがないので助かっている」と声をかけてもらうことも増えています。新型コロナ問題が収束しても続けたいと思っています。
 

いつも考えているのは、仕事のことと家族のこと。仕事では芸能も、身体美容家としての活動も同じくらい大切です。
子どもが生まれてからは「子育て大変期」と「仕事面白い期」が重なり多忙を極める中、パパが仕事で家を空けがちなのは仕方がないこと。その中で、私自身は子どもと向き合う時間をとれていますが、お出かけはパパ抜きになってしまうことも多いです。子どもはあっという間に成長しますから、パパも含めて一緒に過ごせる時間を、もう少し増やせるといいですね。
 

【End roll】優木まおみさんのマイスタイルとは?

人生チャートからも分かる通り「ひとつの要素について100%まで完璧を求めてしまうと、それ以外の要素は下降するのみ。身体も心も仕事も家庭もバランスに心を配り、それでも下がってしまったときは元に戻す方法を考える」と話す優木さん。「身体も心も仕事も家庭もバランス命」という優木さんの言葉は、仕事と育児を両立している多くの人にとって、共感できる言葉ではないでしょうか。

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