地域が面白くなるためのプラットフォームに
大阪出身の北池さんは、結婚して子どもが生まれたタイミングで小金井に越してきた。「たまたま小金井になったんです」と語りながらも、武蔵野公園がすぐ裏手にありBBQも気軽にできる環境に驚いたそう。誰もご近所に知り合いがいない環境から、BBQ好きの近くに住む人たちから声をかけられ、地域に溶け込むようになった。
創業支援や地域活性化に取り組む「タウンキッチン」
代表取締役 北池智一郎(きたいけともいちろう)さん
JR中央線高架下ののみちの東小金井事業創造センター「KO-TO(コート)」
北池さんが立ち上げメンバーのひとりで、発行人でもあるフリーペーパー「184」。
地域のハブとなる会社と小金井。
小金井市に住み今年で5年目。2人目の子どもが生まれてからは、それまで住んでいた東小金井から坂下へ。小金井以外の引越し先は考えられなかったそう。はけの小道やはけの森美術館があり、とても良い環境の中で子育てができている。
「武蔵野に住んで実感したことは、地元とのつながりが強いこと。坂下のエリアは同年代の住人が多く、うちの奥さんはご近所の方たちとごはん会を開いたり、お隣の方からはよく切り干し大根などのおすそわけをもらっていますよ」
北池さんは行政、民間、大学など多くの地域のステークホルダーと協働しながらプロジェクトを進める会社「タウンキッチン」を運営している。食や仕事を通じて「地域のハブとなる人を育てる」ことによって、地域コミュニティのプラットフォームになることを目指している。
目の前に限りなく広がる、働く可能性。
「『184』というフリーペーパーをつくったことも大きいですね」と北池さんは言う。事業の一環ではないが、子どもと同じ保育園仲間で元デザイナーの「フリーペーパーをつくりたい」という声を聞き、「地元にそういうものがあったらいいよね。一緒にやってみようか」と制作が始まった。フリーランスのイラストレーターなど40代の主婦を中心に人が集まり、元々の経験が活かせるきっかけになった。
北池さんの運営する、地域に必要な仕事をつくる人々の拠点・東小金井事業創造センター「KO-TO(コート)」の存在も大きい。
「センターに来る人たちって、ほとんどが自転車なんですよ。しかもパパやママたちが多いので、ママチャリなんです。それを見ると、武蔵野らしいというか地域とつながっているなと感じます。僕自身もそうですが、朝に子どもを保育園や幼稚園に送りに行って、そのまま自分の勉強する場や仕事場に向かう。そういう働き方って、これからもっと見直されていいと思うんですよね。武蔵野に住み、武蔵野で働く。そんな形が当たり前になったら、地域がさらに身近に感じられると思います」
このエリアに住んでいるからこそ生まれる、仕事についての無限の可能性。今まで気づかなかった新しい暮らし方が、武蔵野には待っている。
2015年6月にオープンした、「東京学芸大学」図書館カフェのnote cafe(ノートカフェ)。
小金井市内の創業支援を目的に設置された公共施設、東小金井事業創造センター KO-TO(コート)。
法人登記も可能なシェアオフィスのほか、創業相談も受け付けている。
地域とつながるしごとの学校、コウカシタゼミ「創業スクール」の様子。
さまざまなイベントでファシリテーターの役割も担う北池さん。
株式会社タウンキッチン
東京都小金井市梶野町1-2-36
TEL:0422-31-2040
MAIL:info@town-kitchen.com
URL:http://town-kitchen.com/
こちらから
<取材後記>
バイタリティーあふれるパワーで、どんどんまわりを巻き込んでいく北池さん。地域の人たちの仕事を創り出す、コミュニティを生み出すというブレない信念があるからこそ、武蔵野の魅力を発信する大きな担い手となっているのだと思う。
北池さんがオススメする武蔵野ライフ。
六甲山 お好み焼き
テレビでサッカーの長友選手もおすすめしたという「六甲山」は、四角いお好み焼きが特徴なんです。目の前でスタッフの人が鉄板の上で焼いてくれるので圧巻ですよ。大きな具がたっぷり入っていて、鰹粉の香りが広がるんです。自家製の濃厚なソースはふわっとした生地との相性も良く、飽きることなく食べ進められるのでついつい頼みすぎてしまうこともよくあります(笑)。
東京都小金井市梶野町5-11-28 ののみちヒカゴ東E-05
042-406-4188
営業時間
17:00〜23:00
不定休