公開日:2024.04.26 / 更新日:2024.04.26
不動産の「買取」とは?「仲介」との違いや査定のポイントを解説

「決まった時期までに不動産を売却したい」「今すぐにでも不動産を売って現金化したい」という場合、一般的な「仲介」よりも「買取」が適しているかもしれません。
「買取」なら計画的に不動産を売却できるため、スケジュール優先で動きたい場合に検討するとメリットがあります。
ここでは、「買取」の概要や一般的な「仲介」との違い、買取査定におけるポイントを解説します。
目次
「買取」と「仲介」の違いとは

不動産の売却方法はおもに買取と仲介に分けられ、一般的な不動産売却は仲介を指すケースがほとんどです。
では、買取とはどのような売却方法なのでしょうか。まずは、買取と仲介の違いを確認しましょう。
買取とは不動産会社が物件を直接買い取ること
買取とは、不動産会社が買い手となって物件を買い取ることをいい、売買契約は売り手と不動産会社間で締結します。
買取では買い手を別途探す必要がないため、売却活動にかかる手間や期間を省略でき、早いと数日で売却手続きを完了できます。
買取査定を経て、条件がまとまり次第売却できる買取は、売却活動に多くの時間を割けない売り手にとってメリットが大きい売却方法といえるでしょう。
また、買取では不動産会社による仲介が行なわれないことから、仲介手数料が発生しない点もポイントです。
不動産仲介とは不動産会社が買い手と売り手の間に立って両社の契約を成立させること
不動産売却における仲介とは、不動産会社が物件の購入希望者を募り、売り手と個人の買い手との間に入って契約を成立させることです。
仲介で売却する場合は、売りたい不動産の査定結果をもとに売却計画を立て、不動産会社のサポートを受けながら売却活動を進めます。
仲介の場合、売却活動がスムーズに進むと通常3ヵ月~6ヵ月で売却手続きを完了できるでしょう。
仲介は不動産売却において最もポピュラーな方法ですが、売買契約が成立すると基本的には仲介手数料が発生します。
買取と仲介はどちらが良いのか

買取と仲介のどちらが良いのかは、個々のケースによって異なります。
例えば、「とにかく早く売りたい」「決まったスケジュールに沿って売却を進めたい」という場合は、市況や需要に左右されにくい買取を検討するとよいでしょう。買取なら、仲介と違ってほぼ確実に物件の売却が可能です。
ただし、最終的な売却価格は一般的に買取のほうが低くなるため、売却価格にこだわりたい場合は仲介を検討するとよいでしょう。
買取と仲介のおもな違いは以下のとおりです。

上記を踏まえて、買取が適したケースと、仲介が適したケースをそれぞれ解説します。
すぐにお金が必要な場合は買取がおすすめ
買取であれば別途買い手を探す必要がないため、仲介と比較して早期にお金を手に入れやすいといえます。
「まとまった現金が必要になった」「物件の買い替えに向けて早めに資金を準備したい」という場合は、買取を選択肢に加えてみましょう。
ただし、前述のように、買取では仲介に比べて売却価格が10%~30%ほど低くなるため、この点に留意して買取と仲介のどちらが良いか判断することが大切です。
なお、買取で提示される買取金額やサービス内容は不動産会社により異なるため、条件に合う不動産会社を探すことも欠かせません。
少しでも高値で売りたい場合は仲介がおすすめ
市場価格に近い、またはそれ以上の価格で売却できる可能性が高いのが仲介です。
売却後に得られる利益を重視したい場合、買取よりも仲介で不動産売却を進めましょう。
特に、築年数が新しく需要がある物件の場合は、希望に近い価格での早期売却も目指せるため、スケジュールに余裕をもって仲介の準備を始めるのがおすすめです。
一方で、築年数が古く大規模なリフォームや修繕が必要な物件は、リフォームにかかる期間や費用を考慮すると、仲介よりも買取のほうが売りやすい場合もあります。
買取と仲介のどちらが適しているか判断に迷ったときは、不動産会社に相談し、実際の状況を踏まえたアドバイスを受けることをおすすめします。
買取査定の流れ

買取は、仲介と異なる以下の流れで手続きが進みます。
●不動産会社に査定を依頼する
●不動産会社が物件の調査を行ない、査定額を算出する
●不動産会社から査定額が提示される
●査定額に納得できたら、不動産会社と売買契約を締結する
●不動産会社が不動産を買い取り、代金が支払われる
ここからは、買取の査定から買取完了までがどのような流れで行なわれるのか解説します。
不動産会社に査定を依頼する
まずは、買取を行なっている不動産会社に物件の買取査定を依頼します。買取査定時は物件の詳細情報が必要になるため、後述する必要書類を事前にそろえておきましょう。
買取査定の依頼はおもに電話やインターネットから行なえますが、直接話を聞きたい、相談したいことがあるという場合は、近隣の営業店舗へ足を運んでもかまいません。
不動産会社が物件の調査を行ない、査定額を算出する
所有する不動産の詳細情報を不動産会社に提供し、買取査定を受けましょう。
査定には、物件のデータをもとに査定額を算出する簡易査定と、現地を調査してより正確な査定を行なう訪問査定があります。
買取では最終的にどちらの査定も行なわれるため、査定に必要な情報を整理したり、調査されやすいポイントを見やすく片付けたりしておくことをおすすめします。
買取査定で最低限必要となる物件情報としては、以下が挙げられま
す。
●物件の種類(マンション、一戸建、土地)
●構造(鉄筋コンクリート造、木造 など)
●築年数
●間取り
●面積(専有面積)
●状態(居住中、空き家、賃貸中)
●所在地(住所、マンション名、部屋番号) など
訪問時に調査されやすいポイントとしては、以下が挙げられます。
●実際の間取り
●室内の雰囲気やリフォーム歴
●雨漏りの有無
●床下や天井裏の状況
●建具の建付けや建物の傾き
●建物に付帯する設備(エアコン、床暖房、給湯器 など)
●外壁や基礎
●境界石
●駐車場 など
訪問査定の際は、可能であれば所有者が立ち会い、物件の詳しい状況を説明しましょう。
不動産会社から査定額が提示される
不動産会社は提供された物件情報と現地調査の結果をもとに、不動産を査定します。
買取査定では、不動産会社が買い取った物件をリフォームして再販することを前提に査定が行なわれるため、仲介の市場価格より低い査定額が提示されます。
査定方法には、比較法(周辺の似た物件の取引価格と比較して算出)、利益法(将来得られる利益から算出)、原価法(建築費用などから算出)などがありますが、不動産会社により、提示される金額やその査定額となった根拠は異なります。
査定額に納得できたら、不動産会社と売買契約を締結する
査定結果に納得できたら、以下の契約条件を確認したうえで不動産会社と売買契約を結びます。
●引渡し条件
●家具や荷物の処分負担
●売買代金の支払いスケジュール など
買取における売買契約では、仲介における売買契約と同じ契約書を使用します。契約書に記載の内容に誤りがないか、契約条件に納得しているかよく確認しましょう。
なお、買取では、仲介にある「契約不適合責任」は基本的にありません。契約不適合責任とは、物件の売却後、建物に欠陥が見つかった場合に売主が対応・修繕などをしなければならない責任のことです。
買取の売買契約では、契約書から契約不適合責任の記載が削除されているかどうかも忘れずに確認しましょう。
不動産会社が不動産を買い取り、代金が支払われる
買取後は、契約に基づいて代金が支払われ、物件の所有権が不動産会社へ移転します。
支払いスケジュールは不動産会社により異なり、契約日に手付金が支払われて引渡し日に残金が支払われるケースや、契約・決済・引渡しを同時に行なって現金が一括で支払われるケースなどがあります。
お金が急ぎで必要であれば、早い段階で支払いスケジュールについて確認しておくとよいでしょう。
代金が支払われたあとは、不動産会社が所有権移転登記を行ない、物件の所有権が移転すると買取は完了となります。
買取査定で高額評価を得るためのポイント

買取では買取査定額以上の買取額は見込めません。
物件を少しでも高く買い取ってもらうには、買取査定の段階で「良い物件」という印象を与え、高い査定額を提示してもらう必要があります。
ここからは、買取査定で良い評価を得るためのポイントを解説します。
家の売却をするならなるべく早く
一般的に、木造の一戸建は築15年を超えると建物の価値が著しく低下し、売りにくくなるといわれています。
法定耐用年数をもとに考える場合は、木造一戸建と木造アパートで築20年~22年、マンションで築47年を超えると、建物の価値が限りなくゼロに近いとみなされます。
このように、不動産は築年数や住んでいる期間が長くなるほど価値が下がっていくため、少しでも高い査定額を提示してもらうためには、なるべく早く査定依頼を行ないましょう。
不動産のアピールは積極的に
買取査定では、不動産所有者だからこそ知っている物件の良さをアピールすることで、査定額をアップさせられる可能性があります。下記の例のように、日当たりの良さや、日常生活の利便性を高める周辺環境の良さなどがあれば、積極的にアピールしましょう。
【アピールポイントの例】
●冬でも○時から○時は日当たりが良い
●夏の西日を避けられる
●近所にコインパーキングや24時間営業のスーパーがある
●近所に散歩に最適な遊歩道や公園がある
●バス停が近い
●市役所や医療機関へアクセスしやすい
●風通しが良い
●土の質が良くガーデニングや家庭菜園に適している など
買取査定をスムーズに進めるために必要な書類

買取では、必要な準備を整えて買取査定を依頼することで、短期間での不動産売却を目指せます。
買取査定をスムーズに進めるために、不動産売却を検討し始めたら以下の必要書類をそろえておきましょう。
●本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
●登記簿謄本(登記事項証明書)
●権利証(登記済証)または登記識別情報通知書
●固定資産税納税通知書
●物件の図面(平面図、立面図、測量図)
●建物の確認申請書や確認済証、検査済証
●物件購入時の契約書やパンフレット
●家賃収入がある場合は家賃明細書
●住宅ローンの残債がある場合は住宅ローン残高証明書
●マンションの場合は管理規約
買取査定を依頼する前に知っておきたい税金のこと

買取で不動産会社から支払われる買取代金は所得になります。買取金額から、売却した不動産の取得にかかった費用を差し引いて利益がある場合、その利益分は課税対象となる譲渡所得にあたり、所得税や住民税が発生します。
<譲渡所得の計算方法>
譲渡所得 = 買取金額 - 不動産の取得価格 - 必要経費
取得価格は不動産を購入した際の金額のことで、必要経費は買取にかかった費用(印紙税など)を指します。
所得税や住民税の税率は、不動産を所有していた期間により、以下のように異なります。

※1 不動産を売却した年の1月1日時点における所有期間
※2 税率には復興特別所得税の2.1%を含む
※3 10年超えの税率は特例を利用した場合の軽減税率
参照:土地や建物を売ったとき|国税庁
なお、法人名義で不動産を売却して譲渡所得があった場合は、法人税の対象となります。法人税の税率は資本金額や法人の種類によって15%~23.40%の間で変わります。
参照:No.5759 法人税の税率|国税庁
買取後は確定申告が必要になる可能性も
買取で利益が出た場合や、税金を安くするために特例を活用する際は、年末調整を行なっている方でも確定申告が必要です。
確定申告は、買取が成立した年の翌年2月16日~3月15日に、管轄の税務署で行ないます。
申告期限内に申告を行なわなかった場合、以下の税率で無申告加算税が発生します。

参照:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁
また、確定申告を行なわないと税額が決定しないため、納税ができません。本来納めるべき税金を期限内に納められなかった場合は、納税が遅延している期間に応じて以下の税率で延滞税が発生します。

不動産の買取査定なら明和地所へ
買取は、不動産を素早く現金化するのに適した売却方法です。事情により仲介が難しい場合は、計画的に進められる買取を検討してはいかがでしょうか。
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