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- 2018年 トライアル授業Ⅳ
開催場所
上川総合庁舎
1999年に竣工した上川総合庁舎。外観は、以前この地にあった、上川農業試験場庁舎を模範とした赤れんが調の重厚さを継承し、金属、ガラス、コンクリート素材と調和するデザイン。内装仕上げには、自然を人の手で感じられる素材として、木材がふんだんに使用されている。床材の約40%、壁材の約20%を地場産木材で仕上げている。
TRIAL4
木が持つ多様な可能性を育むこれからの森林づくり
旭川周辺の木
当麻町の家具職人 原さん
原さん手作りの引き出しから出てきたのは木の標本。
旭川周辺の木について、標本を観察していきます。
樹種は、トライアル授業1でネームプレートを作った時にも使用したミズナラ、ダケカンバ、エゾマツの3種類。
・ミズナラ
虎の模様のような虎斑(トラフ)が柾目の板に出るのが特徴。
旭川家具では多く使われてきた樹種。
・ダケカンバ
緻密だが加工性が良く、錦糸光沢があるのが特徴。
・エゾマツ
木目がはっきりしていて白くて軽い。独特な香りもある。
同じ樹種の木片でもよく観察すると模様があったり、黒くなっている部分があったり、エゾマツだけべたべたする場所があったりと色々な発見がありました。
・板目
丸太の中心部付近を通って切断したときにできる木目で、まっすぐ平行な線。割れが少ないため、昔は主流であったが、一つの丸太からとれる量が少ないため、価格は高くなる。
・柾目
丸太の中心部付近を通って切断したときにできる木目で、まっすぐ平行な線。割れが少ないため、昔は主流であったが、一つの丸太からとれる量が少ないため、価格は高くなる。
・節
木材の表面に黒い点のように現れる。枝が生えていた場所なので、ほとんどの材に現れるが、枝が若いうちに枝打ちをすると「無節」になり商品価値が高くなる。
・松脂
マツ科の木から分泌される天然樹脂で、べたべたする。
森林、林業、木材産業
上川総合振興局 佐々木さん
北海道、旭川周辺の森林の現状について
・旭川エリア(上川)は、北海道内で森林面積が最も広く、豊富な森林資源がある。
・針葉樹の人工林でトドマツの60%、カラマツの80%が伐採して利用する時期を迎えている。
・広葉樹は、過去の伐採によって減少しており、製材工場では50%は輸入材(原木)に依存している。
課題
・旭川家具では、道産材の利用促進が進んでおり道産広葉樹の安定的な供給が求められている。
・林業労働者の高齢化
エッセンシャルな林業
里山部(きこり) 清水さん
「木を伐らないきこり」と自己紹介をした清水さん。
誰が何を目的として、何に使うか納得しないと、伐ることは木に対して失礼だと考え、「木を伐らない」ということだそうだ。
現状の林業は、1本数百円にしかならないため大量に伐採して生計を立てている。そのため、高く売れる大きな木が育たない。
これは将来にわたっても、林業の収入が上がっていかない構造のため、山について考える時期に来ている。
清水さんは、林業を農業のように「○○さんのミズナラ」など、木にも生産者による付加価値をつけていきたいとの考えを語った。