公開日:2024.02.14 / 更新日:2024.02.14
住み替え時の住宅ローンはどうすれば良い?住み替えの流れや注意点を解説
住み替えを検討していると、住宅ローンの精算や、売却・購入のタイミングに悩むことがあるかもしれません。また、なかには「そもそも住宅ローン返済中に自宅を売れるの?」と迷う方もいるでしょう。
住宅ローンがある不動産を売却して住み替えを行なう際には、手続きが煩雑になりやすく、緻密な資金計画も必要です。
そこで今回は、住宅ローンがある不動産の住み替えの流れや、住み替え時に活用できる住み替えローンのメリット・デメリットを解説します。
自宅の住宅ローンが残っていて住み替えに不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
住み替えをする際は基本的に住宅ローンの完済が必要
住宅ローンが残っている状態でも、住み替えは可能です。ただし、不動産の売却時には、住宅の抵当権を抹消する必要があります。
抵当権とは、万が一、住宅ローンの返済が滞った際に対象の資産を担保にできる権利です。住宅ローンでは、借入先である金融機関が抵当権者に設定されています。
不動産の抵当権を抹消するには、住宅ローンの完済が必要です。住宅ローンが残っている場合は、資金計画をもとに「自宅の売却代金で住宅ローンを完済できるか」「売却代金で完済できない場合に自己資金を持ち出せるか」といった点を検討しましょう。
売却代金や自己資金で住宅ローン完済の目処が立たない場合、後述する「住み替えローン」を活用する流れとなります。
住み替えの流れは住宅ローンの有無によって変わる
では、住み替え時に住宅ローンが残っている場合、売却と購入はどちらを先に進めれば良いのでしょうか。
住み替え時の売却と購入の順番は、一般的に、現時点で住宅ローンを返済中なら「売却」から、住宅ローンを完済しているなら「購入」から進めます。
売却と購入の順番に「絶対」はありませんが、状況によっては月々の返済額が高額になることもあるため注意してください。
以下では、住み替えを売却から進める場合と、購入から進める場合の流れを解説します。
住宅ローンが残っている場合は売却を先に進める
住宅ローンが残っている場合、住宅ローンの完済を優先する必要があります。そのため、売却から進めて得た利益を、優先的に住宅ローン返済に充てるようにしましょう。
買い主が見つかり売却が確定したら、売却価格をもとに資金計画を立て、新居探しを始めるのが一般的な流れです。
売却を先に進めると、自宅の売却価格を早期に把握できるため、住み替えの資金計画を立てやすくなります。住宅ローンを返済したうえで手元に残る売却代金があれば、住み替え時の新居購入費に充て、自己資金の持ち出しが少なく済むでしょう。
また、売却活動に時間を割きやすいため、自宅を高く売れる可能性も高まります。
ただし、新居の引渡しや引越しのタイミングによっては仮住まい期間が発生し、諸費用が増す場合があるため、引越しのタイミングには注意が必要です。
住宅ローンを完済している場合は購入を先に進めることも可能
住宅ローンを完済している場合は、購入から始められます。早期に新居が見つかれば、任意のタイミングで引越しでき、スムーズに住み替えられることがメリットです。
また、先に購入から始めると、新居選びに時間を割きやすく、仮住まいを探したり複数回引越したりする必要もありません。
自宅の売却時に引越しが済んでいれば、部屋のクリーニングにも力を入れやすいでしょう。
なお、住宅ローンが残っている状態でも先に購入を進めることは可能です。この場合、自宅と新居で二重の住宅ローンが発生するため、月々の支払いが可能かよく検討してください。
住宅ローン残債があっても利用できる住み替えローンとは
住み替え時、住宅ローンの完済目処が立たない場合、住み替えローンを利用する方法があります。
住み替えローンとは、現在の住宅ローンを完済するための資金と、住み替え先の購入費用をまとめて借入できるローンです。
自宅の売却代金で住宅ローンを完済できないとしても、住み替えローンによって完済すれば、住み替えが可能となります。
住み替えローンはさまざまな金融機関で取り扱いがあるため、利用を検討する際は商品ごとに異なる特徴をよく確認しましょう。
おもに、利用要件や金利の部分で違いがあり、金融機関独自のサービスなども付帯しています。
住宅ローンの完済が難しい場合に便利な住み替えローンですが、利用時には以下のようにメリット・デメリットがあります。
住み替えローンのメリット
住み替えローンのメリットを解説します。
自己資金が足りなくても住み替えが可能
先述のように、自己資金が足りなくても住み替えローンを利用すると住み替えが可能です。住み替えを優先したいシーンでは、利便性の高いローンといえるでしょう。
また、自己資金を切り崩す必要性が低い点も、住み替えローンのメリットです。住み替えで預貯金を使い果たしてしまうと、万が一の事態や急な出費に対応できません。預貯金を温存したまま住み替えたいときは、住み替えローンを検討してみましょう。
住宅ローン残債があっても新居選びにこだわれる
新居の購入に、住宅ローン返済後の残った売却代金と自己資金のみを充てる場合と比べると、住み替えローン利用時は新居購入に割ける金額が大きいのがメリットです。資金を理由に新居のグレードを下げずに済むため、納得のいく新居選びができるでしょう。
例えば、狙っていたエリアで条件に合う物件が売りに出された、転勤や出産などのタイミングに合わせて住み替えたいなどの場合も、住み替えローンを利用すると都合に合わせて希望の物件へ住み替えられます。
住み替えローンのデメリット
住み替えローンのデメリットを解説します。
審査が厳しい
住み替えローンを利用するには、「年収〇百万円以上」「支払いの延滞歴がない」などの基本的な条件と、金融機関が独自で定める審査基準をクリアしている必要があります。職業や勤務先、勤続年数などをもとに借入する人の返済能力が重視され、審査に通らない場合はそもそも住み替えローンの利用ができません。
緻密なスケジュール調整が必要になる
住み替えローンを利用する場合、売却する自宅の引渡し日に抵当権を抹消できるよう、引渡し日と住み替えローンの融資日を同日に設定する必要があります。自宅の売却と新居の購入を同時に進めなければならないため、緻密なスケジュール調整が求められる点はデメリットです。
家計の負担が大きくなりやすい
住み替えローンでは借入額が高額になりやすく、月々の返済額は一般的な住宅ローンと比べて高くなります。また、一般的な住宅ローンに比べると、住み替えローンは高金利の傾向にあるため、住み替え後のほうが家計の負担が大きくなることも念頭に置いておきましょう。
住み替えローンを利用する際の注意点
住み替えローンを利用して住み替える際の注意点は、以下のとおりです。
利用を検討する場合は仮審査を通す
住み替えローンの利用を前提にしている場合、購入したい物件が決まった段階で必ず住み替えローンの仮審査を通しましょう。仮審査に通っていると、売り主との交渉もスムーズに進められます。
契約直前で審査を受け、落ちてしまうと、住み替え計画自体がなくなる可能性もあるため注意してください。
物件探しの際は、不動産仲介会社に「住み替えローンを利用した住み替え」であることを伝えておくと、資金面での認識の相違が起きにくくなるでしょう。
早い段階から新居探しと売却準備を進める
先述のとおり、住み替えローンでは売却と購入のタイミングをそろえる必要があることから、早めに新居探しと売却準備を始め、売却期間にはある程度の余裕を持たせましょう。売却期間に余裕がなくなると、新居を探す時間も限られてしまいます。
新たに購入する物件探しにかかる期間、不動産の売却にかかる期間の目安は約6ヵ月です。状況によっては6ヵ月以上必要なケースも珍しくないため、購入・売却ともに早いうちから準備を進めておくことをおすすめします。
無理のない返済計画のもと利用する
借入可能な金額と返済可能な金額は異なるため、無理のない返済計画を立てることが大切です。
また、住み替えの場合、働ける年齢を考慮すると、前の住宅ローンよりも短い返済期間となる可能性が高いといえます。子どもの進学や親の介護など身の回りの環境が変わることで家計の収支も変化していくため、長期的に見て返済可能な計画になっているかよく確認しましょう。
住み替えのよくある質問
初めての住み替えでは、慣れない手続きに戸惑う方もいるかもしれません。ここからは、住み替え時によくある質問を紹介します。
住み替え時も住宅ローン控除は受けられる?
住宅ローン控除の適用を受けるための要件を満たしていれば、住み替えでも住宅ローン控除が適用されます。住み替えで住宅ローン控除を受けるためのおもな適用要件は、以下のとおりです。
●住宅ローンの返済期間が10年以上あること
●新居の新築日(取得日)から6ヵ月以内に入居すること
●控除を受けた年の総所得が3,000万円以下であること
●新居の床面積が50平方メートル以上あり、その半分以上が居住用であること
●居住した年の前後5年間に他の特例の適用を受けていないこと
住み替えをスムーズに成功させるコツは?
住み替えは自宅の売却を前提に計画を立てるため、万が一、自宅が売れないと住み替え計画も前に進みません。このような事態を避けるため、「自宅が売りにくいかも……」という場合は、不動産仲介会社の「買取」も視野に入れておきましょう。
一般的に売りにくいといわれるような物件でも、専門知識を持つ不動産仲介会社ならば平均的な早さで売却できる可能性があります。売りたい物件(マンション、一戸建)の売却実績が豊富な不動産仲介会社を選び、適切なアドバイスをもらうことがおすすめです。
住み替えにかかる諸費用は?
不動産の売却や購入では、売却価格や購入価格に応じた諸費用が発生します。売却・購入でかかる諸費用の目安はそれぞれ以下のとおりです。
住み替えの資金計画を立てる際は、売却や購入にかかる諸費用も忘れずに計算しましょう。
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まとめ
住み替えは、住宅ローンが残っていても可能です。ただし、自宅の引渡し時には住宅ローンを完済する必要があるため、売却と購入の進め方に注意してください。
住み替えローンを利用した住み替えでは、事前に仮審査を通し、現実的に無理のない返済計画を立てることが大切です。住み替えにおける疑問や不安は不動産仲介会社へ相談し、なるべく早い段階で売却や購入の準備を進めましょう。