ディスカバー北海道

湧き水天国
-PARADISE OF SPRING WATER-

羊蹄山麓の湧き水

羊蹄山麓の湧き水は、「京極の噴き出し湧水」として環境省の認定する「名水百選」に選ばれ、「北海道遺産」にも選定されています。それほどまでに質の良い水が湧いているのは、羊蹄山に雪や雨が降り注ぐところから始まります。溶岩や火山灰の中に染みわたった雪や雨水は、実に50年から100年もの歳月を経て地下に浸透し、濾過されていきます。こうしてじっくりと濾過された浸水は、やがて溶岩と粘土層の境目で行き場を失い、地表に湧き出てくるというわけです。

給水ポイント

羊蹄山麓の湧き水があふれている場所は数えきれないほどあり、給水ポイントもいくつか設けられています。名水を無料で汲めるとあって、札幌や他道内からわざわざ湧き水目当てに訪れる人も多いのだとか。ここでは、そんな給水ポイントを3つほどご紹介しましょう。

1.京極町ふきだし公園

国内でもトップクラスの水量を誇るのがここ「京極町ふきだし公園」。道の駅「名水の郷きょうごく」が隣接していることもあり、人口3500人の町に年間約70万人が訪れる観光スポットになっています。水温は年中、約6.5度の一定の水温を保っており、一日に8万tもの水量が湧きだしています。

所在地:北海道虻田郡京極町字川西

2.真狩村湧水公園

ニセコ町から真狩村に入ったところにある給水ポイント。「京極町ふきだし公園」とは、羊蹄山を挟んでほぼ反対側に位置します。水汲み場にはたくさんの蛇口が取り付けられていて、休日にはポリタンクや何本ものペットボトルを持って訪れる人の姿が多く見られます。

所在地:北海道虻田郡真狩村社215

3.ニセコ名水甘露泉

ニセコグランドホテルの向かいにある「さかもと公園」の中にある給水ポイント。甘みのある湧き水の名称は、1954年に昭和天皇が湧水をお召し上がりになった際に、「甘露である」とのお言葉が由来だそうです。
この水をわざわざ汲みに来て、料理に使用しているニセコエリアのレストランやカフェもあるそうです。
毎分1ℓの湧水量がありますが、水圧の関係で勢いよく噴き出すこともあるそうなので、汲む際は要注意です。

所在地:北海道虻田郡ニセコ町ニセコ413

名水が生んだ商品

名水のあるところに、おいしいものあり。羊蹄山麓の湧き水も、もちろん例外ではありません。湧き水を使った地元グルメはたくさんありますが、ここではその中から3つをピックアップしてみました。

1.豆腐

給水ポイントで紹介した、真狩村湧水公園に隣接する「湧き水の里 名水とうふ」。ここでは、常時20種類ほどの豆腐および大豆を使った商品が揃っています。しかも、そのほとんどが試食可能というのもうれしいところ。給水ついでにおいしい豆腐もゲットしちゃいましょう。

一番人気「すごい豆腐」
何がすごいのか?食べればすぐに分かるそうです。
「濃厚なチーズケーキを食べているかのような」と表現されるほど、大豆の濃厚な甘みがストレートに感じられる逸品です。おいしさの秘密は、大豆を皮ごとすりつぶし、羊蹄山の湧水で炊き上げることによってできる豆乳です。パッケージには、通常の水ではなく豆乳に浸かった状態で入っています。

湧き水の里 名水とうふ
所在地:北海道虻田郡真狩村217-1
電話:0136-48-2636
無休
8:00~18:00(11~3月は9:00~17:00)

2.コーヒー

ニセコ町の有島記念館の近くにポツンと佇む「高野珈琲店」では、羊蹄山の湧水を使ってコーヒーを淹れています。なんとオーナーは羊蹄山の湧水に惹かれて札幌から移住してきたほどで、「羊蹄山系の湧水は全国的にも珍しい超軟水で、クセがなくコーヒーに適している」のだとか。
提供されているコーヒーの豆は全てスペシャルティコーヒー(味や品質管理レベルが一定以上と判定されたコーヒー豆)で、豆によって個性があり、豊かな酸味や香り、フルーティーな特性などを持ち合わせています。
こだわりのコーヒー豆と湧水で淹れたコーヒーを、店内の窓越しに額縁に入ったような羊蹄山を眺めながら味わうのは格別です。

高野珈琲店
所在地:北海道虻田郡ニセコ町有島126-90
電話:0136-44-1620
定休日:火・水曜日
営業時間:10時~18時(豆販売は19時まで)
公式サイト:http://www.takano-coffee.com

3.ベーグル

道の駅ニセコビュープラザでも買える「SEED BAGEL & COFFEE COMPANY」のベーグルも、湧水の恩恵を受けた味わいです。お店の場所は、こちらも有島記念館のすぐ近く。
独学でベーグルづくりを始めたオーナーは、試行錯誤する中で、北海道産の小麦と天然酵母を使用した生地をこねる際のほか、茹でる工程でも湧水を使用してみたところ、味が濃くなったそうです。つなぎめのない形成方法もオリジナルで、お店の特徴になっています。
イートインでは、スモークサーモンをサンドしたベーグルなども味わえます。
もちもち食感のベーグルは、期間によっては札幌などでも購入可能。詳細はFacebookで発信しています。

SEED BAGEL & COFFEE COMPANY
所在地:北海道虻田郡ニセコ町有島61-5
定休日:不定休
営業時間:シーズンで変更。webにてご確認ください
公式サイト:http://seedbagel.com
Facebook:https://www.facebook.com/seedbagelniseko/