1957年より続く、デザインの質を評価する賞です。
製品だけでなく、サービスやシステムなど、あらゆるものが対象。デザインが私たちの暮らしや社会をより良くするという理念のもと、審査を通じ新たな発見を促し、Gマークと共に社会へ発信することで、デザインの可能性を広げています。
複雑化する社会において、デザインは課題解決の鍵となり、より豊かな未来を創出するための力となっています。
審査委員の評価
軒先が軽やかで実に印象がよい。1階住戸は外部に背を向けることなく、専用庭が外部に対して半開きになっている。さらにはこの庭から住戸へのアクセスも確保し、住宅の多様な使い方を可能にしている。景観面での配慮を含めて立地地域と積極的に関係を持とうとするこのようなデザインは評価された。 同時に、各住戸のフロンテージの広さは隠れた秩序として重要である。バルコニーや庭はある程度の幅があることで安定的な居場所としても機能し、室内と一緒に使うことによる居住者にとっての空間の有効活用が促される。そのバランスを追求して行くことも大事である。
審査委員の評価
ビーチライフが楽しめる集合住宅というのはコンセプトとしてはよくあるが、なかなか良いデザインに帰着しない。本プロジェクトでは1階の樹木と領域をつくる低い塀と住戸の関係に大変に工夫があって、単につなぐだけでも閉じるだけでもない、ビーチライフの日常のリアリティに上手くつながった「使って楽しく雰囲気のよい」というありそうでなかったグラウンドレベルのデザインができている。またそうしたグラウンドレベルの在り方と、外観全体のデザインのヒューマンスケールで有機的な表情がうまく調和されていて、ビーチライフ型の集合住宅のスタンダードになりえるようなプロジェクトだと思う。
審査委員の評価
共同住宅の計画で腕が問われることのひとつは、設置階の周囲とのつながりのデザインだ。この計画では大通り沿いにエントランスホールを設け、大通りを風景として取り込みつつ、外側にベンチを設けることで、道路からエントランスの中を直接見られることを防いでいる。差し出すものを少しだけ作ることによって、内外を調停する、秀逸なデザインだ。ベンチそのものはバス停の待合としても機能し、地域とのつながりという意味でも素晴らしい試みだ。
審査委員の評価
本対象はパッシブソーラーシステムとアクティブソーラーシステムとの融合を目指した、ハイブリッド集合住宅である。他にも水盤付きの中庭によって周囲と温度差を作って風を生み、それらをスムーズに室内に通すなど、細かな工夫が随所に見られ、リーズナブルに環境共生型集合住宅を実現させている。