ディスカバー北海道

地元人
-LOCAL PEOPLE-

地元に生まれ、地元で暮らしてきたからこそ、分かることがたくさんあります。そこで小樽で生まれ育った漁師の成田学さんに、小樽のディープな魅力を教えてもらいました。

獲れたてのシャコを片手に

漁師 成田学さん

小樽生まれ、小樽育ち。祖父から3代にわたる漁師の家系で、自身も高校卒業後から海に出ているそう。ウニ漁などはひとりで行うものの、網作業の必要な漁は兄弟と共に行っているのだとか。漁師さんは豪快でこだわりが強くてちょっと怖そう、というイメージを覆す、チャーミングな笑顔が特徴。まわりにはいつも人が集まる、人格者です。

第八まなぶ丸と成田さん

小樽は災害が少ない!?

成田さんに改めて小樽の魅力、小樽に暮らす利点について伺ったところ「小樽は比較的、災害が少ない地域と言われています」との答えが。確かに過去のデータを見てみれば、洪水や地震の被害は少ないようです。もちろん、自然環境は変化していくものなので、断言することはできませんが、小樽の地に40年以上にわたって住み続けた成田さんの、地元民としての実感なのでしょう。「ただし、積雪量は多いですよ」と、いたずらっぽく笑う成田さん。小樽で暮らしてみたいなぁと考えている人は、冬の雪かきは必須ですね。

通年水揚げされるタコ

小樽のオススメ

「小樽といえば、ニシン、シャコ。どうも、そればかりが有名になっちゃってね。他にも豊富な魚介類が獲れることをぜひ知ってほしいです」と、成田さん。
1~2月はニシン、3~4月はカレイ、5~8月はウニ、コウナゴ、ナマコなど、9月は鮭、10~5月はアワビ、通年ではタコ、そして春と秋になればシャコが獲れるとのこと。ざっと挙げただけでも小樽ではこれだけの種類が獲れるというのに、隣の札幌市ですらその事実はあまり知られていません。小樽で寿司や海鮮丼を食べる時は、どこで獲れたものなのか、意識して食べてみるのもいいかもしれません。

成田さんオススメの「シャコめし」

漁師めし

成田さんが地元で足繁く通う食堂を教えてもらいました。その名も漁師食堂「すずなり」。
ここでぜひ食べるべきメニューは、何と言っても「シャコめし」なのだそう。醤油などでシャコを煮た出汁で炊いた炊き込みごはんです。昔からこの辺りの漁師の家庭では当たり前のように食べられてきた、浜の母さん直伝の味です。一口食べるとシャコの風味がふわっと広がり、絶品です。
他にもシャコ天丼やシャコチャーハンなど、聞いたこともないようなシャコのメニューが揃っています。小樽で寿司をつまむのも良いですが、小樽ならではの食べ方ができる「すずなり」へ足を延ばしてみてください。

すずなり

北海道小樽市高島1丁目4-16
0134-24-1231
営業時間:11時~15時、17時~21時(ただし12月1日~4月30日の夜営業は月、木、金曜のみ)
定休日:水曜日

「小樽はたくさんの漁師がいて、いろんな種類のたくさんの魚介類が獲れます。あまり知られていないその事実を、これからは自分たちで発信していかなきゃと考えています」と、成田さん。まずは知ってもらうこと、そして今以上に小樽の多種多様な魚介類を食べてもらうこと。魚離れが進んでいると言われる昨今、小樽の漁業の発展と自分たちの生活をかけて、成田さんは日々奮闘しています。