不動産売却コラム

公開日:2024.02.29 / 更新日:2024.02.29

相続した不動産を売却する際の税金手続きはどうなる?相続時の注意点を解説!

相続した不動産の売却を検討している場合、手続きに悩むこともあるのではないでしょうか。不動産の相続では、相続人は相続税を払う必要があり、売却の際は相続税以外の税金や諸費用も発生します。

ここでは、相続した不動産を売却するにあたり、押さえておくべき手続きや注意点を解説します。相続した不動産を売りたい方、相続税を安く抑えたい方は、ぜひ参考にしてください。

故人の不動産を売却するには相続人全員の同意が必要

故人が所有していた不動産などの遺産は、遺族が勝手に相続したり、売却・譲渡したりすることはできません。家族間であっても、正式な手順を踏んでいなければ後々トラブルに発展するリスクがあるため、注意してください。

故人の不動産を売却したい場合、まずは不動産を相続する人を決める必要があります。故人の遺産を誰が相続するか決める際、最も優先されるのは故人の遺言書です。

有効な遺言書が遺されていなかった場合は、相続人全員で遺産分割協議を行ないましょう。

すでに遺産分割協議が済んでいて、不動産を相続する人が決まっている場合は、不動産の名義変更(相続登記)をしたのち、売却手続きを進められます。

相続人とは

相続人とは、故人(被相続人)の財産を相続する権利を持つ人で、正式には「法定相続人」と呼びます。法定相続人の範囲や順位、相続の割合は、法律により以下のように定められています。

参照:
国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分

法定相続人を調べる際は、故人の戸籍謄本や除籍謄本をもとに、出生から死亡までの記録の確認が必要です。子どもや親、兄弟姉妹のほか、認知している子どもや養子がいないかなど、相続関係にあたる人を調べたうえで、法定相続人を決定します。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、法定相続人間でどのように遺産を分割するか決める話し合いです。有効な遺言書がある場合は遺言書の内容が優先されるため、遺産分割協議は必要ありません。

遺産分割協議で決まった内容は、法定相続人全員の「署名・捺印」と併せて、「遺産分割協議書」にまとめましょう。

遺産分割協議は、法定相続人全員が直接会って行なう必要はありませんが、全員の同意を得なければならないことがポイントです。

全員の同意を得られず、遺産分割協議書を作成できない場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てるなどの対処が必要となります。

相続登記とは

相続登記とは、不動産の名義を相続人へ変更する所有権移転登記です。遺産分割協議で不動産を相続する人が決まっても、相続登記を行なわずにいると、不動産の所有者は故人のままになってしまいます。

不動産の名義が故人のままだと、売却手続きをスムーズに進められません。

相続登記は、不動産のある地域を管轄する法務局へ申請します。不備なくスムーズに相続登記を済ませたい場合、司法書士へ依頼することも可能です。

不動産を相続すると相続税が発生する

不動産などの遺産を相続すると、遺産の価値に応じた相続税が発生します。

相続税は、相続の発生日(亡くなったことを知った日)から10ヵ月以内に申告し、納税しましょう。相続税の申告や納税が遅れると、本来納めるべき相続税以外に延滞税や加算税が発生するため注意が必要です。

また、相続税は特例を活用することで安く抑えられる場合があります。以下では、相続税の計算方法と、活用できる2つの特例を見ていきましょう。

相続税の計算方法

遺産を相続した際の相続税は、課税対象となる金額に以下の税率をかけて算出されます。

参照:
国税庁「No.4155 相続税の税率

課税対象額は、不動産だけでなく、相続した遺産(預貯金、有価証券、負債など)をすべて合算して算出します。

不動産を相続した場合、土地は路線価をもとに、建物は固定資産税評価額をもとに価値が決まり、売却価格以上の価値が見出されることはありません。

また、プラスの遺産よりもマイナスの遺産のほうが大きい場合や、遺産総額が相続税の基礎控除額を下回る場合は相続税が発生しません。

相続税の基礎控除額は、以下の式で算出されます。法定相続人の数によって、控除される金額が異なることを覚えておきましょう。

相続税の基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

相続税の計算方法を式で表すと、以下のようになります。

相続税=課税対象額×税率
課税対象額=相続した遺産の総額-基礎控除額

(例)
・総額3,000万円の遺産を相続し、法定相続人が1人の場合
3,000万円-3,600万円=-600万円
課税対象となる遺産がないため、相続税はかからない

・総額5,000万円の遺産を相続し、法定相続人が2人いる場合
5,000万円-4,200万円)×10%=80万円

・総額6,000万円の遺産を相続し、法定相続人が3人いる場合
6,000万円-4,800万円)×10%=20万円

遺産を複数の法定相続人で分配する場合は、各々にかかる相続税を一度合算し、相続割合に応じて相続税を按分するなど、計算方法が複雑です。

相続税は国や役所が計算してくれるわけではなく、自己申告制のため、不安があれば相続や税金に詳しい専門家へ相談しましょう。

相続税を抑える特例(1)取得費加算の特例

取得費加算の特例とは、相続した不動産を310ヵ月以内に売却する場合に利用できる特例です。

この特例が適用されると、前所有者が不動産取得にかけた取得費を不動産売却時の譲渡収入から差し引けるため、結果として相続不動産にかかる税金額を抑えられます。

取得費加算の特例の適用要件は、以下のとおりです。

●相続や遺贈により財産を取得していること
●相続税を納めていること
●相続から310ヵ月以内(相続の申告期限から3年以内)に不動産を売却していること

相続税を抑える特例(2)小規模宅地等の特例

小規模宅地の特例とは、相続した土地の評価額を80%または50%まで減額できる特例です。

この特例が適用されると、相続税の対象となる土地の評価額を大幅に引き下げられ、相続税を抑えられます。

小規模宅地の特例の適用要件は、相続前の土地の用途(事業用、居住用)によって細かく規定されているため、適用されるか知りたいときは専門家へ相談してみてください。

相続した不動産を売却する方法

相続した不動産は、相続登記を済ませることで問題なく売却できます。

不動産は預貯金などの現金に比べて分割が難しい遺産ですが、複数人で分割が必要な場合でも、売却することで分割しやすくなるでしょう。

「相続を進めるために不動産の売却が必要」「分割予定はないが相続した不動産を売って現金化したい」といった場合、不動産売却にかかる期間を考慮して、早めに売却手続きを進めることがおすすめです。

一般的に、不動産売却を検討してから売るまでには、6ヵ月程度の期間がかかります。不動産を売却する方法は、次の6ステップです。

1. 不動産仲介会社へ査定を依頼する
不動産仲介会社を調べたり、査定の相談・依頼をしたりします。各不動産仲介会社の対応や査定結果をもとに、売却を依頼したい不動産仲介会社を検討します。

2. 不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
売却を依頼する不動産仲介会社と、媒介契約を締結します。媒介契約には契約内容の異なる種類があるため、どのように売却を進めたいかにより、契約内容も変わります。

3. 売却活動を始める
不動産仲介者が主体となり、不動産の売却活動が進みます。売り主は不動産仲介会社からの報告で売却活動の進捗を確認できます。

4. 買い主と条件交渉をする
購入希望者から値引きなどの条件交渉があれば、不動産仲介会社のアドバイスに沿って条件交渉に応じます。

5. 買い主と売買契約を結ぶ
買い主が決定したら、売り主と買い主の売買契約を締結します。契約当日は、不動産仲介会社が立会うことが一般的です。

6. 決済と引渡しをする
売買契約で取り決めた日程に沿って、不動産の決済と引渡しを行ない、不動産売却は終了です。

なお、不動産売却の流れについては、以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

関連記事:
【不動産売却】マンション売却の流れ・手続きの全6ステップを解説

相続した不動産売却にかかる相続税以外の税金

不動産を売却し、複数人で分割する場合、不動産売却にかかる税金は分割をした法定相続人全員で支払う必要があります。

不動産売却にかかる諸費用は、売却価格の4%~6が目安です。具体的な諸費用としては、以下の費用・税金が挙げられます。

不動産売却にかかる費用(1)印紙税

印紙税は、売買契約書の作成に必要な収入印紙代です。税額は契約金額により異なり、平成2641日から令和6331日までに売買契約書を作成する場合は、軽減税率が適用されます。

参照:
国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

なお、書面ではなく電子契約にて契約を取り交わした場合、収入印紙は不要となるため、印紙代を削減することも可能です。

不動産売却にかかる費用(2)登録免許税

登録免許税は、相続時の名義変更(所有権移転登記)にかかる税金です。

相続時にかかる所有権移転登記の登録免許税は、不動産価額に所定の税率をかけて算出します。土地、建物それぞれで登録免許税を納めましょう。

参照:
国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

不動産売却にかかる費用(3)仲介手数料

仲介手数料は、不動産仲介会社へ支払う成功報酬で、不動産の売買契約が成立した時点で発生します。

仲介手数料は不動産仲介会社によって金額が異なりますが、宅地建物取引業法により上限が定められているため、法外な金額が請求されることはありません。

仲介手数料の上限は、【売却価格×3%+6万円】の計算式で求められます。不動産の売却価格ごとの上限仲介手数料の目安は、下表を参考にしてください。

不動産売却にかかる費用(4)譲渡所得税

相続した不動産を売却して得た所得には、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は不動産を所有した期間により税率が異なり、控除や特例を活用することで税額を抑えられる可能性があります。

譲渡所得税の計算方法や金額については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:
【不動産売却】マンション売却の費用一覧|各種手数料や税金の計算方法を解説

なお、先述のように、相続した不動産を売却して複数人で売却益を分割する場合、各々で譲渡所得税を納める必要があるため、注意しましょう。

不動産売却で得た所得の申告は、不動産を売却した翌年の216日から315日の間に行ないます。

相続した不動産を売却する際の注意点

相続した不動産を売却して現金化したり、相続人全員で分割したりする場合、相続後に必要な手続きを踏み、早めの行動を心がけてください。

以下では、相続した不動産を売却するうえで知っておきたい注意点を解説します。

遺産分割が決定したら忘れずに相続登記をしておく

遺産分割が決定しても、相続登記を忘れていた場合は不動産の売却ができません。相続登記をせずに不動産を放置した場合、他の相続人が持ち分となる土地を勝手に相続登記し、売却してしまうことも可能です。

また、その後何代も相続登記がされないままでいると、管理が困難な不動産となり、いざ売却しようとしたときに多くの時間と労力がかかります。

遺産分割で不動産を相続することになった際は、その不動産の用途が決まっていなくても、速やかに相続登記を済ませましょう。

活用予定がなければ放置せずに早めの売却を検討する

不動産は、マイホームや事務所にしたり、賃貸に出したりとさまざまな活用方法があります。もし、相続した不動産を活用する予定がなければ、放置せずに売却を視野に入れてください。

不動産は所有しているだけで固定資産税などの税金がかかるため、将来的に活用予定がなければ手放すことを検討しましょう。

また、一般的に不動産は、築年数の経過とともに価値が下がります。築年数10年以内と20年以内では、売却価格に1,000万円近い差が出る可能性もあるため、最終的に売却を選ぶならば、できるだけ早いうち行動することが大切です。

先述のように、相続発生から310ヵ月以内の売却ならば特例で税金を抑えられることも、相続した不動産を早く売却するメリットといえます。

相続した不動産の売却なら明和地所へご相談ください

明和地所では、豊富な実績をもとに一人ひとりに合ったアドバイスが可能です。相続した不動産を少しでも高く売りたい、早く売りたいといった希望があれば、まずは不動産のプロへ相談し、不動産の適正な相場を知りましょう。

明和地所では、仲介による売却だけでなく、「即時現金買取」「買取保証」「リースバック」などさまざまな売却手法をお選びいただけます。サービスやサポートが充実しているため、不動産売却が始めての方でも安心して売却を進められるでしょう。

まとめ

相続した不動産を売却したい場合、まずは正しい手順で相続を進める必要があります。相続では、法定相続人は誰なのか、どのように遺産を分割するのかなど、調査や話し合いに多くの時間がかかることもあるため、早めの行動が大事です。また、相続後は必ず相続登記を行ない、売却に支障が出ないようにしてください。

不動産の相続にかかる相続税や、売却にかかる諸費用の計算は、複雑な計算をともなうため、詳しく知りたい場合は専門家へ相談することをおすすめします。

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