ディスカバー北海道

歴史を感じるスポット
- HISTORY -

昭和初期まで関東以北最大の都市として北海道の中でも古くから栄えた函館には、それを感じさせる興味深いスポットが数多く残っています。市内に点在する史跡や建造物、展示施設などを巡り、函館に刻まれた数々の歴史と人々の暮らしをたどる壮大な時間旅行に出かけましょう。

  • 函館で出土した遺物を展示

  • 国宝「中空土偶」

函館市縄文文化交流センター

函館市縄文文化交流センターは、函館市南茅部地区の縄文遺跡群を中心に、市内の縄文遺跡から出土した様々な土器や石器などの遺物を数多く展示する博物館です。同地区にある著保内野(ちょぼないの)遺跡で発掘され、北海道唯一の国宝に指定された「中空土偶」も常設展示しています。精巧に作られた土器や土偶、津軽海峡をはさんで本州と交流していたことを示す装飾品など数々の展示物を通して、当時の人々の暮らしや精神性をうかがい知ることができます。

所在地:北海道函館市臼尻町551-1
電話番号:0138-25-2030 
営業時間:9:00~17:00(11月~3月は16:30まで)
料金:一般300円、学生・生徒・児童150円、未就学児無料
定休日:毎週月曜(祝翌日)、最終金曜、年末年始
http://www.hjcc.jp/

西洋の城塞都市をモデルにして設計された五稜郭

特別史跡五稜郭跡(五稜郭公園)

幕末に鎖国を解いて函館(当時は箱館)を開港地とした徳川幕府は、箱館奉行所を防備するために星型の城郭を築きました。これが、今も当時のままに残る「五稜郭」です。当初の奉行所は、函館港を出入りする各国の軍艦の標的になりやすい函館山のふもと(現在の元町公園)にありました。そこで幕府は、艦砲射撃が届かない内陸への移転を計画。蘭学者の武田斐三郎(たけだ あやさぶろう)が西洋の城塞都市をモデルに描いた設計図をもとに、およそ9年を要して日本初の西洋式城郭を完成させました。そのわずか数年後に起きた戊辰戦争では幕府勢力の最後の拠点となりました。現在は公園として開放されており、当時の時代背景や優れた築城技術に思いをはせながら散策を楽しむことができます。

所在地:北海道函館市五稜郭町
料金:無料
定休日:なし

  • 簡素な佇まいの箱館奉行所

  • 年中行事が行われた72畳の大広間

箱館奉行所

箱館奉行所は、開港地となった函館を防備する拠点として徳川幕府が置いた役所です。完成からわずか7年後の1871年に解体されましたが、建築時の平面図や文献資料をもとに、可能な限り当時の建築材料と工法を用いて2010年に復元されました。華美な装飾を廃して実用性を重視した建物の造りから、緊張感が漂う当時の空気が伝わってきます。館内には、発掘調査の出土品や復元の様子、箱館奉行所にまつわる歴史などを紹介する展示コーナーがあります。

所在地:北海道函館市五稜郭町44-3
電話番号:0138-51-2864
営業時間:9:00~18:00(11~3月は17時まで)
料金:一般500円、学生・生徒・児童250円、未就学児無料
定休日:年末年始、ほか臨時休館日あり
https://www.hakodate-bugyosho.jp/

当時の執務室を再現

旧イギリス領事館

旧イギリス領事館はその名の通り、1913年から1934年まで実際に領事館として使われていました。館内には当時の領事執務室などが再現され、国際貿易港として栄えた函館の歴史を感じさせます。日本全体が緊張感に包まれた開港前夜から、ペリー艦隊来航を契機に函館が国際貿易港として開港するまでの歴史や文化を紹介するパネルや展示物なども多く、激動の幕末を経て国際色豊かな都市となった函館のあゆみを学ぶことができます。建物裏手にはヴィクトリアン調の東屋とブロンズの噴水が置かれた洋式庭園があり、初夏には多種多様なバラの花に包まれます。

所在地:北海道函館市元町33-14
電話番号:0138-27-8159
営業時間:9:00~19:00(11~3月は17:00まで)
料金:大人300円、高齢者・学生・生徒・児童150円
定休日:年末年始
https://hakodate-kankou.com/british/

明治時代の店構えを再現した資料館

市立函館博物館郷土資料館(旧金森洋物店)

市立函館博物館郷土資料館は、函館を代表する観光スポット「金森赤レンガ倉庫」の創業者、初代渡邉熊四郎が1880年に輸入雑貨店として建造した店舗です。1階は土蔵造り、2階は3連アーチの窓が特徴的な洋風の意匠で、函館独特の和洋折衷様式で建てられています。熊四郎はここから事業を発展させ、洋品店、時計店、船具店、倉庫業などを次々に興し、新聞社や銀行までも設立。こうして築いた財産を惜しげもなく函館に投じ、小学校や病院を建て、函館公園の造成に多額の寄付をする等、函館に貢献し続けました。現在は資料館となっており、当時の店の様子や熊四郎の業績、国際都市として商業が一気に発展した明治時代の函館の様子などを、歴史ガイドの解説とともに学ぶこともできます。

所在地:北海道函館市末広町19-15
電話番号:0138-23-3095
営業時間:9:00~16:30(11~3月は16:00まで)
料金:一般100円、学生・生徒・児童50円、未就学児無料
定休日:月曜日、毎月最終金曜日、祝日(GW期間中と11月3日は除く)、年末年始
http://seigasha.co.jp/index.php?pagina=kanemori

高台から函館山と津軽海峡が見える函館公園

函館公園

函館に駐在していたイギリス領事ユースデン夫妻の「病人には病院があるように、健康な人には公園が必要だ」との提言により造成され、1879年に完成した北海道初の洋式公園が函館公園です。現在も造成当時の原型をよくとどめており、国内最古の地方博物館である旧函館博物館、道内初の洋式石橋「白川橋」、現存する国内最古の観覧車など、見どころも多くあります。園内の市立函館博物館には様々な美術工芸資料やペリー来航・箱館戦争・函館大火などに関する歴史資料、市民の暮らしを伝える民俗資料などが展示されており、函館の歴史を概観することができます。

所在地:北海道函館市青柳町17
電話番号:0138-22-7255
料金:無料

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