HEARING 傾聴力
T様／明和地所 担当：豊田
地権者のひとりT様の計画からスタートした本プロジェクトは、不動産業者の手によって開発規模が広がり、事務所併設のマンションの建設が実現しました。
もともと大枠のプランが存在していたプロジェクトでしたが、明和地所の強みである密なコミュニケーションとスピーディーな対応で、T様の職場に対する想いやご要望をプランへとしっかり落とし込み、事務所との共存が叶うマンションへと昇華させることができました。
今回は本プロジェクトのきっかけとなったT様にお話を伺いました。
─等価交換を選んだのはなぜですか。
T様もともと、自分の会社で自社ビルを建てたいという思いがありました。そのつもりで不動産会社の友人と開発計画を検討していたところ、周囲の地権者の方々も賛同をいただくようになったので「一緒にやりましょう」となって、4～5年ほど前から計画を進めていたんです。正直、もうプランまで作っていたんですよ。
豊田私たちがプロジェクトに関わらせていただいた時点ですでに大枠のプランがありましたね。
─数ある業者から明和地所を選んだのはどうしてでしょうか。
T様最初は不動産会社の友人からの紹介ですね。明和地所のことは昔から耳にしていたのですが、実は最初、乗り気ではなかったんです。不動産会社でもどこでもやることは一緒ですし、ほかにもいろいろな業者が結構良い条件出していましたので、「明和地所じゃないといけない」とは思っていなかったです。
でもいざお話を聞いてみると、最初は怖い人なんだけれど人柄が良いし“馬が合う”と感じまして。福眞さんも豊田さんも、良い意味で泥臭い感じがして、飾り気もないし気持ちが通じる。それですぐに大好きになってしまいました。
大手の方も来ましたが、やはりちょっと熱さが足りないと言いますか、この土地に対する愛情を感じないと言いますか。でも明和地所のお二人からはその愛情をひしひしと感じたんです。我々の仕事もそうですけれど、愛情がないとうまくいかないものなんです。結果的に良いものができましたが、仮に100％の満足ではなくても「それでも福眞さんの造ったビル（マンション）ならしょうがない」と思えたでしょうね（笑）。
福眞私たちは最初から、「一緒にやってみませんか？」ではなく「お願いします！」と言い続けていましたね。そして、とにかく「ご迷惑をおかけしないように」ということはずっと考えていました。そうした誠意が伝わったのであれば嬉しいです。
─お打ち合わせはどんな感じでしたか。
T様週に何度も来ていただいたり、30回以上は打ち合せしましたかね。はじめは「事務所をどこにしようか」「車庫をどこにしようか」からはじまり、それが決まってからマンションのプランに入っていきました。
僕はもともと、自社ビルと比べて制約の多い共同ビル（マンション）に抵抗を感じていたのですが、お二人の誠意と人徳があったからこそ事業が進められたのかもしれません。信頼していましたし、あまり自分から指示や要望は言わなかったですね。
福眞T様はこのプロジェクトの発起人ですし、プロジェクトの核になる場所の土地をお持ちでした。T様に入ってもらわなかったらマンションは建たなかったですよね。事務所やマンションのプランを気に入ってもらったからこそプロジェクトを走らせることができました。
豊田マンションの配棟とか、そういったことにはご要望が特にありませんでしたので、説明してご納得をいただきつつ進めていった感じです。弊社の提示案に対する細かな部分のご意見をいただいて、どれだけご要望に沿ったものをご提供できるか社内で検討して、ご要望を落とし込んだ次の案をまたご提示する。それを繰り返してプランを少しずつ筋肉質にしていきました。
対応していく中で特に意識したのはスピード感ですね。T様に「この日まで」と言われたことは一度もないと記憶していますが、例えば月曜日に打ち合わせがあれば週末に入る前にご提示するように心がけました。
─計画を進める上で、大きな問題はありませんでしたか。
T様最初の設計では、事務所の真ん中に柱が通っていましたね。
福眞マンションですから構造的に上から下まで柱が通るわけですが、T様の事務所からしたらフロアの真ん中に柱があったら邪魔ですよね。それをどうやって解消できるか。構造の検討を重ねて何とか解決し、抜け感のある素敵な事務所にすることができました。
豊田僕がプランを作れるわけではないので、「どうすれば構造を変えられるか」すぐに担当部門に確認しました。建設や積算など部門同士の連携が強いのが明和地所の社風で、建設担当者も親身になって一緒に取り組んでくれて。社内で同じフロアにあるというのも大きいですし、すぐ相談しに行ける風通しの良さがあるので、お待たせすることなく解決できたかなと思います。
T様要望について反応が早くすぐに対応してくれましたね。
豊田柱の件に関わらず、T様からご意見をいただいた時は、打ち合わせから会社に戻った後、すぐに担当部門へ相談しました。T様が100％納得できるものかはわからなかったですが、またすぐに報告できるようなものを作る、ということは心がけていました。
明るく開放感のある綺麗なオフィス。遮る物がなく、スタッフ同士の顔が見えるためコミュニケーションがとりやすい空間となっている。
─事務所のどんなところにこだわりましたか。
T様職業柄、現場に出て泥で汚れたりもするのでシャワールームを設置しました。あと趣味で釣りをするので個人的な釣り具入れと、魚を捌けるように広めのキッチンを入れてもらいました。立派なキッチンですよ。
トイレは福眞さんのご提案で、それまで一か所だったのを男女別にしました。フロア床は、明和地所さんのモデルルームを参考にして濃いめの木目調に決めました。
福眞トイレは「会社の鬼門だから」とT様がご自身で掃除されるんです。だからトイレの数が増えるのはお手間をおかけしてしまうとは思ったのですが、「女性スタッフのために男女で分けてみてはどうか」と提案し、採用いただきました。
また、当然ながらT様の事務所は建替え中もお仕事は続いておりますので、お仕事にご迷惑をかけないようスムーズな移転・再移転を行えるように段取りしました。建替え中の仮事務所を私たちで用立てさせていただき、元の事務所で行っているお仕事に切れ目が出ないよう「この日に移転する」と決めて一気に引越しを実行。新しい事務所ができてからも、スムーズに戻ってきていただく。そこのアテンドには細心の注意を払いましたが、実は僕ら的に難易度が結構高かったです。
T様結構スムーズにいきましたね。
豊田ありがとうございます。
移転先の仮事務所は、周辺一帯に訪問し、ご希望に沿える物件を探したりもしました。結果的にはT様がご自身で見つけられた物件に移られましたが、お仕事に支障が出ないように、私ができることを最大限にやりました。良い環境の事務所をお使いいただくためですのでやってよかったと思っています。
こだわりのキッチン。釣った魚を捌いてスタッフの皆様に振るまっているそう。
男女別にしたトイレ。「会社の鬼門」としてT様ご自身で綺麗に掃除されている。
─マンションの部分についてはどのようなオーダーをされましたか。
T様ほぼないですね。素人でわからないので、ほとんどお任せでしたよ。ただ、色にはある程度こだわりがあって、黒が好きなので「黒系を基調に」とお願いしました。
豊田お部屋の大きさや間取りは、弊社の一般的なプランに沿ったものでしたので、「室内は一緒に決めましょうよ」と、当社横浜のモデルルームに何度か足を運んでいただき、決めていただきました。
福眞プロのインテリアコーディネーターと相談し、色は一番スタンダードな色にして、「階を変えたら濃くするor薄くする」というご提案はさせていただきました。
豊田もともとは建物内での事務所の配置や玄関の位置は、現在の完成形と異なる位置でした。事務所の設計に今まで関わったことがなかったので、わからないというところはT様に教えていただきながらご意向に沿えるような形で進めていきました。
福眞他には「スタッフが靴に泥をつけたまま事務所に入るので、マンション居住者のエントランスとは分けたほうがいい」と、マンション部分と事務所の動線分離についてもアドバイスをいただきましたね。T様の事務所が入居していることで、「マンションを買って住んでいただいた方が、嫌な気持ちになることが絶対に無いように」と仰っていただきました。駐車場に水道の設置をご要望されたのも同じ理由ですね。すべては「クリオマンションに住む人の満足度を下げない」ために、T様ご自身のためだけではなく、実は明和地所のことを想って言ってくださったのが僕は印象に残っていますね。
─実際に完成して、ご感想はいかがですか。
T様事務所に来るお客さんがびっくりしていますよ。我々の業界にはこんなに洒落ていてきれいな事務所はないですからね。神奈川県で一番じゃないですか。使い心地もとても良いですし。トイレを分けたのは正解で、女性スタッフがみな喜んでいます。他にも私個人で10階に1室いただいたのですが、そこからはみなとみらいの花火がよく見えて最高ですね。
豊田プランの詳細を詰める段階では何度も連絡をしてしまい、お仕事がお忙しい中ご負担をかけてしまったかもしれません。ですがそんな中でも快く受け入れてくださり、なるべく早いタイミングでお会いする機会を作っていただいたからこそ、細かな課題を解消した素敵な事務所とマンションができあがったと思います。
T様明和地所に僕は良い印象を持っていますよ。これからも一緒に仕事をしていきたいなと思います。
福眞「一緒に仕事をしたい」とは、冥利に尽きるお言葉です。居住者や明和地所のことをいつも想っていただいて、今後とも末長くよろしくお願いします。
記念撮影の際照れ笑いを浮かべる3人。ジョークを交じえながら当時を振り返る様子から、素敵な関係性が伺えました。
（取材：2024年5月）
