公開日:2023.12.12 / 更新日:2024.04.30
【不動産査定】匿名査定のメリット・デメリットや利用の流れを解説

近年は、少ない情報で手軽に査定を依頼できる「匿名査定」を行なう不動産仲介会社も増えてきました。不動産売却を検討していて、「個人情報を伝えずに査定を依頼したい」「簡単に査定結果を知りたい」と考えている方は、インターネットで匿名査定を利用してはいかがでしょうか。
本記事では、不動産の匿名査定を利用するメリットやデメリット、おすすめの活用方法について解説します。一括査定との違いや匿名査定利用時の流れにも触れているため、不動産査定を依頼しようと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
不動産査定の匿名査定とは

匿名査定とは、氏名や住所などの個人情報を伝えずに無料で不動産の査定依頼ができるサービスのことです。
主に不動産仲介会社のホームページや不動産ポータルサイトから利用でき、査定結果はその場もしくは後日メールで知らされます。
簡単な不動産情報とメールアドレスの入力で利用できる場合が多いため、不動産関連の書類が手元になくても査定を依頼できるでしょう。
匿名査定を依頼する際は、最低限の情報として、以下のような不動産情報を入力します。
●物件種別
●所在地
●面積
●間取り
●築年数
不動産の匿名査定を依頼するメリット

個人情報の入力なしで手軽に利用できる匿名査定は、不動産の売却を検討し始めた方や、売るかどうか迷っている方におすすめの査定方法です。
以下では、匿名査定を依頼するメリットを解説します。
気軽に査定額を知ることができる
不動産仲介会社の担当者が物件を直接見る訪問査定とは違い、匿名査定は訪問などがありません。インターネットで入力した情報をもとにAIや不動産仲介会社が査定を行ない、結果は、早いとリアルタイムで確認できます。後日メールで結果が知らされる場合は、長くても2日ほどが目安です。
匿名査定は、不動産売却の意思に関係なく依頼できるため、査定後の断りの連絡なども必要ありません。「今自宅を売ったらいくらになるんだろう」「自宅の金額によっては売却を検討しようかな」と考えている方も、匿名査定なら気軽に依頼できるでしょう。
営業電話やDMが来ない
匿名査定は住所や電話番号などの個人情報を知らせずに査定依頼できるため、査定後に不動産仲介会社から営業電話がかかってきたり、ダイレクトメールが届いたりする心配もありません。
匿名査定の結果を確認のうえ、「詳しく話を聞きたい」「もっと正確な査定をしてもらいたい」という場合は、不動産仲介会社へ連絡して説明を受けたり、より詳細な査定をしてもらったりすることも可能です。
不動産の匿名査定を依頼するデメリット

不動産売却を本格的に検討する場合など、タイミングによっては匿名査定だけでは求める情報が得られないこともあります。
不動産売却を検討する際、匿名査定にどのようなデメリットがあるのか確認しておきましょう。
査定結果は概算であり実際に売れる価格はわからない
匿名査定は最小限の不動産情報をもとにして行なわれる査定のため、精度の高い結果は出ません。匿名査定で出された査定価格は概算のため、実際の状況によっては査定価格よりも低い金額での売却となってしまう可能性があります。
「自宅がいくらで売れるのか実際の金額が知りたい」「査定結果をもとに資金計画を練りたい」といった場合は、匿名査定よりも詳細な査定が行なわれる訪問査定を依頼するとよいでしょう。
訪問査定では土地や建物の現況を詳しく見てもらえることはもちろん、日当たりや眺望、周辺環境など、現地でしかわからないようなポイントも含めた価格を出してもらえます。
匿名査定だけでは売却を進められない
いざ売却を進めたいと思っても、匿名のまま契約を結ぶことはできません。実際に仲介を依頼するには、匿名査定後に不動産仲介会社へ連絡を取り、あらためて詳しい査定を依頼する必要があります。
匿名査定を依頼しただけでは不動産売却自体は進展しないため、早急に不動産を売りたい方や、すでに不動産仲介会社が決まっている方には手間になることも考えられます。
匿名という性質上、匿名査定後に不動産仲介会社側から依頼主へは連絡を取れない点も念頭に置いておきましょう。万が一、不動産仲介会社からの連絡を待ってしまうと、不動産売却の計画において大きな時間のロスになってしまいます。
不動産の匿名査定と一括査定の違い

不動産の匿名査定とよく似たサービスに、不動産ポータルサイトなどの一括査定があります。
一括査定とは、一度の情報入力で複数の不動産仲介会社へ査定を依頼できるサービスをいい、査定の精度は匿名査定と大きく変わりません。一括査定の場合は個人情報を入力する必要があり、査定後はそれぞれの不動産仲介会社から結果の連絡があります。
匿名査定とは違い、都度対応が必要になりますが、各社の担当者から直接話を聞けるため、不動産仲介会社の比較をしたいときに活用するとよいでしょう。
参考程度に素早く不動産の価値を知りたいときは匿名査定を、仲介の依頼先をじっくり比較したい場合は一括査定をというように、目的に合ったサービスを利用してください。
【匿名査定がおすすめな人】
●売ると決まっていないが自宅がいくらくらいで売れるのか知りたい人
●価格によっては不動産の売却を検討したいと考えている人
●とにかくすぐに自宅の大まかな価格を知りたい人
●査定後に営業電話やダイレクトメールが来ると困る人
【一括査定がおすすめな人】
●不動産仲介会社をじっくり比較したい人
●複数の会社から話を聞いてみたい人
●会社ごとの査定価格にどれほどの差があるのか知りたい人
●複数の査定結果から自宅の大まかな相場を知りたい人
匿名査定のおすすめの活用方法

匿名査定は、不動産売却を検討し始めた時期に活用しやすいサービスです。不動産を売ると決まっていなくても、以下のような目的で匿名査定を活用してはいかがでしょうか。
売りたい不動産の相場調査に利用する
匿名査定は少ない情報で素早く査定結果を得られるため、不動産の大まかな相場を簡単に把握することができます。
「この価格なら売却を検討してみよう」「思ったより安いから今は売らないでおこう」といったように、売却計画を立てるうえでの判断材料になるでしょう。
また、自分で不動産の相場調査をした場合は、答え合わせのために匿名査定を活用するのもおすすめです。自分が調べた相場と査定価格に相違があれば、なぜその価格になるのか不動産仲介会社へ問い合わせてみるのもよいでしょう。
不動産の相場は、以下のようなサイトを活用して調べられます。

気になる不動産仲介会社をピンポイントで絞り込むときに利用する
いくつかの不動産仲介会社に査定を依頼したい場合、一括査定を利用することで情報入力などの手間を省けます。
しかし、一括査定で査定を依頼できるのは各サイトと連携した不動産仲介会社のみとなります。そのため、避けたい会社が含まれている、気になる会社が入っていないなどのケースもあるでしょう。
一方、匿名査定なら、自分が気になっている会社にだけ査定を依頼でき、契約候補の不動産仲介会社をピンポイントで絞り込んでいけます。先述したとおり、詳しい査定を依頼しない場合は査定後の連絡も不要なため、対応に追われることなく不動産仲介会社比較ができるでしょう。
不動産の匿名査定の流れ

匿名査定はほかの査定に比べて必要な情報が少なく、手元に資料などがなくても気軽に利用できます。
以下では、匿名査定を利用する際の流れを3ステップで解説します。
1.匿名査定サイトで物件の情報を入力する
匿名査定は、不動産仲介会社のホームページや不動産ポータルサイトなどから依頼できます。まずは匿名査定サイトの申し込みページに進み、物件情報とメールアドレスを入力しましょう。
査定を依頼したい不動産の種類により、必要な情報は異なる場合があります。
マンション、一戸建、土地の匿名査定を依頼する場合、それぞれ以下のような情報を入力します。
【マンション】
●マンション名
●所在地
●間取り
●築年数
●専有面積
●部屋のある階数、方角
●マンションの状況
【一戸建】
●所在地
●間取り
●土地の面積
●建物の面積
●築年数
●建物の階数
●構造
●一戸建の状況
【土地】
●所在地
●土地の面積
●土地の形状
●土地の利用用途
●土地の状況
●土地の所有について(借地または所有権など)
面積などの正確な情報がわからない場合、大まかな情報を入力しても問題ありません。もし手元に書類があり、不動産の情報をすぐに確認できる場合は、できるだけ正確な情報を入力しましょう。
2.査定結果を確認する
査定結果の確認方法は利用するサービスにより異なります。サイト上ですぐに結果を確認できる場合もあれば、後日メールで査定結果が送られてくる場合もあります。
匿名査定では「3,500万円~4,000万円」のように幅を持たせた査定額が提示されることが多いため、相場調査の参考にしましょう。実際に売れる価格とは異なるため、売却計画を立てる際はより詳しい査定を依頼する必要があります。
3.査定結果を詳しく知りたい場合は不動産仲介会社へ連絡する
匿名査定の結果を確認したうえで、査定結果について説明を受けたい、不動産売却について相談したいなどの場合は、不動産仲介会社へ連絡しましょう。詳しい査定を依頼する場合は、個人情報を伝え、手元に以下の書類を用意しておくとスムーズです。
●登記簿謄本
●公図
●土地の測量図または建物の図面
このほか、以下のような書類があると査定の精度が上がります。少しでも高く売りたいと考えているときは、不動産に関する以下の書類を積極的に用意してください。
●購入時の売買契約書
●建築確認済証または検査済証
●建築設計図書または工事記録書
●境界確認書
●住宅性能評価書
●耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
●固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書
●リフォームの契約書や報告書
●マンションの管理費や修繕積立金が記載された書類
●周辺環境がわかる書類(鳥瞰図など)
不動産の匿名査定後のポイント

匿名査定後は、査定結果をもとに売却するかどうかを検討しましょう。査定価格が低く、すぐに売却をしない場合は、必要な連絡や手続きはありません。
不動産の価値は経済状況や社会の動向によっても変動するため、定期的に匿名査定を利用し、査定価格に変化がないか確認してみましょう。
査定結果を確認したうえで不動産を売却したい場合は、匿名ではない査定を依頼して売りたい不動産の相場調査を進めてください。
同じ条件による査定でも、その価格は不動産仲介会社によって異なります。査定価格の根拠や売却に向けたアドバイスなどを参考に、信頼のおける不動産仲介会社を選ぶことが大切です。
自宅を売って新たにマイホームを購入する場合などは、査定価格をもとに、売却に向けた資金計画も立てていきましょう。
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まとめ
不動産査定には、個人情報なしで査定を依頼できる匿名査定や、複数の不動産仲介会社へ査定を依頼できる一括査定などがあります。
個人情報の入力が不要な匿名査定は、不動産の価格をすぐ知りたい場合におすすめの査定方法です。査定後に営業電話が来る心配もありません。査定結果はあくまで概算価格ですが、気になる不動産仲介会社があれば、そのまま詳細な査定を申し込むことも可能です。
不動産売却を迷っていたり、相場調査を始めたりするときは、まず手軽な匿名査定で売りたい不動産の大まかな価格を確認してみましょう。