ディスカバー北海道

ここの木の家具
-KOKONOKI NO KAGU-

ここの木の家具・北海道プロジェクト

100年あまり前、旭川に木工業が生まれた頃のように、できることなら、近くの山から伐り出した木で、家具を作りたい。
?旭川では今、北海道産の木材を使った家具づくりへの気運が高まってきています。題して、『ここの木の家具・北海道プロジェクト』。
実は、ないと言われていた北海道の木材資源はここ数十年で着実に増えており、家具づくりに使う広葉樹も、日本有数の保有量になっています。今こそ、この恵みを産地全体で活用するとき。
「日本の森を守る家具づくり」が、旭川から始まっています。

未来に立派な木を残すために間伐材を有効活用

かつて広葉樹王国と言われた北海道は、80年代半ばまでに太く優良なナラやセンの木を大量に欧米などに輸出してしまいました。
では、北海道の木材資源は減ってしまったのでしょうか。
答えは「NO」。木はつねに成長しており、広葉樹資源の総量は減っていないことがわかっています。
北海道を代表する広葉樹のナラやタモでは、春の成長期になると水分を通す「導管」と呼ばれる孔(あな)ができます。成長が遅く年輪幅が狭いと、孔の部分が多くなるため軽くて弱い材料になります。未来に立派な太い木を残すためには、中径木(直径20~50cm)を間伐する必要があります。中径木には、年輪の幅が広くて硬いものが多く、強度を必要とする椅子などの材料に適しています。旭川家具では、間伐した中径木を有効活用した小椅子などの生産量が増えています。

旭川家具協同組合の取り組み

旭川の家具メーカー41社が加盟する旭川家具協同組合では、『ここの木の家具・北海道プロジェクト』を推進し、丸太の見立てから製材、乾燥、木取りまで、木を長年扱ってきた経験に基づいて「自主基準」を設け、北海道の木の積極的な活用と品質維持に取り組んでいます。
カバ、ナラ、タモ、クルミ、サクラ、イタヤカエデなどの樹種を使った家具で、木部の外観表面の80%以上が北海道で伐採された広葉樹であるものを『ここの木の家具』と定義し、各メーカー共通でクマのイラストのある黄色いタグを付け、「北海道産の木材を使った旭川家具」であることをアピールしています。

[取材協力]旭川家具工業協同組合