ディスカバー北海道

北海道バイオインダストリー
-HOKKAIDO BIO-INDASTRY-

2年連続で選定された北海道バイオインダストリー

 株式会社北海道バイオインダストリーは、創業時より「北海道の農産物が持つ力を最大限に引き出し、真に健康づくりに役立つ製品を、北海道の地から発信する」思いがあります。北方冷涼地における稀少野草や野菜の栽培試験から機能性の賦活化を高めるための加工法の確立、更には製品開発から販売までを一貫して行うアグリ・エコ インダストリー(農業生態産業)の実現をめざしています。
 昨年、北のハイグレード食品に選ばれた『北海道タマネギドレッシング』は、辛味の強い北海道産もみじ系タマネギを、特許技術「BRC(バイオラショナルコントロール)製法で加工することで、タマネギが持つアミノ酸や酵素を反応させ、記憶を司る脳海馬の酸化を抑える抗酸化成分DPTS(ジプロピルトリスルフィド)を生成するとともに、旨味成分を凝縮させています。美味しさとコンディショニング力の双方を実現した、これまでに無いドレッシングとして高い評価を得ました。

タマネギの健康機能を飛躍的に高めたBRC製法

 植物には、昆虫や微生物などの外敵から身を守るために、外敵が嫌がる物質を作り出す自己防衛反応を持っています。これによって生成される物質(二次代謝産物)の中には、私たち人間の生体調節機能に有用な成分があることが明らかになりました。
 BRC製法とは、この“植物の自己防衛反応”を科学的にコントロールして、人間の生体調節機能に有用な成分を作り出す製法で、これまでの製品には無かった加工法です。例えば、タマネギは傷をつけたり刻んだりすると“ツーンとする匂いを発し目にしみる”ことがあります。これはタマネギがキズを治そうとして分泌する“硫化プロピル成分”によるものですが、この成分が私たちの健康づくりに欠かせない物質なのです。硫化プロピル成分は揮発性が高い為、通常の調理では失われてしまします。そこで、BRC製法によってより多くの硫化プロピルを発生させ、生成物質が損なわれないように乾燥粉末化して油分に封じ込めるという一連の工程で製品化を行っています。
加工には一切の添加物を使わず、タマネギ本来の「健康成分」を「切ること」や「加熱すること」だけで凝縮した画期的な製法で、ニ次代謝産物として生成されるDPTS(ジプロピルトリスルフィド)を従来の加工方法の約15倍生成することが可能です。DPTSは、動脈硬化や肝機能の改善、認知症の予防にも役立つことが期待されています。

北海道深み玉葱ドレッシング

 昨年選定された『北海道タマネギドレッシング』の改良版。「たくさんの人の手に取ってもらうことも企業価値と考え、流通に適さない規格外の道産玉葱を使い価格をぎりぎりまで抑えたのが『北海道深み玉葱ドレッシング』です。商品名にも新たに?深み”という言葉を加え、他のタマネギドレッシングとの差別化を図りました」と同社代表取締役の村上季隆さん。
 スタンダードな商品に加えて、どちらも北海道を代表する産品である羽幌甘エビ香味、とうもろこし香味の2種を加えてシリーズ化。羽幌甘エビは頭や殻といった未利用資源を使うのですが、水揚げ・加工後すぐに現地でローストしてもらうことで臭みを抑え、鮮やかな赤色を出しています。とうもろこし香味も、コーンポタージュをイメージし、粒感を出すために製造元に独自の規格で刻んでもらうなど、商品の魅力アップのためにさまざまな工夫が凝らされています。

[取材協力]株式会社北海道バイオインダストリー