ディスカバー北海道

世界自然遺産
-WORLD NATURAL HERITAGE-

?オホーツク

北海道の北東部に位置するオホーツク地域。オホーツク海と280㎞もの海岸線で接するこの地域は、網走市、北見市、紋別市の3つの市と、斜里町、清里町、小清水町、大空町、美幌町、津別町、訓子府町、置戸町、遠軽町、滝上町、佐呂間町、湧別町、興部町、雄武町の14の町、そして西興部村で構成されています。
気候は冬期間の寒さは厳しいものの、比較的穏やかで、年間平均降水量は800ミリ前後と少なく、日照時間にも恵まれています。
世界自然遺産・知床もあり、豊かな自然景観に恵まれています。中でも1月下旬から3月頃にかけて見ることができるオホーツク海の流氷は、この地域ならではの感動的な景観です。

ACCESS ✈

オホーツク地域には、女満別空港とオホーツク紋別空港の2つの空港があり、東京から105分、新千歳から45分と飛行機でのアクセスが便利です。

女満別空港
札幌(新千歳)・東京(羽田)・名古屋(中部)・大阪(関西)
オホーツク紋別空港
東京(羽田)

オホーツクの気候

冬には最低気温がマイナス10℃ぐらいまで下がる一方、夏には最高気温が30℃近くまで上がります。

【春】4.5.6月

春の日差しに惑わされて上着を忘れると風邪をひいてしまう季節。5月になると10℃を超えて暖かくなってきますが、ひとたび天候が崩れると5℃前後まで気温が下がることも多く、風は冷たいものです。また、GW頃までは降雪がある場合があります。

【夏】7.8月

吹き抜ける風がさわやかな季節。8月でも平均気温が20℃程度と吹き抜ける風もさわやかで過ごしやすいですが、7月下旬から8月初旬にかけては天候がやや不安定で、天候が崩れると気温も10℃をきり、平野部でもガスや霧が発生することがあります。フェーン現象などの影響で気温が30度近くになることもありますが、湿度が低いのでカラッとしています。

【秋】9.10月

日中と朝夕の寒暖の差が大きい季節。9月中は天候が良ければ日中は半袖でもまだ大丈夫です。しかし10月に入ると温度は急激に下がって、長袖の上着が必要になってきます。10月下旬には初雪となる年もあります。

【冬】11.12.1.2.3月

11月になるともう冬です。中でも2月が一番冷え込む時期で、日中でも0℃以下になり、風が吹くと体感温度はさらに低くなります。

世界自然遺産 知床

知床は2005年7月に、日本で初めて海洋を含む世界自然遺産として登録されました。対象は、北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島と、その沿岸海域となっています。
では、数ある日本の自然環境の中で、なぜ知床が世界自然遺産として評価されたのでしょうか。
知床半島は、世界で最も低緯度(南端)で海水が結氷する季節海水域であり、海・川・陸の生物全体が独特の食物連鎖を形成しています。
海氷の融解により供給された栄養塩を求めて植物プランクトンが繁殖し、それを餌とする動植物プランクトンもまた大繁殖します。そして、それらを餌とする魚介類やアザラシなどの哺乳類が知床半島の海域に集まってきます。一方、陸上ではキツネ・ヒグマなどが河川を遡る鮭を餌として捕食するという一大食物連鎖が一年を通して行われています。また、海岸から山頂までの間には、人手の入っていない多様な植生が存在し、シマフクロウ・オオワシ・オジロワシなどの国際的希少種の重要な繁殖地や越冬地となっています。
これら、海に荒く削られた海岸線や最南端での流氷という自然現象、海・陸の食物連鎖を見ることができる貴重な自然環境を有する点が評価され世界自然遺産に登録されました。

知床の見どころ

世界遺産である知床には多くの見どころがあります。観光の名所として特にオススメなのが、「知床八景」と呼ばれる景観です。
また、カムチャッカから千島列島そして知床半島に沿って千島火山帯が走っているため、ここ知床半島には良質の温泉が多く湧き出ています。知床観光の一大拠点となる斜里町ウトロには、大小さまざまなホテル・民宿が点在してウトロ温泉街を形成しています。

【知床八景】

知床五湖

原生林に囲まれてたたずむ幻想的な5つの湖です。周りの樹林や知床連山を湖面に写しながら静寂を保っているその姿は、まさに原始の中の楽園にふさわしく、数多くの植物、動物たちを目にすることができます。高架木道の展望台からは第一湖と知床連山の大パノラマが見渡せます。
利用期間:4月下旬?11月下旬(予定)

カムイワッカ湯の滝

活火山である知床硫黄山の中腹から涌き出る温泉が川に流れ込み、川全体が流れる温泉のようになっています。
利用期間:毎年6月初旬?11月初旬頃まで(予定)

フレペの滝

この滝には川がなく知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、垂直に切り立った約100mの断崖の割れ目から流れ落ちています。ホロホロと流れ落ちるさまが涙に似ていることから、地元では「乙女の涙」という愛称で親しまれています。知床自然センターから遊歩道を歩いて片道20分程です。
利用期間:通年

オシンコシンの滝

途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれています。滝の中ほどの高さまで階段で上がることができ、なかなか迫力があります。また、滝の上にある展望台からはオホーツク海や知床連山を遠望することができ、特に流氷の季節は絶好、見渡す限りの白い海原が感動的です。「日本の滝100選」にも選ばれています。
利用期間:通年

知床峠

斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠です。ドライブコースとしても人気が高く、7月下旬でも見ることができる残雪の白が印象的。さらにここから見る羅臼岳の紅葉がまた見事で、天候が良ければ遠く北方領土国後島も望むことができます。
利用期間:4月下旬~11月上旬(予定)

プユニ岬

ウトロから知床自然センターへ向かう途中の上り坂にある絶景と夕陽の名所です。オホーツクの美しい海岸線やウトロ港が一望できるほか、はるか遠くには阿寒摩周国立公園の山まで見渡すことができます。冬はオホーツク海でも最も早い時期に流氷を見ることができるポイントでもあります。
利用期間:通年

オロンコ岩

その昔、このあたりに住んでいた先住民族「オロッコ族」から、この名がついたといわれています。ウトロ港近くにある、高さが60mもある巨岩です。170段あまりの急な石段を上っていくと頂上は平らで、岩礁が透けて見えるほど青く澄んだオホーツク海やウトロの町並み、知床連山などが広く見わたせます。
利用期間:4月下旬~12月上旬(無雪期)

夕陽台

名前のとおり、夕陽の名所です。知床国設野営場の一角にあり、若い旅人たちのデートポイントとしても人気があります。沈む夕陽が海面に朱色の筋をつくる春から秋、流氷で白く覆われた海面が黄金色に染まる冬、それぞれに美しく印象的です。
利用期間:通年

世界遺産を見に行く前に!

知床世界遺産センター

世界遺産の見どころやリアルタイムの情報を紹介する施設(入場料無料)。ヒグマやエゾシカなどの知床に住む動物の実物大の写真や、ヒグマの爪痕など動物の痕跡の模型を展示し、知床の自然の素晴らしさを伝えるとともに、観光にあたって守るべきルール・マナーも紹介しています。

知床世界遺産センター
斜里町ウトロ西188-10
TEL.0152-24-3255

知床のアクティビティ

知床には観光船やトレッキング、流氷を見にいくツアーなど、1年を通じてさまざまなアクティビティがあります。

【クルーザー観光船】

国立公園内の特別保護地区として厳重な管理下に置かれている知床半島の先端『知床岬』は、道路が開通しておらず、一般観光客の方は事実上立入りができないため、船上からでしか雄大な姿を見ることはできません。クルーザーの船上からは、数々の滝や断崖絶壁、知床連山の雄大な山並みなどを、大型船では味わえない近さで壮大な絶景を体感することができます。また、ヒグマやイルカなど、知床ならではの貴重な野生動物との出会いもあります。

クルーザー観光船 ドルフィン
TEL.0152-22-5018

【ガイドの案内で自然体験】

知床でのガイド・動物の調査等に関わって20年以上の経験を持つガイドとともに、知床ならではの太古からの森、流氷に削られた目も眩むような断崖、大きな自然の中で暮らす動物など、本物の大自然を体全体で味わうことができます。グループの構成人員や体力などに合わせたコース等の相談もできます。

知床の案内人 Rise
TEL.0152-26-7340

【シーカヤックと原生林トレッキング】

波や潮、風の力を受けながらシーカヤックで海を漕ぎ進み、あるいは自分の脚でゆっくりと歩きながら原生林をトレッキング。普通の観光では見えてこない、太古の昔から動物も人も支えられてきた知床の豊かな自然を肌で感じることができます。

ノーザンライツ
TEL.0152-26-7716

【熱気球フリーフライトアドベンチャー】

ロープで固定する係留ではなく、風まかせで飛行する、約40分間、高度500~1,000mの冬季限定の熱気球自由飛行。流氷と世界自然遺産“知床”を眺めながらの空中散歩は言葉では言い表すことのできない“別世界”です。移動距離は風まかせ!すべての景色がシャッターチャンスです。

摩周气船
TEL.0152-67-7869

【流氷ウォーク®】

流氷ウォーク®は、知床の冬ならではの、体験型アクティビティ。専用のドライスーツを着て、流氷が押し寄せるオホーツク海を歩く、この季節、ここでしかできない非日常体験です。
※2・3月の流氷接岸安定期に実施。流氷の着岸状況によっては、設定期間中であっても条件付催行、または中止になる可能性があります。

NPO法人 知床ナチュラリスト協会 SHINRA
TEL.0152-22-5522

【厳冬期の知床五湖エコツアー】

冬の静寂さを感じながら5つの湖を散策します。純白に包まれた知床連山を背景に、足跡一つない湖面をすすみ、ときには寒さを耐えしのぶ動物たちや、海に大きく広がる流氷を目にすることができます。まさに世界自然遺産にふさわしい、厳しくも美しい冬の「知床」を肌で感じることができます。
※厳冬期の知床五湖は、引率指導者として認定されたガイドツアー(有料)による限定利用です。高架木道は閉鎖中で、利用することはできません。※利用期間:1月下旬~3月下旬

知床斜里町観光協会
TEL.0152-22-2125

【協力・資料提供】北海道オホーツク振興局/斜里町観光協会
【参考サイト】知床・斜里町観光協会