

Designer Interview
Designer Interview
都市と文化、歴史の延長線上に位置する
革新的レジデンスに込めた想い
Architect Design
Architect Design
Landscape & Design
この街の起源は遠く飛鳥時代までさかのぼり、日本最古の正史「日本書紀」にもその名が記載されている由緒正しい地名なのです。
その頃、天智天皇が朝鮮半島における白村江の戦いで唐と新羅の連合軍に敗れ、その後に国内の防備を堅固にするため、天智4年(665年)に築いた古代の山城が「大野城」だったのです。この城は自然地形を生かし築造され、筑紫地域を一望でき、遠く玄界灘も望むことができました。
現在、大野城市内には国の特別史跡である「大野城跡」と「水城跡」や、市史跡である「善一田古墳群」、万葉集でも謳われた「御笠の森」などの遺跡・文化財が残されており、歴史の浪漫を感じることができます。それらは令和2年(2020年)には文化庁より『古代日本の「西の都」~東アジアとの交流拠点~』として日本遺産広域認定を受けました。
また、「大野城跡」は平成18年(2006年)に(財団法人)日本城郭協会から「日本100名城」に選ばれています。
本市は遙か古代から続く人の足跡が今に残り、大野城跡が街のシンボルともなっているエリアです。そして、このような立地特性から生まれる「誇りを感じられる特徴」を、住まいに対する前提条件として位置づけすることができるのではないかと考えました。
その上で土地の伝統と、そこから生まれる優位性をなんとか建築物に反映できたらという事を、デザインを行う際にテーマとしました。
大野城の力強さとか歴史的背景を今回は「砦」という部分を引き出して建築に表現できないかと考えたことが、デザインコンセプトになります。「砦」といえば強い・強靱な、敵から守るという皆さんご存じのイメージなんですが、そこに住まうということは、住まう方のプライドや意識などという想いが高まっていくのではないかと思います。
さらに、そのポイントを強調すべくスラブデザインは、力強さの象徴とも言うべき稲妻型を採り入れています。
カラーリングでは、「砦」の原点として、石垣と白い漆喰、黒い板塀というものがあるのですが、本物件ではそのイメージを活かすべく外壁にはタイルで無く、漆喰のイメージも含めて打ち放し風の塗装で外観を纏めてみました。このように、周辺の住まいとは異なるイメージを徹底的に追求して、デザインを進めています。
そうですね。道路に面したファサードは細長く、上に向かっていっているのですけど、実は階層ごとのリズムと最上階のリズムに工夫を行っています。最上階は、また一段高いデザインを採り入れることで天守のイメージも採用しているということもポイントではないかと考えています。
その上で、「革新的な都市の要塞」「都市と文化、歴史の延長線上に位置する革新の住宅」という想いを、住まいに反映しました。
エントランスホールは、単なるエントランスから続く空間という考えではなく、「砦」の趣を強調した外観デザインと調和した仕様にしたいと考えました。そして「外」と「内」をつなぐ「中間領域」という概念を元に、日本家屋で言えば縁側のようなものをエントランスホールとして仕立てました。そこは「中」なんですが「外」というようなイメージが特徴になっています。
外から入ってエントランスホールの先に中庭があるのですが、そこは、奥でありながら「光と風が舞うことができる場所を創る」ことをテーマに空間設計を行いました。特に印象的な箇所として、植栽も少なめに設定。むしろ象徴的な「中間領域」のポイントとしての、ポジショニングをとりました。その上で、帰った時に「ほっ」とする空間であり、安心感を与えるくつろぎの空間としています。
内壁に関してもできる限り、柔らかいイメージを感じていただける素材を使用しました。特に茶色い壁は、趣のある空間に仕上げつつ、そこを歩む入居者の方々を、それぞれの住戸に誘っていくというような空間設計を行っています。さらに、エントランスホールは椅子などを置くことが近年は増えています。しかし、ここではできる限り何もおかず、住民の方々の立ち話や日々の正常感のようなものを感じていただける場所として仕上げているのが特徴となっています。
第一に、全邸を角住戸とすることができました。このことでそれぞれの住まいを多面採光として、空間に多くの陽光を招き入れることが可能となっています。
開放感や心地よい通風も実現していることも魅力ではないかと考えています。さらに、各邸の独立性が高まり、洋室が共用廊下に面していないことにより、プライバシー性に恵まれていることも住まう方にとって長所ではないでしょうか。
住まいをより有効活用するためには、収納の充実は大切なことです。そのため、全邸にワードローブに余裕が生まれ季節物などの収納にも便利なウォークインクローゼットや、靴だけでなく雨具やスポーツグッズも置けるシューズインクロークなどもレイアウト。荷物の多い方でも安心していただける仕様としました。
また、玄関には全邸とも扉からの視線を遮るクランクイン玄関を採用しました。このことで来訪者に住まいの中を覗かれることを抑制しています。
バルコニー面には住まいをより明るくするため約2.2mのハイサッシを設けています。※Cタイプを除く
そして、リビング・ダイニングと洋室(1)には輻射熱により健康的に空間を温める床暖房を標準装備。バスルームでは、通常は約2,000mmである天井高をスペースの広がりを感じられる約2,150mmとして、床には暖かみがあり掃除もラクな「ほっカラリ床」を採用しました。また、キッチンなどの水まわりではタッチレス水栓を配し、暮らしの安全を守るセコムのセキュリティなどもご用意しています。
ガス温水式床暖房
タッチレス蛇口一体型
浄水器付き水栓
ほっカラリ床
※実際の色とは異なります。