ディスカバー北海道

地元人
-JIMOTOBITO-

羊蹄山麓に住み、地域を愛する地元民だからこそ知っている、おいしいものや美しい景色。観光で訪れただけではなかなか知ることができないようなポイントについて、教えてもらいました。ニセコ在住で地域のためにさまざまな活動を展開している、パワフルで笑顔の素敵な向田薫さんです。

ニセコ中央倉庫群館⻑向田さん

ニセコ中央倉庫群館長 向田薫さん

札幌出身。札幌市立高等専門学校(現・札幌市立大学)で建築を学び、卒業後は京都の会社に就職。石川県で金沢城の再建に携わるなど、ご本人曰く「私は運がいい!」という大好きな仕事を経て、札幌にUターン。ご主人とかねてより憧れだったニセコへの移住を果たしたのは、約10年前のこと。ニセコ町役場で嘱託職員として働いた後、ニセコの中央倉庫群館長に就任しました。4年前にはヘリテージマネージャー(※)の資格も取得しています。

※ヘリテージマネージャー……地域に眠る歴史的文化遺産を発見し、保存し、まちづくりに活かす能力を持った人材

カフェになっている旧でん粉工場

ニセコ中央倉庫群

ニセコの駅前には、かつて、鉄道で農作物を運ぶための集積場として造られた歴史的建造物が建っています。1号倉庫・2号倉庫・12号倉庫・13号倉庫・肥料新倉庫・旧でんぷん工場の6つの倉庫群です。現在は、元の役目を終え、カフェやイベント会場、地元住民のくつろぎの場所として利用されています。

ニセコ中央倉庫群
北海道虻田郡ニセコ町字中央通60-2
0136-55-5538
営業時間:9:00~22:00 定休日:火
https://www.facebook.com/chuo.souko/

ニセコ大橋からの眺望

風景

ニセコの絶景ポイントは数あれど、そこは中央倉庫群の館長を務める向田さん、やはり倉庫群を見渡せる景色がお気に入りスポットのようです。場所は、平成6年に完成した黄色に塗装されたカラーリングが特徴的な「ニセコ大橋」の上から。連なった赤い屋根とその間にある茶色い木造の建物の中央倉庫群の背景に堂々たる羊蹄山の姿が。美しい羊蹄山と歴史的建造物のコラボレーションは、ニセコの自然と歴史を一度に感じられる、まさに絶景と呼ぶに相応しい光景です。

ニセコ鍋1,200円(税別) 2名から注文可

ご当地グルメ

向田さんお気に入りのご当地グルメは、「ニセコ鍋」。なんでも、昭和天皇行幸の際、ご宿泊先の昆布温泉「ニセコグランドホテル」で召し上がったのが、この「ニセコ鍋」なのだとか。残っていたレシピを頼りに復刻した「ニセコ鍋」は、地元の「居酒屋 松」などで食べることができます。醤油ベースの出汁に地元の山菜をはじめ、キノコ類や豆腐など具だくさんで、味の決め手となる親鳥を使用した鶏団子が、いい出汁になっています。「打ち上げの時など、もうほとんどこれですね」と、熱々のお鍋を前に向田さんの顔も思わずほころびます。

居酒屋 松
北海道虻田郡ニセコ町字富士見45
0136-44-3656
営業時間:18:00~24:00 定休日:日、祝

ニセコ温泉部

温泉が大好きという向田さん。なんと、好きが高じて部活動まで行っているというではありませんか。その名も「ニセコ温泉部」。「湯めぐりはスポーツだ!」を合い言葉に2014年に発足し、温泉好きの大人たちが集まって本当に部活動のように楽しんでいるそうです。ニセコ温泉部の副部長と事務局を兼任する向田さんは、温泉ソムリエアンバサダーと温泉観光士の資格も持っているというから、その本気度がうかがえます。また、向田さんは後志に住む女性たちと「しりべし女子会」(略して「しり女」)なるものも立ち上げています。どちらもFacebookで地元の魅力を発信しているので、観光前にチェックしてみるのもいいかもしれません。