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グリーンカーテンでエコ&クールな夏を

ここ最近、夏になると35℃を超える“猛暑日”が増えている気がしませんか?
そんな中、エアコンによる夏の電力消費を抑える方法として、
つる性植物を使ったグリーンカーテンへの関心が高まっています。
よく茂った緑のカーテンは、夏の日差しが持つ熱エネルギーの約8割をカット(※)
窓だけでなくバルコニーの床に当たる日差しを遮れば、
放射熱や室内への蓄熱が抑えられ、夜の蒸し暑さも和らぎます。
体と地球に優しく、見た目も涼しげなグリーンカーテンで、
真夏を楽しく乗り切りましょう。
※環境省HP「グリーンカーテンプロジェクト」より https://funtoshare.env.go.jp/green/

グリーンカーテンに適している植物

つるが枝分かれして、文字通りカーテンのように平面で作れる植物が適しています。なじみのある植物では、ゴーヤ、アサガオ、ヘチマ、キュウリ、ヒョウタン、フウセンカズラなどがよいでしょう。
色鮮やかな花が咲いて大きな実がなる、パッションフルーツもおすすめです。複数種類の植物を同じネットに絡ませる、“コラボ植え”も人気ですが、ここではゴーヤのカーテン作りをご紹介します。

グリーンカーテンの作り方

準備するもの

  • 深めの大型プランター
  •  写真のサイズはW75cm×H32cm×D32cm
  • 鉢底用軽石
  •  約6リットル
  • 野菜用培養土
  •  元肥入りで今回の場合は約40リットル
  • 液体肥料
  •  「野菜用」と書かれているもの
  • スコップ
  • ネット&支柱3本
  •  縦2本、横1本 ※市販のネットと支柱がセットになっているものが望ましいです
  • 支柱固定用のひも
  •  素材は自由
  • 作業シート
  •  根元がどっしり太く、ぐらついていないものを選びましょう

1.プランターの準備

プランターの底に軽石を敷き詰め、土を入れます。苗ポットを仮置きしてみて、植え付け後にプランターの上端から3cm程度のウォータースペースができるよう、土の高さを調整しておきます。

2.苗の植え付け

ポットから出した苗を置き、周囲に土を入れていきます。時々プランターをコンコンと軽く打ち付けたり、土をつついたりして、土を均等に行き渡らせます。植え付け後はたっぷり水を与えましょう。なお、大型プランターに植え付ける苗は2個までが適当です。

3.プランターの準備

突っ張り棒式の支柱2本を、床と天井にしっかり固定します。次に、残りの支柱用ポール1本にネットの網目をジグザグに通し、床と天井に固定した支柱2本の間、上部に渡して固定します。ネットはピンと強く張り、支柱にひもで結び付けます。ネットの下端にひもを通し、プランターに回して結び付けると、より強く張れるでしょう。ネットの張りが強いほどつるや実が風の影響を受けにくく、うまく成長できます。

4.つるを増やす

小まめに摘心を行うのがコツです。葉が5~6枚出たころ、中心となるつるの先端を脇芽の上で切ります。こうすることで脇芽が伸びて子づるになります。子づるも適当な長さに育ったら再び摘心して、孫づるを育てます。増えたつるは扇のように広げながらネットに誘引していきましょう。
栽培のコツ

水やりは「土の表面が乾いてから」が基本。肥料は元肥にしばらく任せ、実が付いてきたら追肥します。規定通りに薄めた液肥を週に1回程度与えましょう。

こんなときどうする?

実際に育ててみると、さまざまな問題が発生します。
いざというときのための準備をして、安心・安全なグリーンカーテンを楽しみましょう。
 
台風が来る前は?
できればネットごと支柱から外し、地面や床に寝かせましょう。最初からネットの上端を、取り外し可能なポールに取り付けておくと便利です。ネットを取り外せない場合は、支柱に固定するひもやワイヤーを増やしておきます。 プランターも強風で動くことのないよう、重しを乗せるなどして備えましょう。
 
片付ける時期は?
夏の暑さが落ち着き、収穫も終わって葉が黄色くなり始めたら、ネットごと片付けましょう。すっかり枯れるのを待っていると、見た目がよくないだけではなく、バルコニーの排水口に落ち葉が詰まるなど、トラブルの原因になる可能性があります。
 
高層階や風の強い場所で育てるには?
常に強風の吹く場所では、ネットや支柱、プランターの固定に関して特に注意したいものです。高層階のバルコニーでは、できるだけプランターを床に置いて使用しましょう。手すりに掛けて育てた場合、万が一落下すると大事故につながってしまいます。また、強風の続く場所では、土や植物が激しい乾燥にさらされます。水切れには特に注意しましょう。
ライター紹介

當村 まり(とうむら まり)

大阪市生まれ、同志社大学文学部卒業。旅行書からレジャー、大学広報まで幅広く執筆活動を行いながら、近年はハーブ愛好家としても活動中。日本園芸協会指導員(ハーブコーディネーター養成講座担当)、JAISガーデニング学習指導員、JAMHA認定メディカルハーブコーディネーター。京都市在住。

《ご注意ください》

バルコニーは非常時の避難通路としての役割があります。
プランターで避難パネルや避難ハッチを塞ぐことのないよう、避難経路を確保しましょう。
落下の危険のある場所にプランターを設置するのはやめましょう。
枯葉や土を排水口に流すと、排水管詰まりの原因となります。こまめに掃除しましょう。
水やりの際は階下に水が落ちないよう配慮しましょう。
マンションの管理規約、使用規則を遵守してグリーンカーテンを楽しみましょう。

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