ディスカバー北海道

檜山 1
-HIYAMA-

?檜山ってどこ?

北海道の南西部、渡島半島(おしまはんとう)の日本海側に位置し、離島の奥尻島を含む檜山。江差町(えさしちょう)、上ノ国町(かみのくにちょう)、厚沢部町(あっさぶちょう)、乙部町(おとべちょう)、奥尻町(おくしりちょう)、今金町(いまかねちょう)、せたな町の全7町で構成されています。総面積は2,630km2で佐賀県よりやや大きく、全道の3.2%を占めています。西部は日本海側に面して平野が少なく、7町のうち5町が海岸線を有しています。

気候は、北上する対馬海流の影響を受けて比較的温暖です。年間平均気温は10.9℃(2015年江差町)と全道でも気温の高い地域です。

いわゆるメジャーな観光地ではないため、観光ガイドではあまり紹介されていませんが、海岸沿いには切り立つ断崖や奇岩が連続し、夏には穏やかで澄みわたった海とそこに沈む美しい夕日を眺めることができます。また、すばらしい景観を有する「檜山」、「狩場茂津多(かりばもった)」の2つの道立自然公園があり、海、山、温泉等の自然に恵まれていて、「知る人ぞ知る北海道」の魅力が多くあります。

江差のシンボル江差町

北海道文化発祥の地といわれる江差町。江戸時代のニシン漁最盛期には、「江差の五月は江戸にもない」といわれるほど繁盛を極めたそうです。

そんな江差町のシンボルが、「かもめ島」。上空から見ると、南北に細長く中央がくびれた特異な形がかもめの羽ばたく姿に似ていることから、その名がついたといわれています。ゆっくり歩いても約2時間で一周することができる周囲約2.6kmの小さな島で、島には瓶子岩(へいしいわ)や千畳敷などの奇勝が点在します。

現在、檜山道立自然公園の特別区域に指定されていて、美しい自然の小島として多くの人から愛され、海水浴場やキャンプ場、カレイやホッケなどのフィッシングスポットとしても親しまれています。

◎かもめ島
北海道檜山郡江差町字鴎島
函館から車で90分

    かもめ島には、自然が作り上げたアートがたくさんかもめ島には、自然が作り上げたアートがたくさん

  • 【瓶子岩】(へいしいわ)

    かもめ島の前浜にあるこの岩には、こんな伝説があります。
    今から500年ほど昔のこと、さまざまな予言をする折居様(おりいさま)と呼ばれるひとりの老婆がいました。ニシンが不漁続きで飢餓に至った時、老婆はかもめ島で神の使いから小さな瓶を渡され、教えられた通りに瓶に入った神水を海に注いだところ、江差にニシンが群来(くき)るようになったといいます。この瓶が石と化して海上に現われ、瓶子岩になったと伝えられ、以来、海の守り神として大切にされています。

    毎年7月の第一土日に開催される「かもめ島まつり」では、町内の若者たちによって全長30m、重さ約500㎏におよぶ大しめ縄をかけかえる勇壮な行事があります。

    ※群来:産卵のためにニシンが群れをなして沿岸に回遊してきて、海一面が真っ白に染まる

  • 【千畳敷】

    かもめ島の北西側にみられる、岩盤が波によって浸食された跡で、たくさんの畳を敷きつめたような見た目から、「千畳敷」と呼ばれるようになりました。

    江戸時代中期に描かれた「江差屏風」には、千畳敷に桜を運んで宴を催している様子が描かれています。

  • 【義経と馬岩の伝説】

    かもめ島の東側、えびす浜に面した波打ち際に、白馬が首を上げ、いなないているかのように見える岩があります。「馬岩」と呼ばれるこの岩には、こんな伝説があります。

    かつて奥州平泉から源頼朝に追われた義経は、江差に逃れ住んだ後、葦毛の愛馬をかもめ島に残して再び出発しました。しかし、馬は雨の日も風の日も海辺を離れずに義経を待ち続け、やがてそのまま岩となってしまいました。それがこの馬岩だと伝えられています。江差には、この他にもいくつかの義経にまつわる伝説が残っています。

「江差追分」?江差町

江差追分は、日本を代表する民謡です。

起源については文献もなく成立年代も不明ですが、その昔、信州の中山道辺りの街道を往来する馬子たちが唄っていた馬子唄がルーツだといわれています。その馬子唄が一種の流行唄として全国各地に広まり、越後に伝わったものは船頭達に舟唄として唄われるようになりました。やがて、蝦夷地通いの北前船の船頭や船子たちによって江差に伝わった「越後追分」と、それ以前から伝わっていた「松阪くづし」(謙良節として唄われていたもの)が融合して「江差追分」になったとする説が有力だといわれています。

以来、多くの歌い手によって磨かれ、歌い継がれて、いつの頃からか日本人の心の奥に共感を呼び起こす唄として全国に広まり、現在ではブラジル、ハワイ、ロサンゼルス、サクラメント、サンフランシスコの海外5支部を抱える、世界に誇る伝統文化と呼ばれるまでに成長を遂げました。

1963年から全国大会が開かれているほか、「姥神大神宮渡御祭と江差追分」として、2004年北海道遺産(道指定無形文化財)に認定されています。

江差追分会館では、「江差追分」の実演を1日3回(4月上旬~10/31)見学することができます。
また、ゴールデンウィークと姥神大神宮渡御祭の期間は、「江差追分」に加えて「追分踊り」、「郷土芸能」の実演が行われます。

◎江差追分会館
北海道檜山郡江差町中歌町193-3
函館から車で90分
江差追分公式サイト

江差の人たちが1年で最も待ち焦がれるという祭り江差の人たちが1年で最も待ち焦がれるという祭り

【姥神大神宮渡御祭】
(うばがみだいじんぐうとぎょさい)

およそ370年前からニシンの豊漁に感謝を込めて行われているお祭りで、北海道最古の祭りとされています。「江差追分」とともに北海道遺産に認定されています。

毎年8月9日~11日には町は祭り一色になり、観光客や町外にいる江差出身者の帰省で人口が約4倍にも膨れ上がると言われています。

3基の神輿に供奉(ぐぶ)する形で13台の山車が祇園囃子の調べにのって町内を練り歩きます。絢爛豪華な山車が一堂に集結する姿は圧巻です。

◎姥神大神宮
北海道檜山郡江差町姥神町99-1
函館から車で90分

【協力・資料提供】
北海道檜山振興局/江差町役場