ディスカバー北海道

外国人が押し寄せるヒラフ
-FOREIGN TOURISTS RUSH IN HIRAFU-

外国語が飛び交う風景

ニセコには多くの外国人観光客が訪れています。特にスキーシーズンともなれば、街にあふれる人のほとんどがパウダースノー目当ての外国人という光景も珍しくありません。
ニセコで最も栄えているヒラフ地区には、多くの外国人が集まってきます。街中は、店の看板やメニューなども英語表記が当たり前で、ホテルはもちろん、スーパーマーケットの従業員でさえ英語対応が普通です。その様子はまるで海外のリゾート地のようで、北海道にいるということを忘れてしまいそうなほどです。ニセコがこのような街になった背景には、オーストラリアを中心とした海外からの観光客に向けて行った、地道なプロモーション活動があります。また徹底した外国語対応への取り組みや、ニセコに魅せられた人々による、地域に根差した活動も大きく影響しているようです。

ニセコに魅せられた人々1

「グラウビュンデン」オーナー渡辺淳子

スキーヤーたちが遊び疲れた時に、立ち寄ってほっとひと息つく店が、ヒラフ地区にあります。まるでヨーロッパの山麓にある山小屋のような外観の「おやつとサンドウィッチの店 グラウビュンデン」です。一歩店内に入ると、ショーケースにはフルーツをふんだんに使った、色とりどりの大きなケーキが並びます。代名詞となるメニューは、サンドウィッチとスイーツ。
創業時より、食材の質にこだわり続けている名物サンドウィッチは、ソフトフランス、ライ麦、ベーグル、フランスパンの4種類、中身の具材は30種類から選べ、ボリューム満点です。季節の果物たっぷりの「フルーツカスタードパイ」もおすすめで、生クリームやカスタードは甘さ控え目で、フルーツそのものが持つ甘みと酸味を際立たせています。見た目には大きく感じますが、優しい調和を味わいながら、サクサクと食べ進めることができます。

1歳の時に父親の事業のため、家族でヒラフに移り住んだというオーナーの渡辺淳子さん。やがてスタイリストとして一度はヒラフを離れ、東京を拠点に世界各地を飛び回る生活を送るようになりますが、心はヒラフにあったと言います。いつか戻ると決めていたものの、レギュラーの仕事が多く、なかなか東京を離れられない中、たまたまご主人が先に仕事で北海道へ移ることに。そこでご自身も、軸足を少しずつ北海道へ移していきました。グラウビュンデンをオープンさせたのは、1990年のこと。ちょうど海外からの観光客が少しずつ増え始めた頃でした。そうしたスキーヤーたちや地元の人たちなど、誰もが気軽に立ち寄れておしゃべりできる場所があまりなかったため「だったら私がつくろう!」と思ったというわけです。現在、ニセコヒラフエリアマネジメントの代表も務める渡辺さん。愛するヒラフのために、奔走する毎日です。

おやつとサンドイッチのお店 グラウビュンデン
所在地:北海道虻田郡倶知安町字山田132-26
電話:0136-23-3371
営業時間:8時~19時(12/23~25は10時~19時)
定休日:木曜日
公式サイト:http://graubunden.jp/wp/
Facebook:https://www.facebook.com/nisekocafe/

ニセコに魅せられた人々2

「NAC」創設者ロス・フィンドレー

冬のスキーリゾートとしてのイメージが強いニセコですが、夏のアクティビティを根付かせ広めたのが、オーストラリア人のロス・フィンドレーさんです。
1989年に来日し、札幌でスキー学校のインストラクターとして働いていましたが、やがてニセコのパウダースノーと自然に惹かれ、倶知安町に移住しました。移住して、ニセコには冬のレジャーはあるが、夏のレジャーが限られていて手持ちぶさたな観光客が多いと感じていたそうです。そこで思いついたのが、ラフティングツアーでした。ラフティングなら、訓練を受けたガイドが同乗するので、誰でも手軽に楽しむことができるからです。

フィンドレーさんは、1995年にNAC(ニセコアドベンチャーセンター)を設立し、夏のアクティビティを日本人に広めていきます。その楽しさは徐々に口コミで広がっていき、年々体験客が増えてきたことに伴い、ラフティング以外にも体験できるメニューも増やしていきました。
そんな中、2001年アメリカ同時多発テロの影響もあり、外国人観光客の目が安全な日本へと向けられるようになります。それまでほぼ日本人しか訪れなかったNACにも、年々外国人観光客が増えていったと、フィンドレーさんは振り返ります。評判はSNSなどを通じて広がり、ニセコ町の商工観光課が発表したところによると、今ではオーストラリアからの観光客だけで年間26,000人にものぼるのだとか(2017年データ)。「みなさんからプラスのエネルギーをもらっている」と笑顔で語るフィンドレーさんこそ、大きなエネルギーに満ちあふれています。

>NAC(ニセコアドベンチャーセンター)