不動産売却コラム

公開日:2025.07.16 / 更新日:2025.07.16

不動産売却益にかかる税金をわかりやすく解説|計算方法・節税対策・申告の流れまで

不動産を売却して利益が出た場合、「どれくらい税金がかかるの?」「節税はできる?」「申告はどうするの?」と疑問に思う方も多いはずです。

この記事では、不動産売却益にかかる譲渡所得税の仕組みをわかりやすく解説し、計算方法や節税対策、確定申告の流れまで丁寧にご紹介します。

「なるべく税金を抑えて売却したい」「損をしないための基礎知識を押さえたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

不動産売却益には譲渡所得税がかかる

不動産を売却する際、購入時よりも高く売却ができて利益(譲渡益)が出た場合、譲渡所得税が課税される場合があります。譲渡所得税は、「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3つからなり、税額は不動産の所有期間や売却益の金額によって異なります。

なお、売却益が発生した場合でも、3,000万円の特別控除や10年超所有軽減税率の特例などを適用することで、税額を軽減または免除することが可能です。税金の負担を軽減するには、どのような軽減措置があるのかを知っておくことが重要になります。

売却益が発生しなかった場合は、譲渡所得税はかかりませんが、売却時には以下のような税金も発生します。

売買契約書にかかる「印紙税」
抵当権抹消などの登記で必要な「登録免許税」
仲介手数料にかかる「消費税」

これらは「譲渡所得税」とは別の税金であり、あとで詳しく解説します。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税の計算方法は国税庁が定めており、計算方法を知っておくと不動産売却時に役立ちます。ここでは、譲渡所得税の計算方法をわかりやすく解説します。

譲渡所得税は分離課税

譲渡所得税は、事業所得や給与所得などほかの所得とは別に計算される「分離課税」の扱いとなります。

国税庁は所得を以下のように10種類に分類しており、譲渡所得だけを個別に計算し、確定申告をして納税するのが基本です(申告分離課税)。

1.利子所得
2.配当所得
3.不動産所得
4.事業所得
5.給与所得
6.退職所得
7.山林所得
8.譲渡所得
9.一時所得
10.雑所得

したがって、会社勤めをしている方が不動産を売却して利益が発生した場合は、自分自身で譲渡所得税を計算して、確定申告をする必要があります。自営業の方は、確定申告時に事業所得とは分離して、譲渡所得税の計算が必要です。

分離課税の主なメリットは、ほかの所得と合算されないため、売却益が出たことによって給与所得などにかかる税率が急激に上がることを防げる点にあります。一方で、原則としてほかの
所得との損益通算(損失の相殺)ができないというデメリットもあるため注意が必要です。

譲渡所得の計算方法

不動産を売却して得た利益(譲渡所得)は、次の計算式で算出されます。

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

取得費とは、売却した不動産を取得したときにかかった費用で、不動産の購入代金だけでなく、登記費用や仲介手数料、リフォームなどの費用も含まれます。なお、取得費が不明な場合や実際の取得費が売却価格の5%に満たない場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算することも可能です。

譲渡費用とは、不動産を売却するためにかかった費用を指し、仲介手数料や測量費、売買契約書の印紙税、解体費用、立退料などが該当します。

売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得になりますが、ここからさらに特別控除を差し引いた金額が課税譲渡所得になります。

課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特別控除

例えば、居住用の不動産(マイホーム)を売却した場合は、最大3,000万円の特別控除が適用されるケースもあり、大幅な節税が可能です。

この課税譲渡所得に税率を掛けることで、実際に支払う税額が決まります。

譲渡所得税の税額計算方法

課税譲渡所得に所定の税率を掛けた金額が譲渡所得税の税額となります。

譲渡所得税の税額 = 課税譲渡所得 × 税率

税率は、不動産の所有期間によって、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられ、それぞれ税率が異なります。

不動産を売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば「短期譲渡」となり、税率は39.63%(所得税30%・復興特別所得税0.63%・住民税9%)です。

一方、所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡」となり、税率は20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)と大きく下がります。

さらに、10年超所有軽減税率の特例が適用されると、課税譲渡所得のうち6,000万円以下の部分に14.21%の特別税率が適用され、長期譲渡よりもさらに税率が低くなります。

このように、所有期間によって納める税金が大きく変わるため、売却のタイミングは非常に重要です。短期・長期の違いについては、次の見出しで詳しく解説します。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の違い

不動産の所有期間によって税率が変わるため、譲渡所得税の負担を軽減するには、売却のタイミングが重要になってきます。ここでは、短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いを詳しく解説します。

短期譲渡所得

短期譲渡所得は、不動産を譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合に適用され、税率は39.63%です。

ここで重要になってくるのは、譲渡日ではなく「その年の1月1日時点」で判断されるという点です。例えば、2019年5月に購入した不動産を2024年12月に売却しても、2024年1月1日時点ではまだ5年を経過していないため、短期譲渡扱いになります。ただし、相続や贈与で不動産を取得した場合には、もとの所有者の保有期間を通算できる例外もあります。

短期譲渡所得には高い税率が課せられるため、売却のタイミングを慎重に見極めることが大切です。売却のタイミングが1ヵ月ずれるだけでも、納める税金が大きく変わることがあります。

長期譲渡所得

長期譲渡所得は、不動産を譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている場合に適用され、税率は20.315%です。短期譲渡に比べて税率が低く設定されており、税負担を抑えるうえで大きなメリットがあります。

●短期譲渡所得 税率39.63%
●長期譲渡所得 税率20.315%
●両者の差 19.315%

例えば、2020年3月に取得した不動産を2025年102月に売却する場合、2025年1月1日時点では所有期間が約4年10ヵ月のため短期譲渡となりますが、2026年1月1日以降に売却すれば長期譲渡扱いになります。

このように、あと数ヵ月待てば税率が半分近くに下がることもあるため、特に売却時期が5年の節目に近い場合は慎重な検討が必要です。

不動産売却益の税金対策のポイント

不動産売却益の税金対策には、売却のタイミングを見極めるほかにも有効な対策がいくつかあります。節税のためには、状況に応じた適切な対策を講じることが大切です。ここでは、不動産売却益の税金対策のポイントを解説します。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を活用する

居住用財産(マイホーム)を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円までを控除できる特例があります。この特例を適用すると、譲渡益が出ても控除の範囲内(最大3,000万円まで)であれば課税されません。

ただし、控除を受けるには「住まなくなってから3年目の年末までに売却」「親族への譲渡でないこと」など国税庁が定める要件を満たす必要があります(※)。また、この特例を受けるためには売却した翌年に確定申告が必要です。

(※)国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」

うまく活用すれば非常に大きな節税効果が期待できますが、この3,000万円の特別控除と住宅ローン減税との併用はできません。新たに住宅を購入予定の方は、どちらの制度を使うかを検討しましょう。

10年超所有軽減税率の特例を活用する

10年を超えて所有したマイホームを売却する場合、国税庁が定める一定の条件(※)を満たせば、6,000万円以下の譲渡所得部分について税率が14.21%まで軽減される特例があります。

(※)国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

この特例は、5年超の長期譲渡よりもさらに低い税率が適用されるため、非常に大きな節税効果が期待できます。

さらに、3,000万円特別控除との併用が可能で、課税対象を大きく減らすことが可能です。長期にわたって所有したマイホームを売却する際は、売却前に正確な所有期間と対象要件を確認しておきましょう。

売却時期を調整して税負担を抑える

マイホームを売却する際は、「いつ売るか」によって税負担が大きく変わることがあります。例えば、所有期間が5年以下か超えるかによって、譲渡所得にかかる税率は短期(39.63%)と長期(20.315%)に分かれます。さらに、所有期間が10年超になると、軽減税率の特例(最大14.21%)も適用され、大幅な節税が可能です。

所有期間の満了日は「譲渡した年の1月1日」になるため、年末年始をまたぐだけで節税効果が大きく変わる可能性があります。

また、3,000万円特別控除を適用するには「居住をやめてから3年目の年末まで」に売却する必要があるため、引っ越し後の売却時期にも注意が必要です。

このように、所有期間や居住状況、売買契約のタイミングによって、適用できる特例や控除が変わってくるため、売却時期の調整は非常に重要な節税ポイントとなります。

特定の居住用財産(マイホーム)の買い替え特例を活用する

所有期間と居住期間が10年以上のマイホームを2025年(令和7年)12月31日までに売却し、譲渡した年の前年から翌年の年末までに新居を取得した場合、譲渡益にかかる課税を将来に繰り延べできる「買い替え特例」があります。

この特例を活用すると、当面の税金の支払いを回避でき、手元の資金を新たなマイホームの購入に充てられるという大きなメリットが得られます。

ただし、この特例は厳密には節税対策ではなく、あくまでも「課税の繰り延べ」であり、将来の売却時に譲渡益と合算されて課税されることには注意が必要です。そのため、将来の税負担が重くなる可能性も考慮する必要があります。

また、3,000万円特別控除との併用はできないため、買い替え予定がある場合は、ご自身の状況を総合的に検討し、どちらの制度が有利になるかを比較検討して決めましょう。

取得費と譲渡費用を忘れずに計上する

譲渡所得は「売却価格 −(取得費+譲渡費用)」で計算されるため、取得費や譲渡費用を正しくかつ多く計上することで、課税所得を圧縮できます。

取得費には購入代金だけでなく、不動産取得税や登記費用、購入時の仲介手数料、リフォーム費用なども含まれます。譲渡費用も同様に、売却時の仲介手数料や測量費、建物解体費、立退料、契約書の印紙税などを計上できます。これらを正しく、可能な限り多く計上することで課税対象を減らすことが可能です。

取得費が不明な場合は、税務上においては概算取得費(売却額の5%)での計算もできますが、実際の取得費がわかれば節税効果は大きくなるため、過去の領収書や契約書を探しておきましょう。

相続財産を譲渡した場合の「取得費加算の特例」を活用する

相続や遺贈によって取得した不動産を、相続開始の翌日から3年10ヵ月以内に売却した場合には、支払った相続税の一部を不動産の取得費に加算できる特例があります。取得費が高くなれば、その分譲渡所得が圧縮されて税負担が軽減されます。

「相続開始日の翌日から3年10ヵ月以内」とは、相続税の申告期限(相続開始日の翌日から10ヵ月後)からさらに3年以内に売却を完了する必要があることを意味します。この期限を過ぎると特例は適用できません。

特に、古い不動産や取得費が不明なケースでは、節税効果が高くなります。この特例を利用するには、譲渡対象が相続財産であることなど一定の条件があるため、事前確認が必要です。

空き家を売却した場合の3,000万円特別控除を活用する

相続した空き家を譲渡した場合、条件を満たせば最大3,000万円までの譲渡所得控除を受けられる特例があります。この制度は、昭和56年(1981年)5月31日以前の旧耐震基準で建てられた家屋が対象です。

この特例を受けるには、原則として売却する際に家屋が耐震基準を満たしているか、または家屋を解体して更地として売却する必要があります。

なお、令和6年(2024年)1月1日以後に行う譲渡に限り、売買契約に基づき、買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、その家屋の耐震改修工事または取り壊しを行った場合でも、この特例を適用できるようになりました。

また、令和6年(2024年)1月1日以後に行う譲渡で、被相続人居住用家屋およびその敷地を相続などにより取得した相続人が3人以上いる場合は、控除額が最大2,000万円に制限されます(共有者全体で2,000万円まで)。

この特例を適用するには、相続開始日から3年を経過する年の12月31日までに売却を完了する必要があり、売却計画の策定とタイミングの管理が重要です。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税は、自治体に寄付をすることで実質的な税控除を受けつつ、地域の特産品などの返礼品を受け取れる制度です。寄付額のうち2,000円を超える部分については、所得税からの還付と住民税からの控除というかたちで戻ってきます。

ふるさと納税は譲渡所得税を直接減らすものではありませんが、不動産売却によって一時的に所得が大きく増えた年には、寄付可能な上限額(控除上限)が大幅に上がるのが特長です。売却益が多ければ、数十万円~数百万円単位で寄付が可能になり、複数の自治体に寄付して多くの返礼品を受け取れるチャンスが広がります。

なお、返礼品の内容には制限があり、寄付額の3割程度が上限とされています。また、ふるさと納税を利用した場合は、確定申告によって控除を申請することが必要です。不動産売却で確定申告が必要な年には、あわせてふるさと納税の控除も漏れなく活用しましょう。

譲渡所得税の計算シミュレーション

譲渡所得税は、売却益や所有期間、利用する特例の有無によって大きく左右されます。具体的な負担額を把握するには、シミュレーションを通じた理解が不可欠です。

以下に、代表的な4つのケース(短期・長期・特別控除・取得費加算の特例)をもとに、譲渡所得税の計算例を示します。

所有期間が短期の場合のシミュレーション(5年以下)

不動産の所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として高い税率が適用されます。例えば、購入価格2,000万円の物件を4年間保有し、2,500万円で売却したケースを想定します。取得費や譲渡費用として300万円かかった場合、譲渡所得は以下のとおりです。

譲渡所得:2,500万円 −(2,000万円+300万円)= 200万円

この譲渡所得に対して、短期譲渡の税率(39.63%)が課されます。

税額:約79万2,600円(200万円×39.63%)

短期譲渡では税率が約40%と非常に高いため、税負担が大きくなります。売却のタイミングが5年を超えると大幅に税額が下がるため、可能であれば長期保有を検討するのも一つの方法です。

所有期間が長期の場合のシミュレーション(5年超)

所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得として税率が下がります。同じく、購入価格2,000万円、売却価格2,500万円、取得費と譲渡費用が300万円、所有期間8年のケースを見てみましょう。

譲渡所得:2,500万円 −(2,000万円+300万円)=200万円

長期譲渡の場合の税率は20.315%であり、短期よりも大幅に軽減されます。

税額:約40万6,300円(200万円×20.315%)

このように、所有期間が長期に及ぶと課税額がほぼ半減します。不動産の売却を検討する際は、所有期間の確認が非常に重要です。

なお、このシミュレーションでは所有期間を8年としていますが、自宅(マイホーム)の場合、所有期間が10年を超えると「長期譲渡所得の軽減税率の特例」が適用され、さらに税率が優遇されるケースもあります。

3,000万円の特別控除が使えるケース

自宅を売却する場合、マイホームであることなどの一定の要件を満たせば、最大3,000万円の特別控除を受けられます。例えば、3,000万円で購入した自宅を6年間所有し、4,000万円で売却でき、譲渡費用が500万円かかったとします。

譲渡所得:4,000万円 −(3,000万円+500万円)= 500万円

この場合、所有期間が6年であるため長期譲渡所得に該当しますが、3,000万円の特別控除を適用すると、課税所得は以下のようになります。

課税所得:500万円 − 3,000万円 = 0円

この結果、課税譲渡所得は0円となり、譲渡所得税は発生せず、税額は0円となります。居住用財産の特別控除は非常に強力な節税手段であり、忘れずに活用することが大切です。

取得費加算の特例を使うケース(相続)

相続によって不動産を取得した場合、「取得費加算の特例」を使えば、支払った相続税の一部を取得費に加算できます。取得費が不明な場合には、概算取得費(売却価格の5%)と相続税額を合算して取得費にすることが可能です。(この特例は、相続開始の翌日から3年10ヵ月以内の売却が条件となります)

例えば、取得費が不明で、売却価格が3,000万円、譲渡費用が200万円、相続税500万円のうち300万円を取得費加算に使ったケースだと、譲渡所得は以下のとおりです。

概算取得費:3,000万円 × 5% = 150万円
取得費加算:300万円
合計取得費:150万円 + 300万円 = 450万円

譲渡所得:3,000万円 −(450万円 + 200万円)= 2,350万円

これに長期譲渡の税率を適用(※)すると、税額は以下のようになります。

税額:2,350万円 × 20.315% ≒ 約477万円

取得費加算を適用しなかった場合、概算取得費(150万円)のみで計算されるため、譲渡所得は2,650万円となり、税額は約538万円となります。加算特例を使うことで、約61万円もの節税が可能です。

(※)相続や遺贈によって取得した不動産の場合、その不動産の所有期間は被相続人(亡くなった方)が取得した日から計算されます。そのため、相続人が短期間で売却しても、被相続人の所有期間が5年を超えていれば、長期譲渡所得の税率が適用されることになります。

不動産売却でかかるその他の費用・税金

不動産を売却する際には、譲渡所得税以外にもさまざまな費用や税金が発生します。ここでは、印紙税・登録免許税・仲介手数料にかかる消費税・法人税といった、売却時に注意すべき主なコストについて解説します。

印紙税

不動産の売買契約書には「印紙税」が課されます。印紙税は、契約書に記載された金額に応じて税額が決まり、契約書1通ごとに収入印紙を貼付して納税する仕組みです。

例えば、売買価格が1,000万円超〜5,000万円以下の場合は1万円の印紙税がかかります。本則税額は2万円ですが、2027年(令和9年)3月31日までは軽減税率が適用され、1万円に軽減されます。

その他の売買価格についての印紙税の額は、国税庁のサイトをご参照ください。

国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」

収入印紙は、契約書に貼ったあと「割印」をすることで正式に効力が発生します。印紙税を納めなかったり、誤った金額を貼付したりした場合は過怠税が課されることがあるため注意が必要です。

登録免許税

不動産売却に伴って行う「所有権移転登記」には、登録免許税が発生します。所有権移転登記の登録免許税は、不動産の固定資産税評価額に税率(2026年(令和8年)3月31日までは1.5%)を掛けて算出されます。通常、この登記は買主が行い、税金も買主が負担するケースが一般的です。

しかし、売主側で抵当権の抹消などが必要な場合は、その登記に伴う登録免許税を売主が負担します。例えば、抵当権の抹消登記には土地・建物それぞれ1件につき1,000円の登録免許税の納付が必要です。

登記は法務局に赴いて申請する必要があり、専門知識を要し複雑なため、通常は司法書士に依頼して行います。司法書士の報酬は自由裁量であり、特に決まりはありませんが、1万円から数万円程度が相場となることが多いでしょう。

仲介手数料にかかる消費税

不動産会社に仲介を依頼して売却する場合、仲介手数料がかかりますが、この手数料には消費税が課税されます。

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で定められています。売却価格が400万円を超える場合、売却額×3%+6万円が上限額(※)です。

例えば、売却価格が2,000万円の場合だと、仲介手数料の上限は以下のとおりです。

仲介手数料:2,000万円 × 3% + 6万円 = 66万円

この66万円に10%の消費税が課されるため、仲介手数料にかかる消費税の金額は6万6,000円になります。不動産会社との契約時には、仲介手数料に消費税が別途かかることを念頭に置いておきましょう。

(※)2024年(令和6年)7月1日以降、売買価格が800万円以下の低廉な空き家などを売却する場合、国土交通省の告示による特例措置が設けられました。

この特例は、通常の計算式で算出した仲介手数料が業務に見合わない場合に、売主と買主の合意があれば、別途、現地調査等に要する費用相当額を報酬に加算できるというものです。

これにより、仲介手数料の上限は原則として30万円(税抜)とされ、消費税を加えて合計33万円(税込)まで請求が可能となります。これは、特に低価格帯の不動産の流通促進を目的としています。

不動産売却時の税金、いつ・どうやって払う?

不動産を売却すると、さまざまな税金が発生します。しかし、これらの税金は売却時にすぐ支払うわけではありません。ここでは、不動産売却に伴う税金が「いつ」「どのように」支払われるのかを、初心者にもわかりやすく解説します。

税金を払うタイミングと方法

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その場で税金が引かれることはありません。
税金は、翌年に「確定申告」を行ったあと、納税通知に基づいて支払うことになります。

譲渡所得にかかる所得税は、確定申告をした年の3月中に一括で納付するのが一般的です。住民税については、申告内容をもとに市区町村が計算し、6月頃に納税通知書が届いてからの支払い
となります。分割払いや延納は原則として認められていないため、事前に資金を用意しておくことが必要です。

また、譲渡所得税以外にも、次のようなタイミングで支払いが発生します。

それぞれ、税の種類や支払いの場面が異なるので注意が必要です。

確定申告の流れと必要書類

不動産を売却して譲渡益(利益)が出た場合は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。これは会社員や年金受給者でも同様で、譲渡所得がある人全員が対象になります。

申告には、以下のような書類が必要です。

確定申告が初めての方は、税務署で相談(無料)を受けるか、税理士に依頼するのもおすすめです。e-Tax(電子申告)を使えば自宅から申告も可能ですが、不安な場合は税務署や税理士、売却を依頼した不動産会社などに相談しましょう。

不動産売却はプロと一緒に、賢く・安心な取引を

不動産売却に伴う税金は、計算方法から申告、節税対策に至るまで、専門的な知識が求められます。自己判断で進めてしまうと、「思わぬ税金が発生した」「申告ミスで、あとから困った」といったトラブルにつながりかねません。

不動産売却は、ぜひ明和地所にご相談ください。豊富な実績と経験を持つスタッフが、税金に関する不安や疑問にも丁寧に対応し、お客様の状況に合わせた最適な売却をサポートします。

「この特例は使えるの?」「税金はいつまでに準備すればいい?」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。どうぞお気軽にご相談ください。

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