ディスカバー北海道

大雪木工
-TAISETSU MOKKO-

人を育てて、家具を作る

大雪木工のものづくりの特徴は?

大自然に育てられた木を素材に、家具という人間の暮らしの道具を作る。そのためには、自然へのあたたかいまなざしや、豊かな人間性が求められます。大雪木工では、「人を育てて家具作り。」を理念として掲げ、1983年の創業当時から技術の研鑽はもちろん、様々な研修制度や充実した福利厚生制度で、人間性を高める環境を整えています。旭川の家具メーカーの中には、一つ一つの製品を一人の職人がじっくりと作る会社もありますが、早い時期から機械化を進めることで生産性を向上させ、価格を抑えた家具を製造してきました。旭川家具メーカーでは、屈指の広さを持つ工場では、大型機械を適所に導入するとともに、手作業と機械作業とのバランスを考えながらていねいな家具づくりを続けています。

どんな点にこだわっていますか?

基準の厳しい「国産家具表示認定」を取得しています。しかし、国産家具の定義には、国産材の利用は含まれていません。大雪木工では、できるだけ道産材・国産材を使うようにしており、輸入材にしてもJAS規格やアメリカ広葉樹輸出協会の木材のように合法性が証明された木材を使用しています。また、家具の表面は、家具の見栄えを左右する大切なところであり、化粧合板が使われています。多くのメーカーでは、化粧合板自体を仕入れて作業していますが、大雪木工では突き板と呼ばれる0.2ミリ~1ミリに薄くスライスした板を、家具のデザインに合わせて貼り合わせて作る作業を自社で行っており、職人たちは、こだわりを持って作業しています。

「大雪木工の大切プロジェクト」とは?

これからも、モノづくりを続けてゆきたい。 そのためには、変わるべきコトがある。 小泉誠さん(家具デザイン)を中心に村田一樹さん(グラフィックデザイン)、平塚智恵美さん(コーディネート)、そして、大雪木工のスタッフみんなと一緒に大雪木工のこれからを考える大切なプロジェクトが2016年より動き出しました。これは、ただの製品開発ではありません。これからも「モノ」をつくり続けていくために大切な「コト」を探求し続けるプロジェクト。その探求の先に私たちが見つけるもの。 それを家具というカタチで表現していきます。実は大切プロジェクトを始めた理由のひとつに、「モノづくりのスタイルを本来あるべき姿に見つめ直したい」という想いがありました。それは、「北海道の森」を中心に考えたモノづくり。持続可能性を大切にすることで生じる問題をデザインで解決。さらに用途を限定しない「いろいろな使えるデザイン」によって実現した、いつまでも作り続けられる、そしていつまでも使い続けられる家具シリーズをめざしています。

株式会社大雪木工 代表取締役 長谷川将慶

ここの木の家具: Luonto(ルオント)

「Luonto」は、フィンランド語で「天然」という意味。 その名の通り、北海道産のナラ材を使用したナチュラル感あふれるシリーズで、自然派塗料のオイルフィニッシュ仕上げ。シェルフには引出しの取っ手に3色から選べる牛本革を使用するなど素材にもこだわっています。シェルフは、ソファやテーブル、大きな家具のちょっとした隙間に納まるスマートなサイズ感でありながら、背面仕上げの自立タイプなので、置き場所選びません。

ここの木の家具: Nordlys(ノールリス)

「Nordlys」は、ノルウェー語で「オーロラ」という意味。 北欧テイストあふれるナチュラルでシンプルなシリーズの家具です。センターテーブルやソファ、テレビボードなどのリビング系の家具から、ダイニングテーブルやチェア、キッチンボードなどのダイニング系、コンソールやドレッサー、シェルフなどの寝室系まで幅広いラインナップが揃っています。安全と健康に配慮した自然派塗料で仕上げ、材料にはカバナラなどの北海道産材を使用しています。

[取材協力]株式会社大雪木工