未来づくり感響
プロジェクト 2021

MIRAIZUKURI KANKYO PROJECT 2021

SPECIAL LECTURE
CLASS2

木の種類と役割。
そしてデザインとは?

授業の前半は2020年に作成された学習テキストを用いて、木の種類や特性、そして家具へと生まれ変わる工程について学び、後半からはいよいよスマホスタンドの設計を行います。

出前授業スケジュール

日時

授業の内容

講師

場所

第2回

10月12日
(火)
5、6時限

学習テキストを用いて、木の種類や材料としての性質の違い、デザインについて解説
スマホスタンドの設計

原弘治先生
小助川泰介先生

旭川大学高等学校

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旭川大学高等学校

北海道旭川市にある私立高校。明治31年、澤井兵次郎先生が私財を擲って設立した「旭川裁縫専門学校」を前身とし、平成30年に創立120周年を迎えました。
校訓「自省・努力・創造」のもと、学校スローガンとして「咲かせよう君の未来」を掲げ、道内外で「グローカル()」に活躍する「豊かな人間性・高い志を持った心身ともにたくましい生徒」の育成を目指しています。

※グローカルとは
「地球規模・世界規模」を意味するグローバル(Global)と「地元・地域」を意味するローカル(Local)の2つの言葉を組み合わせた造語。世界規模に展開・通用する考えで、地域の文化や慣習に向き合い、社会のニーズに合った貢献をすること

合同会社フィールドギフト代表 原 弘治先生

合同会社フィールドギフト代表
原 弘治先生

アイスプロジェクト代表 小助川泰介先生

アイスプロジェクト代表
小助川泰介先生

森林資源とその保全について

01

木材標本を使って針葉樹と広葉樹の違いを解説。生徒たちはその重さや見た目、手触りなどの違いを確認しました。

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成長が早く丈夫で軽い針葉樹は、主に建築現場で使用されます。日本では昔から計画的な植林が行われていました。

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それに対して広葉樹は硬くて傷がつきにくいので家具によく使用されますが、重くて加工しづらいのと、太く大きく育つに人の寿命以上の時間が必要になります。そのため、切りすぎると木の成長と量のバランスが崩れ、森がどんどんなくなってしまいます。それは良質な家具を作れなくなるということだけではなく、生物の多様性を保全することができず、回り回って私達人間の生活にも影響を与えることになります。

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柾目と板目の違いを絵に描いてわかりやすく解説。同じ木でも切る場所による模様が異なり、板の名前がそれぞれ変わります。柾目は板目よりもねじれや反りが少なく、昔から良い材料として重宝されてきました。現在は乾燥技術が進み板目も反りづらくなっているので、用途によって使い分けられています。

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旭川では次の世代のために森を育てながら家具を作ろうという取り組みが行われています。「長い時間をかけて育った木の命に感謝しながら森から伐った木のストーリーを考え、それが出来上がった家具の付加価値となるような家具を作っていきたい。また、地産地消による地域活性化は産業の育成に繋がり、それは森を守ることにも繋がる」と原先生は話しました。

木材から家具へ

02

森から運び出された木は、家具などに使用するために木材に加工されます。木材は樹木を人が材料として加工・処理したものです。
一本一本の樹木には個性があり、その一本の樹木の中でも部分によって使用用途が異なります。木材は一般的に石材や鋼材と比べると手に入りやすく加工もしやすいので、家具の主原料となっています。

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「旭川では家具作りにおけるデザインを重要な要素として位置づけています。“デザイン”という言葉は、ただ見た目の良さを示すだけではなく、使いやすさ、買いやすさ、そして耐久性、資源の有効活用など様々な要素を含んでいます。

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また、社会にある問題の改善や、人間の生活をより良くするためのツールでもあります。木は生活に寄り添っていて心を豊かにするので、購入する際は高くても長い目で見るとメリットがあり、環境への負担も少ない」と小助川先生は話しました。

スマホスタンド設計

03

いよいよスマホスタンドの設計がスタート。
生徒たちは第1回目の授業で実際に見たミズナラ、白樺、エゾヤマザクラの3種類の木材の中から2種類を選び、自分のスマホで既存製品を調べて参考にしたり、大きさを測ったりしながら設計を進めていきました。
「自分自身が欲しい、使いたいと思うものを作る」がテーマです。

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スマホで実際の商品を調べて参考に

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自分のスマホに合う大きさを計測

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一枚の木材から何枚の材料が取れるかも、しっかり計算しなければいけません。

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小助川先生のアドバイスに興味津々

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長さや角度について原先生からのアドバイス

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ミリ単位まで細かく記載された設計図

・スマホをどのように立てるかを考えるのは楽しかったけど難しかった。

・1mmのずれもあってはいけないので、慎重に書いたり測ったりするのが大変でした。

・木の家具に囲まれて過ごしたいと思った。

NEXT

次回は旭川家具の聖地とも言える旭川デザインセンターを見学します。
旭川の家具メーカーの個性溢れる商品を見て、生徒たちは何を感じるでしょうか。