未来づくり感響
プロジェクト 2020

MIRAIZUKURI KANKYO PROJECT 2020

学習プログラム学びをテキストに

「未来づくり感響プロジェクト」は旭川地域の中高生を対象に「木育」の一環として家具製造業や林業の将来の担い手確保に向けた取り組みとして2018年に始まりました。集大成の3年目となる2020年では、2018年、2019年に行ったトライアル授業をまとめ、プロジェクトの内容を中高生に伝えるための学習テキストとして形にしました。

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プログラム1(基礎)

目的・ねらい

  • 高校生を対象に「旭川家具の魅力」や「家具製造業や林業の職業としての素晴らしさ」を学ぶ
  • 地域の若い世代への日本有数の家具産地に関するヒト・モノ・ストーリーの発信
  • 地域のエキスパートたちによる、森林や木のものづくりに関する知識と実践のデュアル型教育
  • 家具・木工産業を窓にした、地域の文化、経済、歴史、社会の学習と理解

プログラムの進め方とその内容

  • 旭川エリアの家具産業を下流(家具製品)から上流(森林)へ遡る
  • 林業、製材工場、家具製造工場のなどの現場を見学し、デザイン、営業、販売、企画といった家具づくりに関わる仕事の種類やそれぞれの内容の紹介
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プログラム2(実践)

目的・ねらい

  • 家具産地および木のまち旭川地域が持っている自然、産業、歴史、文化を若い世代に伝える
  • 旭川地域が直面している課題を考えてほしい

プログラムの進め方とその内容

  • 主に高校生を対象に、上流の森づくりから下流の家具販売までの「つながり」を学ぶための入門編
  • 目標「旭川デザインセンターで売るための家具」を考える
    ものづくりプロセスにおける3つの視点から学び・考え、旭川デザインセンターでどんなコンセプトや考え方を持った家具を売るべきなのか考えてもらう
  1. (1)資源・材料の出所である森づくり「森チーム」
  2. (2)木から製品を製造する工場「工場チーム」
  3. (3)家具を消費者に売る販売「販売チーム」
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    収録内容
  • ・プロジェクトの目的
  • ・森づくりから家具製造・販売の流れ
  • ・旭川デザインセンター
  • ・まとめ
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    収録内容
  • ・未来づくり感響プロジェクトとは
  • ・学習ツール
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SUMMARY

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横田 宏樹 静岡大学人文社会学科 准教授 / 座長

本プロジェクトは本来幼少期を対象とする「木育」の一環ですが、家具産地・旭川の現状の課題とこれからの持続性に向けて近い将来の担い手となりうる高校生を対象にするという異質的な性格を持っていました。1年目、2年目と高校生にトライアル授業をしていく上で、とても手応えを感じました。さらに、そのプログラム開発やテキスト作成に向けて、今後の家具産地・旭川の中心的役割を担っていく人たちが集まり、共有された課題や目的に向けて話し合う機会を多く持てたことが何より重要であったと思います。最後の3年目では、副読本というテキストが形として残ったことは、家具産地旭川に独自の教育プログラム開発を本格的にスタートさせる上で重要であったと思います。

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小助川 泰介 アイスプロジェクト代表 / 家具職人

今まで直接PRする機会がなかった高校生に向けて、どのようにこの地域の豊かさを伝えるのがいいのかをプロジェクトメンバーと検討できたことが良かったと思います。また、実際に高校生たちに伝えることで改めて家具をデザイン(計画や設計)することの大切さと今までおざなりにしてきたことが見えて良かったです。

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原 弘治 合同会社フィールドギフト 代表 / ものづくりマイスター&木育マイスター

中高生向けの木育学習教材の開発ということで、家具職人・木育マイスター・森林所有者として携わりました。高校生に向けて、森林での活動や実際に手を動かして木工作に触れるトライアル授業を行い、学習への意欲が沸くようにテキスト内容の検討を重ねました。また、ソフトスキルの向上を狙い、林業(第1次産業)、製造(第2次産業)、販売(第3次産業)の各グループに分かれ、ディスカッションを行うというアイデアも生まれました。完成したテキストを活用していただき、中高生の豊かな未来と森林・木材産業の発展、担い手育成にお役立ていただければ幸いです。

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室岩 成暢 株式会社クリエイトファニチャー チームデザイナー / デザイナー

授業で直接触れ合った学生へは、産地の状況や業界のことを少しは知っていただけたと思います。教材として生かしていただくには、教育の現場や市の熱を上げる必要があると感じております。学生がこの業界に目を向けるきっかけづくりになるのであれば、是非続けていくべき活動だと感じております。

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松村 基子 旭川家具工業協同組合 / 木育マイスター

高校生が地元である旭川の家具に触れ、地元企業を知っていただく良い機会になりました。森や家具工場に実際に行くことで、素材に触れ、つくりを知り、ショールームの商品に触れ、身近な人たちが一から物を作り、販売している姿を見ていただいた事は、普段見ることができない体験であったと思います。

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髙橋 健太郎 昭和木材株式会社 常務取締役 製造本部長 / 林業・木材関係者

プロジェクトを通して、自身の取り組む事業とそれを支える地域・業種・様々な人とのつながりを改めて認識することができました。森から始まり、長い歴史と共に紡がれてきたモノづくりを若い世代に伝え、魅力に感じてもらえるかということは、我々が今後向かう方向を見定めるためにも非常に重要なアプローチであったと考えます。限られた時間の中で、予備知識を持たない学生に全ての事を伝えることは困難ですが、自身と森、木工産業とのつながりに気づかされるきっかけとしては、大きな役割を果たせたのではないかと考えます。

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清水 省吾 里山(satoyama)代表 / 林業・木材関係者

自分自身が「木をどう使うのか」。山とのかかわりを考える上で、座学と現場のセットによる生きた時間を一緒に体験できたことは考えを深める良い機会になりました。高校生にも生活に必要な木の重要性を感じてもらえたと思います。また、木に関係する様々な業種の人たちと意見交換や体験を通すことで、複雑な問題、自分自身のアイデアを膨らませるなど、柔軟性に富んだプロジェクトになりました。こうした機会は心を豊かにし、生きる力の根底になると期待できます。

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青木 栄美花 旭川大学高等学校 教諭 / 教育関係者

このプロジェクトを通して、材料、製造、販売など様々な視点から「木のまち旭川」を知ることができました。そして多くの方とのつながりを築くことができ、このプロジェクトに参加させていただけたことに感謝しています。今後も学生に、地元である旭川について考えるきっかけを与えられるようなサポートがしたいです。

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    収録内容
  • ・プロジェクトの目的
  • ・森づくりから家具製造・販売の流れ
  • ・旭川デザインセンター
  • ・まとめ
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    収録内容
  • ・未来づくり感響プロジェクトとは
  • ・学習ツール
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上川総合振興局のHPでも本プロジェクトを紹介しています。

http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/sr/nsr/kannri/rikatu/syoukai/kankyouprojekut.htm