ディスカバー北海道

山岸牧場 さくら工房
-YAMAGISHIBOKUJO SAKURAKOBO-

北海道十勝で酪農を60年

 酪農王国とよばれる北海道。山岸牧場は、十勝北部の士幌町佐倉地区で60年に亘り、家族経営で営んでいる牧場です。恵まれた自然環境の中で育成型の酪農に取組み、子牛から親牛まで合わせて約300頭の牛を愛情を持って育てています。山岸牧場では、全国でもトップレベルの高品質な生乳をつくっています。その陰には自家産の飼育料をベースとしたバランスがよく栄養豊富なエサや、牛が気持ちよく過ごせる環境づくりなど、さまざまな努力が隠れています。
 「健康な土をつくり、健康な牧草を与え、健康な牛を育てる」。
 この酪農家としての誇りと愛情を込めた生乳を原料乳としてだけでなく、より多くの人に知ってもらいたいとの想いから、2010(平成22)年4月に『さくら工房』を牧場内にオープンさせました。
 酪農家自ら手がけることで、原料から製品化まで責任を持って食卓にお届けします。

酪農に興味をもってもらえるきっかけとして

 「うちの生乳はおいしい」「地元から何か発信したい」という気持ちから『さくら工房』を立ち上げたのは、山岸厚子さん。娘でマネージャーを務める北出愛さんと息子の嫁の里美さんともにヨーグルトを作っています。
 北出さんは、TPPがきっかけで危機感を覚えたそうです。「あたりまえにある酪農という職業や、幼いころから見慣れた景色がなくなるかもしれないと思いました。続けていくためにはどうしたらいいかと考えてたどり着いたのが、酪農がもっとみんなに必要とされること、もっと身近な存在になること。それを少しでも実現するために自分たちでできることのひとつが、ヨーグルトを作ることでした」と北出さん。

生乳100%ヨーグルト

 山岸牧場で日々大切に育てている牛たちの絞り立ての生乳だけを使った、一つ一つ手づくりのヨーグルトです。着色料、香料、保存料などの添加物は一切使わず、極めてシンプルな原料と製法にこだわっています。自家製生乳を100%使用したヨーグルトは、酸味が控えめで後口があっさりしているのにコクがあると評判です。酸味のバランスと口当たりを良くするためにブレンドした乳酸菌に最適の発酵温度・発酵時間で製造しています。また、衛生管理を徹底するため、北海道HACCP(ハサップ)も導入しています。
 「乳脂肪分の高いノンホモ(脂肪球を分解していない)生乳を使っているので、開封時には上部に生クリームの層が浮いていて、食べた方には『クリームの層の取り合いになる』とよく言われます。かき混ぜると、なめらかでクリーミーな味わいになります」と北出さん。「牛乳本来の自然のおいしさを賞味してほしい」。そんな酪農家としての願いと愛情をたっぷり注いだ、毎日食べても飽きない自慢のヨーグルトです。

[取材協力]株式会社山岸牧場