-クリオレジダンス新さっぽろ- 建築現場勉強会レポート

北海道との包括連携協定に基づき、北海道の建設・不動産に関わる人材育成のため、2016年10月に建築現場勉強会を開催いたしました。 今回は、北海学園大学工学部建築学科の岡本教授、足立准教授、学生の方々、総勢15名に参加していただきました。

建築現場勉強会

今回の建築現場は「新さっぽろ」駅徒歩4分の「クリオレジダンス新さっぽろ」です。
総戸数158戸、15階建てのプロジェクトで、竣工は2017年6月を予定しています。

まずはモデルルームで、用地仕入の経緯を明和地所の建設担当者から、工事進捗を岩田地崎建設の施工担当者から写真等で紹介。

ヘルメットをかぶって建築現場に移動。
2班に分かれて説明を受けます。

躯体工事中の12F。
普段見ることのできない高所での型枠工事に皆さん興奮気味です。

コンクリート打設後の状況を確認。
まだ住戸の境目がありません。

住戸の間の戸界壁が設けられ、ウレタンが吹付けられた状態。
北海道は寒冷地なので、断熱材が厚く作られています。

天井や壁の下地ボードを貼る前の状態。
配管、配線などがどのように通っているかがわかります。

現場作業員が下地ボードの取付けを実演。
学生たちからは歓声が上がっていました。

下地が出来上がって、この後クロスを貼っていきます。
キッチンなどの住宅設備機器も取付けが終わっています。

クロス貼り完了。フローリングを貼れば完成です。
現場監督の仕事について熱心に質問する学生たち。

完成して家具を設置した状態の棟内モデルルームを見学。
初めてモデルルームを訪れる学生さんも多かったようです。

北海学園大学のみなさん

上の階から下の階に行くにつれて、出来上がる工程を見ることができたので、わかりやすく理解することができました。

工事中にしか分からない部分である鉄筋やパテ塗り、石こうボードの取付けを見ることができて良かった。

実際の作業を見て、細かい部分までしっかりやっているのだと思い、良い勉強をさせていただきました。

モデルルームがとてもキレイで、実際に住んでみたい空間だと思い、また感動しました。

建築が生まれる現場

大学の講義は学生の理解を促すため、計画、意匠、歴史、材料、施工、環境など、分野ごとに分かれています。しかし、現場はそれら全てを織り込み済で動いています。また、教員は各専門の立場を踏まえつつ、「建築には様々な活躍の場・職種がある」と日頃から学生に伝えています。しかし、学生に実感してもらうことは叶いません。今回の勉強会と現場見学では、企画・計画される方々のお話、設計と現場との調整や役割分担の妙、職人の方々が働く姿などを直接見聞きできました。学生にとって、建築が生まれるプロセスの全体像を感じ取り、知識や想像あるいは妄想が現実と結びつく貴重な機会であったことは間違いありません。建築は、空間を創造する楽しさや竣工時の達成感だけから生まれるものではないでしょう。社会的責任や組織内および組織間の調整、それらに伴う苦労や工夫・知恵、さらに顧客満足や事業収益性など、どれも現場とセットで伺うと計り知れない説得力がありました。まさに、百聞は一見にしかず。携わる分野ごとの楽しさや働き甲斐もさることながら、目的を一にする各分野の連携と協調から感じる楽しさや働き甲斐こそ、大切なのだと思います。その片鱗を感じられる現場見学でした。

北海学園大学工学部建築学科 教授 岡本浩一

    ご協力いただいた皆様のHPにも建築現場勉強会の様子を取り上げていただきました。