未来づくり感響
プロジェクト 2019

MIRAIZUKURI KANKYO PROJECT 2019

TRIAL
CLASS2

木から家具、そして人へ

トライアル授業第2回目は、前回森チーム、工場チーム、販売チームに分かれた3組が、それぞれ専門の知識を学んでゆきます。
販売チームは引き続き旭川デザインセンターで、他2チームは旭川大学高等学校に場所を移して授業が行われました。

日時

授業の内容

講師

場所

第2回

10月29日
(火)
5、6時限

各チームの分野を活かして、旭川デザインセンターで売る家具を考える

【森】
動植物や樹木の役割、林業、生物多様性等について解説
木の種類・特徴や森林保全について解説

清水省吾先生
原弘治先生

旭川大学高等学校

【工場】
旭川の家具材や材料的特徴等について解説
木材の特徴

小助川泰介先生
髙橋謙太郎先生

旭川大学高等学校

【販売】
旭川家具の産業、木製品の実情、取組、流通の仕組みについて解説
旭川デザインセンターに行き、展示家具を見ながらメーカーや
家具職人について解説

松村基子先生
室岩成暢先生

旭川デザインセンター

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旭川大学高等学校

北海道旭川市にある私立高校。明治31年、澤井兵次郎先生が私財を擲って設立した「旭川裁縫専門学校」を前身とし、平成30年に創立120周年を迎えました。
校訓「自省・努力・創造」のもと、学校スローガンとして「咲かせよう君の未来」を掲げ、道内外で「グローカル()」に活躍する「豊かな人間性・高い志を持った心身ともにたくましい生徒」の育成を目指しています。

※グローカルとは
「地球規模・世界規模」を意味するグローバル(Global)と「地元・地域」を意味するローカル(Local)の2つの言葉を組み合わせた造語。世界規模に展開・通用する考えで、地域の文化や慣習に向き合い、社会のニーズに合った貢献をすること

森チーム
「木を知り、森を知る」

Forest

原先生による、木の材料としての性質についての解説からはじまり、生徒はサンプルの木片を実際に手にとり、木の種類による匂いや手触り、重さの違いを確認。

当麻町地域おこし協力隊 原弘治先生

当麻町地域おこし協力隊
原弘治先生

里山部(satoyama)代表 清水省吾先生

里山部(satoyama)代表
清水省吾先生

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同じ木でも切る場所による模様の違い(柾目・板目)や、模様の濃さの違い(晩材・早材)があります。
成長の早い針葉樹と比べ、成長の遅い広葉樹の方が強度があり家具に向いていますが、あまり多く切りすぎると木の成長が間に合いません。
清水先生は次の木が育つまで長い間使い続けられるような家具を作り、森林を保護していこうという取り組みをおこなっています。

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広葉樹の中でも成長が早く、近年家具の素材として注目を浴びている白樺。
同じ場所で長い時間をかけて成長するミズナラ等と違い「先駆種」と呼ばれ、翼のついた軽く小さい種子を風に乗せて広範囲に散布することにより、山火事の跡地など開けた明るい場所で育ち森を形成していきますが、その分寿命が70年程度と短くなっています。

・木も子孫を残すため環境に適応できるように、遺伝子から考えていることに驚いた。(Oさん)

・木の香りがすごく落ち着いた。もっと木について知りたくなった。(Yさん)

工場チーム「家具の役割」

Factory

生徒それぞれの家にある家具の不満に思っている部分や、好きな家具についての話し合いからスタート。その後は家具に使用する木の種類や特徴について、実際に木のサンプルを使用して解説がおこなわれ、どのような木材が家具に適しているか、同じ木材でも使う部分によって違いが出ることを学びました。

昭和木材(株)常務取締役 製造本部長髙橋謙太郎先生

昭和木材(株)常務取締役
製造本部長
髙橋謙太郎先生

アイスプロジェクト代表 小助川泰介先生

アイスプロジェクト代表
小助川泰介先生

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その上で、もし自分たちが家具職人だったらどのような家具を作りたいかを、二手に分かれて考えていくことになりました。

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色味や木目などの見た目、重さ硬さなどを考慮しつつ、その家具がどのようなことに役立つのか、使われ方や目的、安全性や耐久性など全体をイメージして使用する木材も選んでいきます。

・自分が使いやすいという考えだけではなく、相手(顧客)にとって使いやすいと思われる家具を考えることが大事だと思った。(Sさん)

・木から家具になるまでのことを沢山学べて楽しかった。(Yさん)

販売チーム
「流通・販売員の心得」

Sales

前半は旭川家具の歴史や、流通の仕組みについて解説がおこなわれました。
メーカーと問屋、販売店の関係や、価格設定の重要性について学びます。
毎年開催される展示会「旭川デザインウィーク」は、全国からバイヤーや建築・インテリア関係者が集まる一大イベントとなっており、沢山の家具とそれに関わる様々な人々との出会いの場となっています。

旭川家具工業協同組合 松村基子先

旭川家具工業協同組合 
松村基子先生

(株)クリエイトファニチャーチーフデザイナー 室岩成暢先生

(株)クリエイトファニチャーチーフデザイナー
室岩成暢先生

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後半は松村先生が、デザインセンターの家具を一つ一つ丁寧に解説。
それぞれの家具が持つ機能やストーリーを、販売員としてお客さんにしっかり伝え、購入後も喜んでもらえるように最後までお付き合いすることが大事と話しました。

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生徒同士が販売員とお客さん役に分かれた実演販売の体験も行われ、コミュニケーションのコツも学びます。

・一つ一つの家具に特徴があるのを見れて楽しかった。(Aさん)

・家具には色々な種類があり、それぞれにストーリーがあることがわかりました。(Mさん)

NEXT

森チームは実際に森へ行き、工場チームはAISUprojectの工場で家具作り体験。
販売チームでは生徒それぞれが考えた家具のプレゼンテーションがおこなわれ、
最後の授業で発表する「旭川デザインセンターで販売する家具」の代表が決まります。