不動産売却コラム

公開日:2024.02.02 / 更新日:2024.02.02

マンションの固定資産税額に目安はある?築年数ごとの税額や軽減措置を解説

不動産を所有すると、毎年固定資産税がかかります。マンションを所有し、毎年かかる固定資産税額が知りたいという方は、本記事を参考に固定資産税額を計算してみてください。

ここでは、固定資産税の計算方法や、マンションの固定資産税を安くする軽減措置、築年数別の固定資産税額の目安を解説します。

マンションの固定資産税とは

固定資産税とは、11日時点で土地や建物などの固定資産を所有する人が、固定資産のある市区町村に納める税金です。マンションの固定資産税は、マンションを所有するオーナーに課税されるもので、賃貸で住んでいる人には課税されません。

一般的に、マンションの固定資産税額の目安は10万円~30万円です。固定資産税額はマンションの築年数や専有面積のほか、設備の質や数、大きさなどさまざまな条件によって変わります。

そのため、同じ間取りや構造のマンションでも、部屋によって固定資産税が異なることは珍しくありません。リフォームや改修工事によりその物件の価値が上がったと判断されれば固定資産税が見直され、以前より税額が高くなる場合もあります。

固定資産税の計算方法

固定資産税額は、固定資産税評価額に市区町村が定める税率をかけて算出可能です。税率は自治体により異なりますが、一般的には標準税率の1.4が採用されています。固定資産税額を計算式に表すと、以下のとおりです。

固定資産税=固定資産税評価額×標準税率(1.4%)

固定資産税評価額とは、固定資産税の対象となる土地や建物の価値を表した金額のことで、「固定資産評価基準」に則って、各市区町村が3年ごとに見直し・決定します。

固定資産税評価額はさまざまな条件により変動しますが、目安を知りたい場合は以下を参考に計算してみましょう。

・土地の固定資産税評価額
時価公示価格の7割程度

・建物の固定資産税評価額
建築費の5割~7割程度

マンションの固定資産税評価額や固定資産税額を正確に知りたい場合は、市区町村から毎年送付される固定資産税の納税通知書を確認してください。

なお、建物部分は築年数の経過にともなって経年劣化するため、固定資産税評価額も築年数の経過とともに減額されることが一般的です。リフォームなどを行なわずにマンションに住み続ける場合は、年数とともに固定資産税額も下がっていくでしょう。

マンションの固定資産税を減額する軽減措置とは

マンション固定資産税額を減額できる軽減措置には、以下の4つがあります。所有するマンションの固定資産税に、どのような軽減措置が適用されるのか知っておきましょう。

住宅用地の軽減措置

課税対象となる土地の固定資産評価額が減額される特例です。住宅用地の特例が適用されると、実際の評価額よりも課税対象となる金額が低くなり、固定資産税が抑えられます。住宅用地の軽減措置が適用される条件と、軽減内容は以下のとおりです。

新築マンションの軽減措置

2024331日までに建てられた新築住宅の、固定資産税額を減額できる措置です。新築マンションにおける軽減措置の適用条件と、軽減内容は以下のとおりです。

長期優良住宅の軽減措置

新築マンションで、かつ長期優良住宅の場合は、さらなる軽減措置が適用されます。長期優良住宅の軽減措置が適用される条件と、軽減内容は以下のとおりです。

タワーマンションの例外措置

高さ60メートル以上のタワーマンションにおいて、低層階の固定資産税を高層階より低く補正する例外措置です。ただし、201741日以降に売買契約されたタワーマンションのみが対象となります。

マンションの固定資産税額|築年数ごとの目安

マンションの一般的な固定資産税額が10万円~30万円になることは先述のとおりですが、築年数別で見るとマンションの固定資産税額にはどれほどの違いがあるのでしょうか。

築年数の経過とともに減額される部分は、建物の固定資産税評価額です。例として、東京都では、建物の経年劣化にともなって減額する固定資産税評価額の幅(経年減価補正率)を以下のように設定しています。

参照:東京法務局「経年減価補正率表(非木造建物減価補正率)」

減価率を見ると、建物の固定資産税評価額は築5年では約15%、築10年で30%近く減額することがわかります。

以下では、これを用いてマンションの固定資産税額の目安を築年数別に見ていきましょう。

算出条件は例として「小規模住宅用地にある専有面積80平方メートル、土地評価額2,000万円、建物評価額900万円のマンション」とします。

新築マンション

土地部分は住宅用地の特例が適用されるため1/6をかけ、建物部分は新築マンションの特例が適用されるため、築5年までは1/2をかけて計算します。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×1.4%×1/263,000円
固定資産税額=109,600円
100円未満切捨て)

中古マンション(築6年)

6年になると、建物部分の軽減期間が終了するため、6年後の減価率「0.8335」を用いて固定資産税額を計算します。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.8335×1.4%×=105,000円
固定資産税額=151,600円
100円未満切捨て)

新築マンションの特例が終了したことで、新築時と比べると、固定資産税は42,000円高い計算です。

中古マンション(築10年)

10年後の減価率「0.7397」を用いて、築10年のマンションの固定資産税額を計算すると、以下のようになります。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.7397×1.4%×=93,200円
固定資産税額=139,800円
100円未満切捨て)

中古マンション(築20年)

20年後の減価率「0.5054」を用いて、築20年のマンションの固定資産税額を計算すると、以下のようになります。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.5054×1.4%×=63,600円
固定資産税額=11200円
100円未満切捨て)

中古マンション(築30年)

30年後の減価率「0.3059」を用いて、築30年のマンションの固定資産税額を計算すると、以下のようになります。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.3059×1.4%×=38,500円
固定資産税額=85,100円
100円未満切捨て)

中古マンション(築40年)

40年後の減価率「0.2089」を用いて、築40年のマンションの固定資産税額を計算すると、以下のようになります。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.2089×1.4%×=26,300円
固定資産税額=72,900円
100円未満切捨て)

中古マンション(築45年以上)

45年後の減価率「0.2000」を用いて、築45年以上のマンションの固定資産税額を計算すると、以下のようになります。

土地:2,000万円×1.4%×1/646,600円
建物:900万円×0.2000×1.4%×=25,200円
固定資産税額=71,800円
100円未満切捨て)

例に挙げた算出条件(※)で新築マンション、中古マンションの固定資産税額を築年数別にまとめると、以下のような違いがあります。

(※)算出条件:小規模住宅用地にある専有面積80平方メートル、土地評価額2,000万円、建物評価額900万円のマンション

マンションの固定資産税と一緒にかかる都市計画税とは?

都市計画税とは、市街化区域※で土地の区画整理や都市の開発(道路建設、上下水道や公園の整備など)のために徴収される税金のことです。市街化区域に土地や建物を所有する人に納税義務があり、税額は固定資産税評価額に標準税率の0.3%をかけて算出されます。

※市街化区域とは、すでに市街地を形成している地域及びおおむね10年以内に、優先的かつ計画的に市街化を図るべき地域のことです。

都市計画税は固定資産税評価額をもとに算出されることから、固定資産税と同様に、経年によって税額が下がっていきます。

都市計画税は固定資産税と合算して納税する必要があるため、都市計画税がかかる地域では、そうでない地域に比べて支払う税金が増えます。

都市計画税の軽減措置

都市計画税がかかる市街化区域のマンションでは、土地にのみ、軽減措置が適用される場合があります。都市計画税の軽減措置の適用条件と軽減内容は、以下のとおりです。

マンションの固定資産税にまつわるQ&A

ここからは、マンションの固定資産税に関するよくある疑問を解説します。

Q.マンションの固定資産税の支払いはいつ?

自治体によって固定資産税の納付期限は異なりますが、基本的には1年分の税金を年4回に分けて納付します。1回目の納付時期(46月頃)になると、自治体から固定資産税の納税通知書が送付され、4回分の納付用紙が同封されています。

多くの自治体では、「6月、9月、12月、翌年2月」にそれぞれ納付期限が定められていますが、詳しく知りたい場合は該当の自治体へ問い合わせましょう。

Q.購入を検討している中古マンションの固定資産税額を知る方法は?

中古マンションの場合、自治体が作成する課税台帳(固定資産税評価額が記載されている台帳)を見れば、固定資産税額の計算が可能です。

ただし、自治体の課税台帳を閲覧できるのは該当する固定資産税の納税義務がある人や、関係者などに限られます。詳しく知りたい場合は、物件を管理する不動産仲介会社に問い合わせると、前年度の固定資産税額を確認してもらえることがあります。

まとめ

マンションの固定資産税額は10万円~30万円が目安です。新築から築5年までは軽減措置により固定資産税が低く抑えられるケースが多いですが、築6年以降しばらくは、固定資産税が新築時よりも高くなります。

固定資産税は、不動産を所有する限り必ずかかる税金のため、マンション購入を検討する際は、忘れずに資金計画に盛り込みましょう。

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