ディスカバー北海道

エーデルワイスファーム
-EDELWEISS FARM-

家族で楽しむためだけのハムやベーコン

 ファームの歴史は、昭和初期、横浜の貿易商(ノザキのコンビーフ創立者)の息子とニシン漁で一財を築いた小樽祝津の網元青山家の娘が出会い結婚。いつかふたりは「自然を楽しみながら、本当に美味しいものを作って食べる暮らしをしたい」という夢を持ち、 十勝の大樹町の郊外に150ヘクタールの原野を購入し、トラクターで開拓しながら牧場経営を始めました。
 50年以上にも亘り家族で楽しむためだけに作られていたハムやベーコン。あるときホテルシェフの間で噂となりました。特に札幌グランドホテルの料理長の評価は高く、「全国各地、本当に美味しいハムやベーコンを探したけど見つからなかった。まさか、こんな身近にこんな美味しいハムやベーコンを楽しんでいるところがあるとは。ぜひ、商品化してほしい。」と言われたことがきっかけとなり、1986年秋に初めて商品として世に出ることになりました。

本場ドイツでも失われた古典製法

 ハムづくりの本場ドイツでは、注入器を使って肉の中に漬け込み液や保存料を注入して作る方法が一般的で、およそ1週間程度で製品となります。
 一方、エーデルワイスファームの製法は、とにかく手間と時間をかけます。本場ドイツでも失われた古典的製法と、4週間にわたる長期氷温熟成によって塩漬け熟成し、じっくりと仕上げていきます。“凍るか凍らないかの温度(氷温域)”で長期熟成すると、肉だけではなく脂身まで驚くほど美味しくなるのです。しかし、こんなに時間も手間もかけるのは、趣味か道楽でしかないと百貨店バイヤーやハム業界の方々には呆れられるほどです。また、スモークする際には、日本では一般的なサクラは香りが強すぎるため使用せず、ワインやウイスキーの醸造樽などにも用いられるオーク(ナラ)の樹を、木々の眠る厳冬期に切り倒し、二年以上自然乾燥させたもののなかから、職人によって厳選された燻煙に適したものだけを用いて燻製します。?燻製をする際に必要な熱源も、ガスや電気によるものではなく、炭火による旧来の方法で行うので、薪と炭火の香りが楽しめます。
 こうして、手間暇かけて出来上がる製品の量は、10kgの原料からせいぜい6kg程度です。大手メーカー製品の1/2~1/3程度の大きさになってしまいますが、美味しさを追求した自然のかたちなのです。

薪・炭火仕上げロースハム

通常では考えられない手間と時間をかけており、唯一無二のハム。4週間の氷温熟成により、肉の旨みを最大限に引き出します。特に脂身は舌の上でとろけるような美味しさです。また、スモークにはカシワやナラを使用します。温度加減調節が容易なチップではなく薪のまま使用することにより、香りがやわらかく仕上がっています。そのままでもおいしいですが、脂身が透き通るくらいに軽く温めると、より一層とろけるおいしさを感じることができます。ハムと野菜を挟んでサンドイッチにしたり、お好みで粒マスタードを添えてもおいしくいただけます。

薪・炭火仕上げスモークスペアリブ

ロースハム同様に通常では考えられない手間と時間をかけて作られたもの。骨付き肉をスパイスの効いたタレに4週間付け込み、熟成された肉を薪と炭火でじっくりとスモークしました。お肉の凝縮された旨みと、絶妙なスパイスが特徴です。噛むほどにお肉の旨みが溢れ出します。骨からお肉を外し、お好みの大きさに切ってそのままか、フライパンで焼いてお召し上がりください。スープやシチューなどに入れてもだしが出て料理が一段とおいしくなります。

[取材協力]株式会社エーデルワイスファーム