ディスカバー北海道

檜山 2
-HIYAMA-

?いつでも見れる
「天の川」上ノ国町

天の川といえば、夜空を横切るように存在する光の帯を連想することでしょう。
上ノ国町には、この名前の河川が実在しています。

「天の川」は、渡島山地の分水嶺に源を発する、自然豊かな流域延長28.6kmの二級河川です。
名前の由来は、江戸時代初期にキリスト教イエズス会宣教師のジェロニモ・デ・アンジェリスが作成した蝦夷地図からと言われています。
1618年アンジェリスは、海路で松前をめざしていましたが、ひどい嵐のため上ノ国の「天の川」付近に上陸し、陸路松前に向かいました。これが、ヨーロッパ人最初の北海道上陸である。アンジェリスは3年後に蝦夷地図を作成しているが上陸した地点に「ツガ」と表記されていたことから、上ノ国の古名ツガ(テガ)の漢字表記「天河」が「天の川」の名前の由来と言われています。

ロマンあふれる天の川橋ロマンあふれる天の川橋

【天の川橋】

国道228号線、日本海追分ソーランラインの天の川下流に架かる橋長188m、幅員15.5mの橋。高欄部分には、かささぎの羽が連なっているような特徴的なデザインが施されています。高欄の間には、黄道12星座の銅板レリーフがあり、夜には星座を形作る恒星が本物のようにきらきら光り、ロマンチックに夜を彩ります。また街路灯は、流れ星のイメージを優しい曲線と直線で表現しています。
天の川橋では7月に地元の保育園の園児たちによる七夕飾りが飾られます。

◎天の川橋
北海道檜山郡上ノ国町大留
函館から車で120分

?北海道で
「さつまいも」!?厚沢部町

北海道で栽培されている芋類というと、じゃがいもというイメージが強いでしょう。
実際、北海道はじゃがいも生産量日本一で、厚沢部町は「メークインの里(発祥の地)」として高い知名度を誇っています。そんな厚沢部町では、道内では比較的温暖な気候を生かしてさつまいもの栽培も行われています。

厚沢部町で栽培されているさつまいもは、「黄金千貫」や「べにはるか」という品種で、「黄金千貫」は、主に芋焼酎「喜多里」の醸造用として使われ、「べにはるか」は干しいもとして販売されています。

さつまいもを開発された経緯について、厚沢部町農業活性化センターに聞きました。

?―北海道でさつまいもというのは意外ですね

栽培している「黄金千貫」という品種は、風味豊かで、でんぷん質が凝縮している大型の芋であることから、本格芋焼酎の原料として最適です。2003年に、北海道を代表する焼酎メーカーの札幌酒精工業が北海道産の本格焼酎の原料として「黄金千貫」の栽培を始めました。道内ではいち早いさつまいもの栽培です。

そもそもさつまいもは、熱帯地方が原産の作物で「北海道での栽培は無理」というのが常識でした。

当初、7,000本の苗で試験栽培を開始し、従事者たちの栽培研究の結果、地温を高める工夫や、植え付け時期などを工夫することにより、現在では年間200トンもの量を安定的に収穫できるようになりました。

?―今回なぜ「干しいも」を開発されたのですか?

焼酎原料用に「黄金千貫」を栽培していましたが、焼酎の消費量減少に伴い、作付面積が減少傾向にあります。そこで、さつまいもの消費を増やしたいと考えていた背景があります。

北海道産のさつまいもは、同じ品種でも道外産のものと比べてでんぷん質が低くなるため、ホクホク感が少なく、粘質で甘味が強くなるのが特徴です。この特徴は、干しいもを作るのに非常に適していると以前から考えていました。そこで、厚沢部町で食品加工を手掛ける株式会社シードと2016年から共同で干しいもの試作を開始したのが始まりです。

「黄金千貫」と「べにはるか」で干しいもを作ってみると、「黄金千貫」はしっとりとほのかな甘みに、「べにはるか」はなめらかでとても濃厚な甘さに甘く味が濃厚に仕上がりました。特に「べにはるか」は、国内最大産地である茨城県産の干しいもと同等以上の糖度があります。

商品化された干しいもは、味が濃厚で「癖になる甘さ」と評判は上々で、町内の「道の駅あっさぶ」などで販売しています。

紅はるか
1パック(150グラム)600円
お問合せ先 株式会社シード 0139-65-6366

【協力・資料提供】
北海道檜山振興局/上ノ国町役場/厚沢部町農業活性化センター