公開日:2023.12.21 / 更新日:2023.12.28
マンションの資産価値とは?調べ方や価値ある物件を選ぶためのポイントを解説!
「マンションを購入するなら資産価値の高い物件を」というアドバイスを耳にしたことがある方も多いでしょう。マンションの資産価値とは具体的に何の金額のことで、またどのような観点から評価されるのでしょうか。
本記事では、マンションの売却や購入を検討している方に向けて、価値ある物件を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
所有するマンションの資産価値を自分で調べる方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
マンションの資産価値とは?
マンションの資産価値とは、そのマンションの財産としての価値を表す具体的な金額のことです。マンションの価格には土地価格と建物価格が含まれるため、土地の資産価値と建物の資産価値を合計したものがマンションの資産価値となります。
マンションの資産価値は「売却価値」と「収益価値」の2つから決まります。売却価値と収益価値の中身について詳しく見ていきましょう。
売却価値
売却価値とは、実際に売却した際に決まる価値のことです。かつては、マイホームというと一生に一度の買い物といわれていたこともありました。しかし、昨今では、ライフステージに合わせてマンションの住み替えを検討する人も増えています。住み替えを前提とした場合には、「いざ売るとなったときにいくらで売れるのか」も重要な購入ポイントの一つになります。
一般的に、築年数の古い建物の売却価値は下がります。しかし、鉄筋コンクリート造のマンションは、木造一戸建と比べて耐用年数が長いため、築年数が古くても売却価値が見込めるケースも少なくありません。
購入価格以上の金額で売れた場合には、住みながら同時に資産も増やせたことになり、価値が高いといえます。
収益価値
収益価値とは、毎月の家賃収入により得られる価値のことです。マンションの場合、高い家賃で貸し出せる分譲マンションは、収益価値が高く、資産価値があるといえます。さらに、立地などの条件が良く、今借りている人が退居してもすぐに新しい借り手が見つかるようなマンションであれば、安定的に収益を得られるでしょう。
家賃収入は退職後の収入源にもなり、収入見込みも比較的立ちやすいという利点があります。現役世代のうちに高い収益価値が期待できるマンションに投資しておくことは、将来の老後資金を補填する方法の一つになり得ます。
資産価値が高いマンションの特徴
購入希望者や借り手が多いマンションほど、所有者はより有利な条件で売却したり、貸し出したりできます。すなわち、マンションの資産価値は需要と供給のバランスによって決まるところが多く、市場のニーズを満たすマンションほど資産価値が高いといえます。
資産価値が高いマンションに共通する条件は、大きく「立地が良い」「日当たりや眺望が良い」「需要の高い間取り」の3つが挙げられます。具体的なポイントについて解説しますので、マンションの売却や購入を検討している方はぜひチェックしてみてください。
立地が良い
立地条件は後から変更がきかないため、資産価値を考えるうえで最重要といえます。
立地条件の良さは、次の5つの要素を満たしているかどうかで決まります。
● 物件があるエリア自体に人気がある
● 交通アクセスが良い
● 人口が多い
● 周辺施設が豊富
● 治安が良い
まず、エリアですが、ブランドが確立されている高級住宅地や、積極的に街を開発していて今後も発展が見込まれるエリアは人気があります。昨今では、地震や水害、土砂崩れなどの災害リスクが低いエリアかどうかを気にする人も増えています。子どもがいる人では、学区も気になるでしょう。これらの条件を満たすエリアは、当然分譲価格が高めですが、資産価値も下がりにくいといえます。
次に、交通の利便性の良さもマンションの資産価値を大きく左右します。最も重要な要素は駅から徒歩圏内であることです。多くの人が駅から近い立地を理想としています。この他、物件の最寄りが主要駅である、乗り継ぎが楽、バス停が近いといった点もポイントになるでしょう。
人口が多いかどうかも重要です。人口が多い、人口が増加傾向にあることは、つまりその街に住みたいという人が多いということです。マンションを売る・貸すとなった場合にも大きな反響が期待できます。
周辺施設の充実度によってもマンションの資産価値は上下します。例えば、近くに大型スーパーやコンビニ、病院、銀行、飲食店などの施設があると、マンションの資産価値は高まります。反対に、たとえ人気のエリアでも、近場に何もないようなマンションでは、生活しにくいと思われて、資産価値は下がってしまうでしょう。生活に必要な施設は、マンションに住む人の年齢や家族構成、ライフスタイルによっても変わってきます。
最後に、治安の良さもマンションの資産価値に直結する要素です。治安の悪い地域では、犯罪に巻き込まれたり、近隣住民との間でトラブルが起きやすかったりするためです。特に、女性や小さな子どもがいる家庭では、できるだけ治安の良いところに住みたいと思うものでしょう。また、繁華街が近いエリアのように、日中は問題なくても夜になると雰囲気が一変するような場所も敬遠されがちです。その点、昼だけでなく夜も安全に過ごしやすいエリアにあるマンションは買い主や借り手にとって安心でしょう。
日当たりや眺望が良い
日当たりや眺望の良いマンションは根強い人気があります。日当たりの良さについては、南向き、東向き、西向き、北向きの順番に資産価値が高くなる傾向が見られます。
ただし、日当たりや眺望は、周囲にある建物の影響を受ける点には注意しなくてはなりません。すなわち、「この日当たりや眺望が今後も続くのか、あるいは将来的に変わるリスクがあるのか」によって、マンションの資産価値に大きな差が付きます。
例えば、周辺に新たに背の高いビルやマンションが建築されると、低階層では一気に日当たりが悪くなる可能性があるため、一般的に高層階であるほど資産価値が高くなります。
物件そのものについて資産価値の面で有利なのは、周辺環境がこの先も変わりにくいマンションです。例えば、目の前が川である、市が運営する公園に隣接しているといったマンションの場合は、この先も日当たりや眺望が変わらない可能性が高いため、資産価値を高く保てる可能性が高いでしょう。第一種低層住居専用地域など、絶対高さ制限がある地域内のマンションも高い資産価値を保ちやすいです。
反対に、近くに空き地や広めの駐車場がある場合には、将来的に日当たりや眺望が変わるリスクがあると考えられるため、資産価値にも影響します。
需要が高い間取り
需要が高い間取りであることもマンションの資産価値を高めます。特に、広さはマンションの価格に直結する要素であり、専有面積が広くなればなるほど、物件の価格も上がります。ただし、必ずしも広い=資産価値が高いというわけではなく、そのエリアに住む層のニーズにマッチする間取りかという点がポイントです。
例えば、ファミリータイプの間取りは、単身者が多いエリアでは需要が低いでしょう。価格が高い点でも敬遠されてしまい、買い主や借り手が見つからず、資産価値が下がる可能性が否定できません。
将来の売却や投資を考えてマンションを購入するのであれば、エリアを代表する層のニーズが高い間取りにしておくのが賢明です。さらに、ファミリー向けであっても、少子化の影響で部屋数の多さよりもリビングが広い間取りを好む家族が増えているなど、昨今のトレンドも押さえておきましょう。
資産価値が高いマンションを選ぶためのポイント
資産価値が高いマンションを選ぶためには、資産価値が高い条件がそろっているだけでなく、資産価値を下げる要因が少ないマンションを選ぶことも重要です。
また、一般的にマンションの資産価値は新築時が最も高く、徐々に下落していきますが、一定の割合で下がっていくわけではありません。急に価値が下がるタイミングがあります。
資産価値が高いマンションを選ぶためのポイントは、「築年数」と「管理状態」の2つに注目しましょう。
築年数を考慮する
まず、築年数が法定耐用年数に近づくにつれて、マンションの価格は下落します。鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。築年数が古いマンションの場合は、1981年から施行された「新耐震基準」を満たすかどうかも重要です。法定耐用年数以内でも、1981年以前に建築されたマンションは敬遠されやすく、資産価値の面では不利です。
加えて、マンションの築年数と資産価値の関係には、一定のサイクルで実施される大規模修繕も影響します。一般的に、マンションでは築15年以上20年程度で外壁や設備の劣化が進行し、最初の大規模修繕が行なわれます。修繕積立金の値上がりなど、売り主にとって不利な条件が増えるため、マンションの売却価格も下がってしまうのです。つまり、築10年と築20年ではマンションの資産価値に大きな差が生じることを知っておきましょう。
ただし、人気のあるエリアの場合は、築20年以上などの古い物件でも資産価値がさほど下がらない場合もあります。
管理状態を確認する
マンションの場合は、管理状態も資産価値に影響します。日頃の管理状況や修繕の有無によって、同じ築年数でもマンションの状態は大きく異なるためです。
中古マンションを購入する場合には、室内の状態だけでなく、共用部分の使用状況や管理状況のチェックも不可欠です。具体的には、共用エントランスや廊下、エレベーター、駐車場などの共用部分が清潔に保たれているか、外壁や設備の劣化が放置されていないかを確認しましょう。管理の質が高いことは、管理組合が適切に運営されていることの証であり、資産価値も保たれやすいといえます。
また、長期修繕計画に対して積立金が不足していないか、住人のなかに滞納者はいないかといった点も重要です。これらの情報は不動産仲介会社を通じて開示してもらうことが可能ですので、購入前には必ずチェックしておきましょう。
マンションの資産価値を自分で調べる方法
マンションの資産価値は自分でも調べられます。ここからは、マンションの資産価値の調べ方を解説します。
マンションの資産価値を自分で調べる方法には、「類似条件の取引事例と照らし合わせる」「公的な価格を参考にする」という2つのやり方があり、どちらも比較的簡単です。
それぞれの具体的な調べ方を解説しますので、やりやすい方法で調べてみましょう。
条件が似たマンションの取引事例と照らし合わせる
条件が似たマンションの取引事例を照らし合わせることで、マンションのおおよその資産価値を把握できます。過去の取引事例は以下の2つのサイトを使って調べられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
1つ目は、国土交通省の「土地総合情報システム」です。サイト内の不動産取引価格情報検索では、エリアなどの条件を絞って、過去に取引された中古マンションの価格、当該物件の間取りや駅からの距離などを閲覧できます。
国土交通省:土地総合情報システム
2つ目は、「レインズ・マーケット・インフォメーション」です。レインズ自体は、国土交通大臣から指定を受けている不動産流通機構が運営するシステムで、登録会員である不動産会社しか利用できません。レインズ・マーケット・インフォメーションは一般の人も利用できるサイトであり、レインズが保有する実際に売買が行なわれた物件の成約価格などの取引情報を閲覧できます。
レインズ・マーケット・インフォメーション
ただし、いずれも物件の特定まではできません。詳細情報については不動産仲介会社経由で入手する必要があります。
公的な価格を参考にする
公的な土地の価格を参考にすることも有効です。公的な価格には、「公示価格」や「路線価」などがあります。公示価格と路線価はいずれも公的機関が公表する土地の価格ですが、所轄官庁と内容が異なりますので、簡単に違いを整理しておきましょう。
公示価格とは、一般の土地取引価格の指標となるもので、毎年3月に国土交通省が発表します。公示価格を1.1倍~1.2倍した価格が実際に売買される実勢価格になるとされていいますので、時価の概算に使ってみるとよいでしょう。
路線価とは、相続税や贈与税の算定基準になるものです。公示価格の80%程度になるように設定されており、国税庁が毎年7月に発表します。
この他、所有するマンションの資産価値を調べるなら固定資産税評価額も参考にできます。固定資産税評価額は各市町村が個別に決定するもので、公示価格の70%を目安に、3年に一度見直されます。
マンションの資産価値を正しく知るなら明和地所へご相談ください
マンションの資産価値は公的な情報を活用することで、ある程度自分でも調べることができます。ただし、周辺に似た条件のマンションがなく、資産価値を把握しづらい場合には、マンション売却を得意とする不動産仲介会社へ相談することをおすすめします。
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まとめ
マンションの売買で損をしないためには、資産価値に注目することが重要です。資産価値が高いマンションには、大きく「立地が良い」「日当たりや眺望が良い」「需要が高い間取り」という特徴があります。また、マンションの場合は管理状態も資産価値に大きく影響します。
これからマンションを購入される方は、今回紹介したポイントを参考にして、資産価値が高く、またその価値を長く維持できそうな物件を吟味するとよいでしょう。
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