ディスカバー北海道

小樽の市場
-OTARU OF MARKET-

小樽には、いくつかの市場があります。大正時代に開設された公設市場はあったものの、多くの市場は第二次大戦後、個人の出した露天商がはじまりだったとされています。一体なぜ戦後の小樽に集中的に市場が誕生したのか。また、現在も残る3つの市場の歴史についても、それぞれご紹介していきます。

ガンガン部隊のマネキン(中央市場)

ガンガン部隊

敗戦後、樺太から引き揚げてきた人々は、函館に上陸しました。そのまま函館に残る人、故郷へと帰る人もありましたが、小樽へ向かう人も多かったといいます。というのも、樺太での生活において、日本から送られてくる生活用品はほとんどが小樽経由だったのです。そうした人々が小樽の地で肩を寄せ合い、なんとか自力で立ち上がろうとしたのが、小樽の市場のはじまりでした。

露天商を営む一方、女性たちは仕入れた魚を一斗缶に入れて行商に出かけました。一斗缶に見立てたブリキ製の函を担ぎ、そのぶつかり合う音から、いつしか彼女たちは「ガンガン部隊」と呼ばれるようになりました。ガンガン部隊は美唄や岩見沢のあたりまで遠征していたようで、頼んだものは何でも調達してくれることもあり、どの町でも来るのを待たれるほどの人気を博していました。

小樽中央市場

小樽中央市場

1946年、満州など外地からの引き揚げ者によって結成され、当初は「小樽中央マーケット」として発足したのが中央市場です。一時は都市計画のために立ち退きの危機に面しながらも、当時の市長に直訴して存続が認められ、1953年に市場の第一棟建設工事に着手、1956年には全棟が完成しました。完成当時は「下駄バキ市場(住宅付き市場)」として珍しがられ、全道から市場関係者が見学視察に続々と訪れたといいます。現在、中央市場の店舗は全3棟。30近い店舗が軒を連ねています。

🐟 JR小樽駅から3分程のアクセスの良さ

🐟 鮮魚店やもち、花屋など幅広いラインナップの店舗が揃う

小樽中央市場外観

小樽中央市場

住所:北海道小樽市稲穂3丁目11番2号
電話:0134-22-5384
定休日:日・祝日
営業時間:9時~18時(お店によって営業時間が異なります)
公式サイト:http://otaru-market.com/

三角市場

三角市場

1948年頃、小樽駅前の7~8軒の露天商からはじまったのが三角市場です。出店者は徐々に増え、やがて近郊の石狩地方や後志地方はもとより、遠く上川地方や日高地方からの来客で賑わうようになります。1957年になると、露天商30軒余りで任意組合を設立し、現在の市場を建設しました。また1962年には中小企業等共同組合を設立。ちなみに市場の名前の由来は、土地と屋根が三角の形をしているからなのだとか。

🐟 小樽駅を出て徒歩2分の近さで観光客が比較的多い。

🐟 鮮魚店直営の食堂が多い

🐟 50年以上の歴史。狭い一本道の通路が特徴的な名物市場

三角市場外観

小樽三角市場

住所:北海道小樽市稲穂3丁目10-16
電話:0134-23-2446
定休日:年中無休
営業時間:6時~17時(お店によって営業時間が異なります)
公式サイト:http://otaru-sankaku.com/

南樽市場

南樽市場

南樽市場の歴史は他より少し古く、昭和初期の高砂市場に遡ります。1938年に完成し、モダンな市場として話題だった高砂市場ですが、太平洋戦争の勃発で廃業を余儀なくされます。終戦後の1949年、高砂市場の創立発起人によって再び市場建設を目指し、同じ年に木造2階建ての長屋方式の市場が誕生。その後、老朽化に伴って1968年に改築に着工し、現在の南樽市場が完成しました。

🐟 小樽中心部からは少し離れた立地。JR南小樽駅から徒歩10分程。

🐟 地元客、観光客ともに人気

🐟 鮮魚店以外にもお惣菜、肉屋、八百屋、パン屋など充実した品揃え

南樽市場外観

小樽南樽市場

住所:北海道小樽市新富町12番1号
電話:0134-23-0722
定休日:日曜日
営業時間:9時~18時30分
公式サイト:http://www.nantaruichiba.or.jp/